レビュー
概要
社会人1年目から30歳までに押さえるべき資産形成とライフプランの考え方を、心理的負担を減らしながら提示する新版。著者は金融政策の専門家として知られるが、本書では難解な理論を排し、「目の前の行動に移せる」具体的なステップを紹介している。
読みどころ
- 第1章で生活費と貯蓄のバランスをどう取るかを示す。各章で「まず何をやるか」「次に何をやるか」をリスト化し、目標設定のテンプレートを提供している。たとえば「目標: 5年以内に家を買う」を設定したら「必要な頭金」「月収に対する貯蓄率」を算出するシートが付属。
- 第2章は投資というより運用の種をまくことにフォーカス。iDeCo、つみたてNISA、債券・株式・不動産の基本を触れつつ「どの年齢でどれだけを目標にするか」という年齢別のポートフォリオ例を紹介する。
- 第3章ではリスク想定とライフイベントの調整。独立、結婚、出産、親のケアといった訪問を想定し、それぞれに必要なキャッシュフローを逆算する実践が、演習問題として掲載されている。
類書との比較
『お金の教養』が知識のアップデートを重視するのに対し、本書は身体感覚ベースで「まずやるべきアクション」へ誘導する。前者が知識の量を重視するなら、こちらはその知識を具体的な年間計画に落とし込む流れで、同じテーマでも実行に近い。
こんな人におすすめ
・20代で貯蓄や投資を始めたい人。年齢別のマイルストーンを使って、何年後に何をするかが整理できる。
・ライフイベントを想定できず資産形成が進まない人。逆算のフレームがあるので、未来のイベントを描きながら今を組み替えられる。
・お金の話を家族に説明したい人。「何のために貯めているのか」を相手にも伝える素材がある。
感想
新版のリテラシーでは、知識だけでなく心持ちやタイミングが重視されている。年齢別のチェックリストに従って自分の行動を見直すと、身近な支出がすぐに再評価され、無駄だと思っていた支出を仕組みとして置き換えるアイデアが浮かんだ。