PMS改善本おすすめ!月経前症候群を栄養療法で乗り切る実践ガイド5選

PMS改善本おすすめ!月経前症候群を栄養療法で乗り切る実践ガイド5選

月経前になると、理由もなくイライラして家族に当たってしまう。仕事中なのに眠気が襲ってきて集中できない。お腹が張って、体重も増えて、鏡を見るのも嫌になる——。

実は、日本女性の約7〜10%が、日常生活に支障をきたすほどのPMS(月経前症候群)症状を経験しているという日本産科婦人科学会の報告があります。私も妻から「生理前は本当につらい」という話を何度も聞いてきました。4歳の息子を育てながら仕事と家事をこなす妻の姿を見ていると、PMSの症状が重なったときの大変さは想像を絶するものがあります。

しかし、最新の栄養学研究により、食事やサプリメントでPMS症状を大幅に改善できることが分かってきました。今回は、エビデンスに基づいた栄養療法でPMSを改善する方法を解説した、実践的な本を5冊ご紹介します。

なぜ栄養でPMSが改善するのか?科学的メカニズム

PMSの原因は完全には解明されていませんが、排卵後から月経開始までのホルモン変動が大きく関与していることが分かっています。エストロゲンとプロゲステロンの急激な変化は、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、GABA)のバランスを崩し、精神症状や身体症状を引き起こします。このホルモンバランスの重要性は、男性更年期でも同様の仕組みが確認されています

ここで重要なのが、これらの神経伝達物質の合成には特定の栄養素が不可欠だということです。例えば、セロトニンの合成にはビタミンB6、トリプトファン、マグネシウムが必要です。つまり、適切な栄養摂取により、ホルモン変動による影響を最小限に抑えることができるのです。

PMS改善に効果的な栄養素とその働き

ビタミンB6:イライラを鎮める鍵

ビタミンB6は、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの合成に必須の栄養素です。産科と婦人科学会誌の特集によると、ビタミンB6を50〜100mg/日摂取することで、PMSの精神症状が有意に改善したという報告があります。

私は最近、朝食に必ずバナナを1本食べるようにしています。バナナにはビタミンB6が豊富に含まれており、手軽に摂取できるからです。妻も真似して食べ始めたところ、「なんとなく調子がいい」と言っていました。

マグネシウム:筋肉の緊張を和らげる

マグネシウムは「天然の精神安定剤」とも呼ばれ、神経の興奮を抑える働きがあります。200〜400mg/日の摂取で、PMSの精神症状だけでなく、頭痛や腹部膨満感も改善することが報告されています。

アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類は、マグネシウムの宝庫です。私は仕事中の間食をスナック菓子からミックスナッツに変えました。小腹が満たされるだけでなく、午後の集中力も上がった気がします。

カルシウム:ホルモンバランスの要

カルシウム不足は、PMSのリスクを高めることが分かっています。1000〜1200mg/日のカルシウム摂取により、PMSの身体症状と精神症状の両方が改善したという大規模研究があります。

牛乳やヨーグルト、小魚などから積極的に摂取しましょう。我が家では、朝食にヨーグルトを欠かさず、夕食には週3回は魚料理を取り入れています。

オメガ3脂肪酸:炎症を抑える

EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸には、強力な抗炎症作用があります。PMSに伴う炎症反応を抑制し、精神症状の改善にも効果があることが示されています。

青魚を週3回食べることで、必要量を摂取できます。サバ缶やイワシ缶を常備しておくと、忙しい日でも手軽にオメガ3を補給できます。

PMS改善におすすめの栄養療法本5選

1. オーソモレキュラー栄養療法の決定版

最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門

分子栄養学の第一人者・溝口徹医師による、栄養療法の入門書。PMSを含む様々な不調を栄養で改善する方法を科学的に解説。

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『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』は、分子栄養学の観点からPMSを含む様々な症状へのアプローチを解説しています。著者の溝口徹医師は、2000年から栄養療法専門クリニックを運営し、延べ5万人以上の患者を診てきた実績があります。

本書の特徴は、血液検査データから個人の栄養状態を詳細に分析し、不足している栄養素を最適量補充するという科学的アプローチです。PMSについても、ホルモンバランスと栄養素の関係を分子レベルで解説し、具体的な改善方法を提示しています。

2. 女性のための実践的栄養ガイド

栄養療法の実践において重要なのは、日常生活に無理なく取り入れられることです。忙しい現代女性でも続けられる、シンプルで効果的な方法を選ぶことが成功の鍵となります。

例えば、朝食を抜いていた人が、まずはヨーグルトとバナナから始める。コンビニ弁当が多い人は、サラダチキンとナッツをプラスする。このような小さな変化の積み重ねが、大きな改善につながります。

3. サプリメント活用の正しい知識

サプリメントは、食事だけでは不足しがちな栄養素を効率的に補給できる便利なツールです。しかし、やみくもに摂取しても効果は期待できません。自分の症状と栄養状態を把握し、必要な栄養素を適切な量、適切なタイミングで摂取することが重要です。

私自身、マグネシウムのサプリメントを就寝前に摂取するようになってから、睡眠の質が明らかに向上しました。朝の目覚めがすっきりし、日中の集中力も上がったように感じます。

4. 食事日記でパターンを発見

PMS改善において見落とされがちなのが、自分の症状パターンを把握することです。月経周期のどの時期に、どんな症状が出やすいのか。どんな食事をした後に調子が良くなるのか、悪くなるのか。

食事日記をつけることで、自分だけのパターンが見えてきます。私の妻は、月経前にカフェインを控えることで、イライラが軽減することに気づきました。また、甘いものを食べ過ぎた翌日は、むくみがひどくなることも分かってきました。

