レビュー
概要
深堀ヨガスクール主宰の深堀真由美氏が、親子で楽しむキッズヨガをDVDと連動させて紹介したムック。DVDにはママと子どもが一緒に動けるポーズが収録され、テキスト部分ではポーズのポイント、声かけのタイミング、呼吸の導き方が丁寧に図解されています。忙しいママでも取り入れられる10分ルーチンや、体を動かしたあとのクールダウンまでワンセットで整理されていて、動画とテキストを往復することで身体と声のリズムが自然と整う構成です。
2010年5月に大和書房から刊行されたこのDVDbookは、映像と読み物を同じページで行き来して練習を完結させる工夫が特長。観て→動いて→読み返すという循環で記憶と身体感覚を重ねるため、親子のペースに合わせた再現性が高く、どのポーズでも「誰かが隣で教えてくれている」ような安心を持てる仕組みです。巻末コラムには、オキシトシンの分泌を促す「ささやき言葉」の例も掲載されていて、触れる言葉と身体の誘導がセットになっている点が、典型的なヨガ本とは一線を画しています。
読みどころ
- DVDとテキストのセット設計:DVDでは家の中でできる簡潔なポーズと声かけが映像化され、テキストではそのポイントを言語化。目で見て耳で聞いたあとに、文字で復習できるので、何度でもステップを追える仕組みです。
- 子どもの集中力を誘う構成:5→3→1秒と体を動かすリズムを変化させ、ポーズのなかにリズミカルなコール&レスポンスを挟み込むことで、子どもの飽きを防ぐ工夫が複数あります。
- ママのためのリセット方法:一緒に動く時間の前後には、ママ自身の呼吸を整える導入と、簡単な呼吸瞑想が挿入されています。「子どものため」だけでなく、ママの自律神経の整え方にも触れている点が特徴。
- 絆を深めるスキンシップ案:ポーズ後にハグするタイミングやストロークを細かく示し、親子のオキシトシンを増やすための寄り添い方を提案。触れる言葉や手の動きを具体的に示すことで、親の表現力もアップします。
- 季節・体調に合わせたバリエーション:風邪気味の日はゆっくりしたポーズを、元気な日はジャンプ系を増やすなど、体調別にメニューを分けているため、四季を通じて使える貴重な手引きになります。
- 呼吸・声かけの言語化:DVDのタイムラインには「吐いて」「落ち着いて」「手を伸ばして」といった声かけが文字化されており、親が何を言えばよいか迷わずに済むよう細かく記されているのも優れた点です。動きながら声のリズムを再現できれば、子どもの「飽きた」の合図にも機敏に対応できるようになり、寝る前やご飯前など日常の区切りにも導入しやすくなります。
類書との比較
『親子でのびやか 楽しいキッズヨガ まねして簡単50のポーズ』が50ポーズを丁寧な現場写真で伝えるのに対し、本書はDVDの動きにテキストを連動させる「動画+読み物」スタイルで、読みながら何度でも動き直せる即戦力です。
『トミーのぼうけん たのしくチャレンジ! キッズヨガ』が絵本的に導入するのに対して、『DVDbook』はママ自身の呼吸・スキンシップ・声かけの3つをバランスよく含むため、心身を整える時間としてちょっとしたワークショップになる構成です。映像を一緒に見ることで、文脈だけでなく動きの質まで共有できるので、家での練習密度が格段に上がります。
こんな人におすすめ
- DVDを見ながら親子で一緒に体を動かしたいママ・パパ
- 同じ空間で仕事と育児を両立しながら、5分10分でリセットしたい人
- 体調不良時にも穏やかに動けるポーズを知りたい人
- 育児中の孤独感をスキンシップで癒したい人
- 呼吸法の言語化を知りたいヨガ指導者や保育士
感想
DVDの音楽と深堀氏の声のテンポが、親子でやると心地よく融け合い、ポーズのひとつひとつに「どう声をかけるか」が書いてあるので、初めての人でもアテンドしやすい構成でした。子どもの集中が切れたタイミングではテキストの『休憩ボーナス』を参照し、軽く動きながら笑いを作るような言葉がずらりと並んでいるのも使いやすさの秘密です。
一週間続けてみると、「ママの呼吸が落ち着くと、子どもも自然とゆっくりする」ことに気づきました。親子ヨガを続けるうちに、緊張したときに手を添えるだけでお互いの神経が切り替わるような感覚が生まれ、育児の中に「安心を整える儀式」を持てたので、暮らしの基礎体力として心強い一冊です。その結果、ちょっとしたイライラの波が起きたときでも、DVDのクールダウンの声かけを真似するだけで「思考を切り替える」「タッチで伝える」習慣が育ち、じわじわと日常に親子のリズムが定着していきます。