レビュー

概要

『コースマネジメントを理解するゴルフスコアUPメニュー200』は、練習場では良い球が出るのに、ラウンドになるとスコアがまとまらない人に向けた実戦型の指南書です。本書の問題設定は明確で、コースには「罠」があるのに、気づかないまま同じミスを重ねてしまう。その罠を未然に防ぐ方法と、はまったときの対処法を、201項目というメニュー形式で整理しています。

目次も「スコアUPに直結する練習法」と「スコアUPを約束するコースマネジメント」の2軸がはっきりしています。前半はラウンドを想定した練習と、作戦やメンタルを鍛えるゲーム感覚の練習。後半はティショット、セカンド、100ヤード以内、アプローチ、バンカー、パッティングまで、場面別にマネジメントを積み上げます。ラウンド中の「困った」「難しい」を、できるだけ小さく切って解決していく設計です。

読みどころ

1) 「スイング」より先に「実戦力」を作る発想

本書が繰り返し強調するのは、スコアアップには「実戦力」「本番力」が欠かせないという点です。練習場でフォームを整えるだけでは、コースで起きる判断の連続に対応できません。ライの違い、風、傾斜、ハザード、残り距離、プレッシャー。こうした条件に対して、ショットの質だけで戦うのは無理が出ます。

だから本書は、スイングの基本を押さえたうえで、ラウンドを想定した練習へ移ります。「本番を想定して反復する」ことを練習の中心に置くので、練習の目的が「当てる」から「スコアを作る」に変わります。

2) PART構成がそのままラウンドの流れになっている

コースマネジメント編は、ティショット→セカンド→100ヤード以内→アプローチ→バンカー→パッティングと、スコアに直結する順番で並びます。この構成が良いのは、振り返りに使えるからです。

例えば「今日は100ヤード以内で崩れた」と感じたら、PART5を中心に読み返す。「バンカーで焦って大叩きした」ならPART7へ戻る。1冊を通読して終わりではなく、ラウンドの失点を埋める辞書として使いやすいです。

3) メニュー形式なので、悩みを一点突破できる

ゴルフの不調は、原因が複合しやすいです。ドライバーが荒れて、セカンドが残って、アプローチも寄らず、3パットで終わる。こうなると、何から直せばいいのか分からなくなる。本書は「201項目」のメニュー形式なので、悩みを一点に絞りやすい。

「今日の課題はティショットの判断」「次は100ヤード以内の距離感」「パットの組み立て」など、改善を週単位で回せます。ゴルフは修正点を増やしすぎると崩れるので、絞れる設計は実用性が高いです。

4) 「罠にかかったときの対処」が中心にある

ラウンド中は、理想通りにいきません。安全に刻むつもりが曲がることもあるし、狙いよりも悪いライに止まることもあります。本書が「罠を防ぐ」だけでなく「罠にかかったときの対処」にも軸足を置いている点は、スコアメイクの現実に合っています。

大叩きは、ミスショットそのものより、ミスの後に焦って無理をすることで生まれます。そこで、状況別の打ち方や考え方が整理されていると、次の一手が落ち着きます。

本書が扱う範囲が広い(練習→ラウンド→グリーンまで)

本書は、序章でスイングの基本を押さえたうえで、練習編(PART1・PART2)と、コースマネジメント編(PART3〜PART8)に分かれます。この分け方は、「練習は練習」「本番は本番」にしないための構造です。

練習編は、ラウンドを想定した練習と、作戦やメンタル強化に役立つゲーム感覚の練習。つまり、練習場で“本番の判断”を鍛える入口です。そしてコースマネジメント編では、ティショットやセカンドだけでなく、100ヤード以内、アプローチ、バンカー、パッティングまで扱います。スコアの崩れは、どこか1つの技術ではなく、流れの中で起きます。その流れを、パート構成で追えるのが使いやすい点です。

「201項目」を自分用の改善メニューにする

201項目という量は、読む側からすると多く見えます。ただ、実際のラウンドでは「困った」と感じる場面が1日で何度も発生します。だからこそ、メニューが多い点は強みになります。今日はティショットの作戦だけ、次は100ヤード以内の距離感だけ、というふうに、ラウンドの失点に合わせて“改善メニュー”を入れ替えられるからです。

読後におすすめの使い方

この本は、ラウンド前後で使うと効果が出やすいです。

  1. ラウンド前に、PART3〜8から「今日の重点」を1つ決める
  2. ラウンド中は、重点だけを守る(全部をやろうとしない)
  3. ラウンド後に、崩れた場面のPARTを読み返し、次の重点を入れ替える

さらに、練習場での時間の一部をPART1〜2の「実戦想定」に寄せると、本書の狙いと噛み合います。フォーム作りとスコア作りを分けて考えると、練習の質が上がります。

こんな人におすすめ

  • 練習場では良いのに、ラウンドでスコアがまとまらない人
  • コースでの判断(刻む/狙う、番手選び、攻め方)に自信がない人
  • 大叩きの原因を「ミスの後の行動」まで含めて見直したい人

スコアアップの近道は、ナイスショットを増やすことより、ミスの連鎖を止めることです。本書はそのための「場面別の手順」を201のメニューとして用意してくれる、実戦志向のガイドでした。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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