5. 漢方と栄養療法の融合

西洋医学的な栄養療法と、東洋医学の漢方を組み合わせることで、より効果的なPMS改善が期待できます。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などの漢方薬は、日本産科婦人科学会のガイドラインでもPMS治療薬として推奨されています。

漢方薬は体質に合わせて選ぶ必要があるため、専門医や薬剤師に相談することをおすすめします。栄養療法と併用することで、相乗効果が期待できます。

今日から始められる5つの実践法

1. 朝食にタンパク質を必ず摂る

血糖値の急激な変動は、PMSの症状を悪化させます。朝食にタンパク質を摂ることで、血糖値を安定させ、1日を通じて精神的に安定した状態を保てます。

卵、ヨーグルト、豆腐、納豆など、手軽に摂れるタンパク質源を活用しましょう。私は最近、ゆで卵を作り置きして、忙しい朝でも必ずタンパク質を摂れるようにしています。

2. カフェインを1日1杯に制限

カフェインは神経を興奮させ、イライラや不安を増強する可能性があります。特に月経前は、カフェインへの感受性が高まることが分かっています。

コーヒーを1日1杯までに制限し、それ以降はハーブティーに切り替えましょう。カモミールティーやラベンダーティーには、リラックス効果があります。

3. 夕食に青魚を週3回

オメガ3脂肪酸を効率的に摂取するには、青魚が最適です。サバ、イワシ、サンマ、アジなどを週3回は食べるようにしましょう。

缶詰でも栄養価は変わりません。サバ缶を使ったパスタや、イワシ缶のトマト煮など、簡単なレシピで続けやすくすることがポイントです。

4. 間食をナッツに変える

スナック菓子や甘いお菓子を、ナッツ類に置き換えるだけで、マグネシウム、ビタミンE、良質な脂質を摂取できます。

アーモンド、くるみ、カシューナッツなどを小分けにして持ち歩くと、外出先でも健康的な間食ができます。1日の目安は手のひら一杯分(約30g)です。

5. 就寝前のマグネシウムサプリメント

マグネシウムは筋肉をリラックスさせ、神経の興奮を鎮める効果があります。就寝前に200mgのマグネシウムサプリメントを摂取することで、睡眠の質が向上し、翌朝の目覚めもすっきりします。

ただし、摂りすぎると下痢を起こすことがあるため、少量から始めて徐々に増やしていくことが大切です。

PMS改善の効果を実感するまでの期間

栄養療法によるPMS改善は、即効性があるものではありません。一般的に、効果を実感するまでには2〜3ヶ月かかります。これは、体内の栄養状態が改善し、ホルモンバランスが整うまでに時間がかかるためです。

私の妻も、栄養療法を始めて最初の1ヶ月はあまり変化を感じませんでしたが、2ヶ月目から「そういえば、今月は楽だった」と言うようになりました。3ヶ月経った今では、PMSの症状が以前の半分以下になったと喜んでいます。

重要なのは、すぐに効果が出なくても諦めずに続けることです。体は確実に変化していきます。

医療機関を受診すべきタイミング

栄養療法は多くの女性のPMS改善に効果的ですが、以下のような場合は医療機関の受診をおすすめします。

  • 日常生活に著しい支障がある
  • うつ症状が強く、希死念慮がある(PMDD:月経前不快気分障害の可能性)
  • 栄養療法を3ヶ月続けても改善が見られない
  • 他の病気(甲状腺疾患、うつ病など)の可能性がある

婦人科や心療内科で適切な診断を受け、必要に応じて薬物療法と栄養療法を併用することで、より効果的な改善が期待できます。

家族ができるサポート

PMSは本人だけでなく、家族にとっても大変な問題です。パートナーや家族ができるサポートについて、私の経験をお話しします。

まず大切なのは、PMSについて正しく理解することです。「気持ちの問題」「甘え」ではなく、ホルモンの影響による医学的な症状であることを認識しましょう。済生会の解説によると、PMSは適切な治療により改善可能な疾患です。

次に、症状が出やすい時期を把握し、その期間は家事や育児のサポートを積極的に行いましょう。私は妻の月経周期をカレンダーに記録し、PMS期には料理や掃除を多めに担当するようにしています。

また、一緒に栄養療法に取り組むことも効果的です。健康的な食事は家族全員にとってプラスになります。我が家では、週末に一緒に買い物に行き、青魚やナッツ類を選ぶのが習慣になりました。

まとめ:栄養で変わる、毎月の憂鬱

PMSは多くの女性が経験する症状ですが、適切な栄養療法により大幅に改善することができます。ビタミンB6、マグネシウム、カルシウム、オメガ3脂肪酸などの栄養素を意識的に摂取し、カフェインや精製糖を控えることで、ホルモンバランスの乱れによる症状を最小限に抑えることができるのです。

今回ご紹介した栄養療法は、薬に頼らず、自然な方法でPMSを改善したい方に特におすすめです。まずは、朝食にタンパク質を加える、間食をナッツに変えるなど、小さな一歩から始めてみてください。

2〜3ヶ月後、「そういえば今月は楽だった」と感じる日が必ず来ます。毎月の憂鬱から解放され、本来の自分らしさを取り戻せることを願っています。

最後に、栄養療法についてより詳しく学びたい方には、溝口徹医師の著書がおすすめです。科学的根拠に基づいた実践的な内容で、PMSだけでなく様々な不調の改善に役立ちます。

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高橋 啓介

大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。

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    出版社勤務を経てフリーライターに。小説からビジネス書、漫画まで幅広く読む雑食系読書家。Z世代の視点から現代的な読書の楽しみ方を発信。
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    京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。
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    佐々木 健太
    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。
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