レビュー

「株って結局、何から始めればいいの?」をマンガでほどく入門書

株に興味が出ても、最初に立ちはだかるのが“手順の壁”です。用語が多い。口座開設も初見だと怖い。銘柄選びも正解が見えない。そういう不安を抱えたまま、検索タブだけ増えていくのも珍しくありません。

『マンガでわかる最強の株入門』は、その壁を「主人公と一緒に進む」形で崩していく本でした。説明文では、口座の開き方から銘柄選び、儲けを増やすコツまで、初心者が知りたい情報を1冊に集約したとされています。さらに、主人公・倉森琴音がTV番組をきっかけに株をゼロから始め、SNSで知り合った仲間にレクチャーを受けながら“億り人”を目指す、というストーリーが軸になります。

「もくじ」が実務の順番になっていて、迷いにくい

本書の良さは、もくじが具体的で、学ぶ順番が見えやすいところです。

  • PART1 株を売り買いしてみよう!
  • PART2 イナゴは卒業! 本当に買うべき株とは?
  • PART3 「チャート」の読み方猛特訓!
  • PART4 知らなきゃ勝てない、株の超基本
  • PART5 「信用取引」を賢く使おう!
  • PART6 「億り人」になれる人、なれない人

最初に「売り買いしてみよう」で手を動かす。次に、テーマとして盛り上がりやすい“イナゴ”を引き合いに、買うべき株を考える。そこからチャートに入り、基本を押さえ、信用取引へ進む。最後に「億り人」の条件を整理する。流れがきれいです。

特にPART2の「イナゴは卒業!」があることで、勢いだけで飛びつく危うさを自覚しやすくなります。初心者は“上がっているもの”が魅力的に見えます。でも、その瞬間の熱量に飲まれると、判断が雑になります。タイトルにこの言葉が入っているだけで、ブレーキを踏む意識が生まれます。

チャートを「読む」より前に、「読む理由」があるのが助かる

チャートは、最初に覚えると挫折しやすい分野です。線が多い。意味が分からない。なのに、SNSでは当たり前のように語られている。

本書はPART3で「読み方猛特訓!」と書いているので、ここを“根性で詰める章”として切り出しています。逃げ道をふさぎつつ、マンガで読み進められるのが現実的です。理屈の説明だけではなく、場面として理解できるので、感覚がつかみやすいと思いました。

「口座の開き方から」書いてあるから、行動が止まりにくい

株の勉強で多いのが、知識を入れて満足してしまうパターンです。でも本書は、説明文の時点で「口座の開き方から銘柄選び、儲けを増やすコツまで」を1冊に集約したとされています。つまり“最初の手続き”が、学びの範囲に入っています。

ここが大事です。口座を開かない限り、株は始まりません。PART1で売り買いの入口を作り、次にPART2で「買うべき株」を考える流れなので、行動が止まりにくい。読み手の背中を押す設計だと思いました。

PART5の「信用取引」は、仕組みを知るだけでも視野が広がる

もくじに「信用取引」を入れている時点で、この本は“完全な超初心者向け”だけに寄せていません。信用取引は難易度が上がる分、知らないままだと怖さだけが残ります。

本書は「賢く使おう」と書いているので、危険性も含めて扱う前提だと思います。すぐに手を出す必要はありませんが、仕組みを知っておくと、他人の話にも置いていかれにくくなります。

「億り人」は煽りではなく、学びのゴールとして使うといい

“億り人”という言葉は、正直ちょっと派手です。ですが、この本では「楽しく1億円なんて夢ありすぎ!」というノリも含めて、学びを続けるための目標設定として置かれています。

大事なのは、数字そのものより「なぜ増えるのか」「なぜ減るのか」を理解することです。本書はPART4で“超基本”を押さえ、PART6で「なれる人/なれない人」を整理します。勢いで始めて勢いでやめる、という展開を避けやすい構造です。

読み終わった後の一歩を決めやすい

本書は、35万部突破と紹介され、堀江貴文氏の推薦コメントが付くとも説明されています。勢いのある入門書だからこそ、読み終わったら「次に何をするか」を1つだけ決めるのがおすすめです。

たとえば、口座を開く。買いたい銘柄の条件を3つだけ書く。チャートを1日1回だけ見る。小さくても行動に落とすと、マンガで得た理解が現実の感覚に変わっていきます。

こんな人におすすめ

  • 株に興味はあるが、手順が分からず止まっている人
  • 用語の解説だけでなく、ストーリーで理解したい人
  • チャートに苦手意識があり、練習の取っかかりが欲しい人
  • “流行り株に飛びつく”から卒業したい人

まとめ

株の入門書は多いですが、本書は「口座の開き方→銘柄選び→チャート→基本→信用取引→億り人の条件」という学びの順番がはっきりしています。主人公と一緒に進む形なので、知識の点が線でつながりやすいです。まず1冊で全体像を掴み、次の行動へ移りたい人向けの入門書です。

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    高橋 啓介

    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    森田 美優

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    西村 陸

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    佐々木 健太

    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

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