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レビュー

概要

『マンガでわかる!地球環境とSDGs 全5巻』は、気候変動や生物多様性、ごみ問題といった“ニュースで聞くけど実感しづらい話”を、ストーリーマンガと解説で整理する学習シリーズです。SDGsの枠組みと結びつけながら、環境問題を「怖い話」だけで終わらせず、自分たちにできることまで視界に入れる構成です。

内容は、1巻は持続可能な社会とSDGsの基本、2巻は生物多様性、3巻は地球温暖化、4巻は江戸のエコライフ、5巻は未来の社会(理想と悲惨の両面)へと進みます。環境問題は論点が散らかりやすいです。ただ、テーマを巻で区切ることで、学ぶ順番が分かりやすくなります。

読みどころ

1) マンガ→解説の往復で「分かった気」を減らす

環境問題は、言葉だけだと抽象的になりがちです。マンガで状況を体験として入れ、解説で写真やデータを見て理解を固める。この往復があると、感想文で終わらず、学習に繋がります。

2) SDGsを“番号暗記”にしない

SDGsは17項目の番号が有名ですが、番号を覚えても行動は変わりません。本シリーズは、温暖化や海洋ごみなどの現実の問題から入って、そこに関連するSDGsを結びつける作りです。順番が逆だから、意味が残りやすいです。

3) 各巻のテーマが具体的で、授業や自由研究に使いやすい

「生物多様性」「地球温暖化」「江戸のリサイクル」など、自由研究のテーマになりやすい題材が巻ごとにまとまっています。調べ学習で必要な視点(現状、原因、取り組み、私たちにできること)が揃っているのが強い。

本の具体的な内容

第1巻は、小学6年生のサラがSDGsをきっかけに、家族で身近な問題に取り組みながら、地球温暖化、エネルギー問題、海洋ごみなどに関心を広げていく、とされています。最初に“生活の中の行動”から入るので、環境問題を自分ごと化しやすいのが良いところです。

第2巻は、中学2年生のアカネとシュンが夏休みの宿題で生物多様性を調べる中で、森林破壊や砂漠化が生態系に与える影響、危機から地球を守る取り組みを学ぶ流れ。生物多様性は言葉が難しいですが、身近な生き物や自然の変化と繋がると理解が進みます。

第3巻は、宿題テーマに悩む大気(たいき)が謎の人物「ダンカオン」と出会い、気候変動の秘密を明かされる、という導入で、温暖化、オゾンホール、酸性雨などを扱う巻です。温暖化だけに寄らず、関連する現象もまとめることで、環境問題を“単発の流行語”にしない狙いがあります。

第4巻は、江戸時代にタイムワープしたミキが、徹底したリサイクルシステムや自然エネルギー中心の暮らしを体験する巻。ここがシリーズの中でも特に面白くて、環境対策を「新技術」だけに頼らず、社会の仕組みとして考える入口になります。江戸にもごみ問題や環境破壊があった、という視点が入るのも重要です。

第5巻は、22世紀にタイムワープして理想的な社会と悲惨な社会の両方を見る、とされます。未来の話にすることで、「今の選択の積み重ねが未来を分ける」という因果が理解しやすくなる。環境教育の落としどころとして良い締め方だと思います。

こんな人におすすめ

  • SDGsを授業で学び始めた小中学生
  • 自由研究や調べ学習のテーマを探している人
  • 環境問題に興味はあるが、何から理解すればいいか分からない人
  • 「自分にできること」を具体化したい家庭や学校

注意点

マンガは入口として強い反面、読んで満足してしまう危険もあります。おすすめは、各巻を読んだ後に「この巻の問題は何?原因は?自分にできることは?」を三行でまとめること。短いアウトプットを入れるだけで、学習効果が大きく上がります。

感想

環境問題の教材は、危機感を煽って終わるものも多いのですが、このシリーズは「理解→選択→行動」までを意識している点が良いと感じました。特に江戸のエコライフの巻は、持続可能性を“我慢”ではなく“仕組み”として考えるきっかけになります。

SDGsは、言葉としては広まったけれど、生活の中でどう使うかが難しい。本シリーズは、その距離を縮めてくれる学習まんがとして、家庭や学校に置きやすいセットです。

家庭・学校での活用例(学びを“行動”に変える)

このシリーズは、読んで終わりにせず、次の小さな行動に繋げると価値が跳ね上がります。たとえば第1巻を読んだ後なら、家の中で「ごみが増える行動」を3つ探して、1つだけ減らしてみる。第2巻なら、近所の公園や川で見つけた生き物を写真に撮って「どんな環境が必要か」を調べる。第3巻なら、エアコン設定や移動手段など“日常の排出”に関わる行動を1つ変えてみる。

第4巻(江戸のエコライフ)は、特にディスカッションに向きます。江戸のリサイクルは「我慢」ではなく「当たり前の仕組み」だった、という視点から、現代はなぜ同じように回りにくいのかを話し合うと、SDGsがスローガンではなく社会設計の問題として見えてきます。第5巻の未来の巻まで読んだ後にこの議論をすると、「未来は選べる」という感覚が残りやすいです。

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