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レビュー

概要

『宇宙一ずぼら絶品めし』は、「料理はできればやりたくない。でも、うまいものは食べたい」という現実に正面から寄り添ったレシピ本です。人気YouTuberのだれウマさんが、“3ステップでわかる”レシピを100本まとめています。

特徴は、料理のハードルを下げる設計が徹底していることです。工程や道具を縛って迷いを減らすカテゴリが用意されています(例:ワンパン(フライパン1つ)/レンジ調理/包丁なし/混ぜるだけ/材料3つ/トースター調理/炊飯器調理)。ページを開いた瞬間に「今日はこれでいい」と決められるので、献立決めのコストが小さくなります。

本の長さは152ページ。分厚すぎないので、料理が苦手な人でも“最初の1冊”として使いやすい分量です。

読みどころ

1) 「ずぼら」を肯定して、意思決定を減らす

料理が続かない理由の1つは、手間そのものより「選ぶ負担」です。本書はカテゴリの切り口が明快で、ワンパン・レンジ・炊飯器などの条件から逆算してレシピを選べます。疲れている日に「包丁は使わない」「洗い物を増やさない」と条件を決めてしまえるのは、生活への実装という意味でかなり強い。

2) レパートリーが“偏らない”構成

ずぼら系レシピ本は、主菜に寄りすぎたり、ジャンク寄りになったりすることがあります。本書は、ガッツリ男飯だけでなく、肉・魚、おつまみ、スイーツまで射程が広い。実際、レビューでも「パスタ」「中華飯」「タルト・タタン」など幅広いメニューが載っている点が評価されています。

3) 「再現性」を最優先している

手順が複雑なレシピは、最初の成功体験を作りにくい。本書は“3ステップで紹介”を掲げていて、初心者が迷いやすいポイントを削っています。料理の上手い下手以前に、手順の短さ自体が継続の味方になります。

本の具体的な内容

本書の中核は、調理の「やること」を減らすための設計です。たとえばワンパン系なら、フライパンひとつで加熱を完結させることを前提にレシピが組まれているので、鍋・ザル・ボウルを増やす判断がそもそも発生しません。レンジだけ系も同様で、火加減の調整という“初心者が失敗しやすい変数”を取り除いています。

材料面でも、「材料3つだけ」のように縛りを作ることで、買い物の段階からラクになる。献立→レシピ→買い物→調理が一本の線でつながると、外食やコンビニに流れやすい日でも「家で済ませる」が選びやすくなります。

また、スイーツまで含んでいるのが地味に嬉しいポイントでした。食事作りに疲れている時ほど、甘いものを“つい買う”行動が増えがちです。簡単なプリンのように、家で作れる選択肢があると、支出のコントロールにもつながります。料理本なのに、生活全体の摩擦を減らす道具として読めるのが面白いところです。

レビューでも触れられている通り、本書は基本の料理からデザートまで幅広い。パスタや中華飯のような「一品で満足度が出やすいメニュー」と、タルト・タタンのような「イベント感のある甘いもの」が並びます。普段は“作業”と化しがちな料理に、ときどき“ご褒美”を混ぜられる。この振れ幅があると、続けやすさが上がります。

使い方のコツ(ずぼら運用)

個人的に相性が良い使い方は、平日は「レンジだけ」か「ワンパン」から選び、週末だけ「炊飯器だけ」や「トースターだけ」でまとめて作る運用です。ページをめくって“気分で選ぶ”より、先に条件を決めてから選ぶと迷いが減ります。さらに、同じカテゴリを2〜3回回すと「材料の使い回し」が自然にできて、買い物もラクになります。

類書との比較

時短レシピ本は数多いですが、本書は「時短」より「ずぼら」に寄せているのが差別化点です。時短本は、手際や段取り(同時進行)を要求することがあり、初心者には難しい場合があります。一方、本書は“道具と工程を減らす”ことで、段取り力がなくても完走できる方向。料理スキルの成長というより、生活の継続性に焦点が当たっています。

こんな人におすすめ

  • 料理が苦手で、まず成功体験がほしい人
  • 帰宅後に考える余力がなく、「条件から選べる」レシピがほしい人
  • 洗い物を増やしたくない、包丁を出す気力がなく、そういう日が多い人
  • 主菜だけでなく、おつまみやスイーツも簡単に作りたい人

注意点

ラクに振り切っているぶん、栄養設計(カロリーやPFCなど)を細かく管理したい人には情報が足りないかもしれません。健康目的で使うなら、野菜を一品足す、たんぱく質源を意識して選ぶなど、家庭側で補うとバランスが取りやすいです。

感想

この本を読んで「料理が続く人の条件」は、意志の強さではなく、摩擦の少なさだと改めて感じました。やる気がある日だけ頑張るのではなく、やる気がない日にでも成立する仕組みを用意する。『宇宙一ずぼら絶品めし』は、そのためのレシピ集というより、生活の設計図に近い一冊です。

“ちゃんと作る”を目標にすると挫折しますが、“とりあえず食べる”を目標にすると継続しやすい。まずは「ワンパン」「レンジだけ」など、1カテゴリだけを固定して回してみると、効果が実感しやすいと思います。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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