レビュー
概要
『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』は、会社員のまま起業に挑戦し、売上を積み上げるための「段階別の教科書」です。紹介文では、延べ6万人の会社員と向き合って見えた「会社員のまま起業して結果を出す人」がやっている思考と実務を、売上ステージ別に解説するとされています。
本書の面白さは、「起業したいが何をすればいいか分からない」人を、いきなり大きい理想へ連れていかない点です。売上0〜1万円、1〜5万円、5〜10万円、10〜30万円という区切りがあり、今いる場所から次へ進む設計になっています。
読みどころ
1) 売上0〜1万円は「意識は低くてもOK」と割り切る
紹介文には、売上0〜1万円の段階では「意識は低くてもOK」とあります。これは意外に重要です。
最初の段階で失敗する人は、理想の自分を作ろうとして止まります。完璧なプロフィール。完璧な発信。完璧なサービス。そこで動けなくなります。本書はその止まり方を避け、まずは小さく成果を出す方向へ押します。
2) 1〜5万円は「発信のコツ」をつかむ
紹介文の売上1〜5万円は、発信のコツをつかめ、とされています。会社員起業の難しさは、時間が足りないことです。
だからこそ、発信は「量」より「型」が必要です。自分の経験をどう言語化するか。誰に向けて書くか。何を約束するか。本書はその実務へ踏み込むはずです。
3) 5〜10万円は「投資の方向」を決める
紹介文では、売上5〜10万円は「3つに投資せよ」とあります。投資はお金だけではありません。時間と注意の配分も含みます。
この段階で効くのは、やることを増やすより、やらないことを決めることです。本書は「常識通り非常識になる」とも書かれていて、会社員の常識を一度外すポイントが示されます。
4) 10〜30万円は「自然体がいちばんうまくいく」
紹介文の売上10〜30万円は「自然体でいく」とあります。起業本は、成功者のキャラを真似させがちです。
でも、真似は続きません。続かないと売上も伸びません。この本は「一流のカッコイイ経営者になるなんて諦めよう」といった言葉で、力を抜いた継続を推すようです。会社員が副業で積み上げる現実に合っています。
「起業準備前夜」とSTAGE構成が、迷いを減らす
紹介文では、章立てが「起業準備前夜」から始まり、STAGE I〜IVで進むとされています。ここが、この本を読みやすくしているポイントだと思います。
会社員の副業は、時間が限られます。体力も有限です。だから「何をやればいいか」以上に「何を後回しにしていいか」が大事です。
STAGEがあると、次のように優先順位がはっきりします。
- いまは売上0〜1万円なので、肩書きを盛るより、まず小さく売って反応を見る
- いまは売上1〜5万円なので、商品を増やすより、発信の型を作って認知を積む
- いまは売上5〜10万円なので、単発を追うより、投資の方向を絞って伸び筋を固める
- いまは売上10〜30万円なので、気合いより、自然体で続く仕組みに寄せる
この「いまの自分に必要な行動だけに集中できる」感覚があると、SNSの情報に揺さぶられにくいです。
会社員起業で詰まりやすい「実務」を先に片づける
紹介文では、思考編と実務編が分かれているとされています。ここは、会社員起業の現場に合っています。
副業は、やる気より、手続きで詰まります。例えば、次のようなポイントです。
- 何を提供するかが曖昧で、相談に乗るだけで終わる
- 価格を決められず、無料のまま疲れる
- 発信が散らかり、誰に何を約束しているかが見えない
- 仕事が忙しくなると、活動が止まる
こういう詰まりは、メンタルではなく手順で解けます。実務の章に戻れる本は、それだけで強いです。
月30万円が「無理な夢」にならない理由
月30万円は、副業としては現実味がある一方で、雑に目指すと燃え尽きやすい金額でもあります。
本書が売上ステージ別で進むのは、目標を分割するためです。1万円を作る。次に5万円。続いて10万円。最後に30万円。こうして刻むと、毎月の行動が「続く量」になります。
紹介文の「自然体でいく」は、根性論の否定だと思います。自然体は、手を抜くことではありません。続く形に整えることです。
読み方のコツ
最初に、自分がどの売上ステージにいるかを正直に決めると良いです。たとえ売上が0でも大丈夫です。売上0の人向けの章が用意されています。ここが、この本の強みです。
次に、各ステージで「実務編」を優先します。紹介文でも、思考編と実務編が分かれているとされます。思考は大事です。ただ、会社員起業は実務が詰まると終わります。まず動ける形にして、後から思考を整えるほうが続きます。
類書との比較
- 起業の成功談中心の本は、勇気は出ますが、手順が抜けがちです。本書は売上ステージ別で、次の行動を指定します。
- 副業の本は、アイデア集で終わることがあります。本書は6万人の相談経験を背景に、実務の詰まりやすさへ寄せています。
- 時間管理の本は、効率化が中心です。本書は「会社員のまま起業」という制約の中で、発信や投資の判断まで扱います。
こんな人におすすめ
- 会社員のまま副業で収入を増やしたい人
- 何から始めればいいか分からず、動けていない人
- 月30万円を目標に、段階的に積み上げたい人