レビュー
概要
2024年11月6日発売の『CNN ENGLISH EXPRESS』12月号は、音声ダウンロード付きで最新の国際ニュースと英語表現を提供するマンスリーマガジン。今号の特集は「聖書に由来する英語表現」で、forbidden fruitやscapegoatといったキーワードの意味と使い方を会話の文脈で丁寧に説明し、キリスト教文化圏のニュアンスを拾えるようになっている。海外ニュースの演習を担当する「News Spotlight」では大谷翔平選手のメジャーリーグ史上初「50-50」達成を取り上げ、CNNの報道をベースに読解と語彙を練習。さらに、TIME誌のKid of the Yearを受賞したヘイマン・ベケレ氏(15歳)が皮膚がん石けんを開発した特別インタビュー、Sato Kei氏への巻頭インタビュー、ものまね芸人・沙羅の英検準1級チャレンジ連載など、多様な切り口で“英語を使う理由”を示してくれる。音声はCNNのナレーターが朗読しており、記事と同じ順でダウンロードできるので、ストリーミングでは掴みにくいスピード感も繰り返し練習できる。
読みどころ
- 特集「聖書由来の表現」は、祝祭シーズンが近づく12月にふさわしく、forbidden fruitやscapegoatなどをストーリーベースで紹介。実際の会話例を通じて「なぜそういう意味が生まれたか」まで理解できる構成だ。
- 「News Spotlight」では、Shohei Ohtani選手の「50-50」達成にまつわるCNN報道を用い、大記録の数字と歴史的意義を合わせて追う。ニュース理解の部分には、重要語句の定義とリスニング素材が連動している。
- 特別インタビューで登場するヘイマン・ベケレさんは、皮膚がん治療用の石けんを開発するティーンエイジャー。彼の想いや背景をインタビュー形式で読み、現場の表現に触れながら心を動かされる。
- 「CNN News Focus」は、日本製鉄によるUSスチール買収とアメリカ労働組合の反発を深掘りし、経済政策に絡む背景まで丁寧に解説。政治・社会を横断する語彙の整理に最適だ。
- Fareed Zakaria GPSでは、ジェニファー・ダウドナ教授のゲノム編集に関するインタビューを掲載。科学的ボキャブラリーが豊富な記事で、最新的なテクノロジーを題材にした英語表現を学べる。
- 特別企画としてKIP知日派国際人育成プログラム現地レポや、レゴの脱化石燃料宣言、Googleの独占禁止法訴訟、オリンピックの経済効果検証など旬なニュースをまとめた「News Notes」も充実。
類書との比較
同じ朝日出版社の『English Journal』12月号も音声付きでニュースやインタビューを扱うが、CNN EEはCNN公式の報道をそのまま素材に使うため、生のニュース独特の語彙や構造を体験できる点で差がつく。English Journalはコラムや解説の柔らかさが強いが、CNN EEは「現場の判断」が伝わるリアルさを重視し、TPOの変化や政治経済の文脈を英語で追いたい読者に適している。NHK出版の『ラジオ英会話』と比べると、CNN EEは国際感度が高く、CNNスタイルのリスニングと読解を通じて「ニュース英語のまま伝える」力が鍛えられる。
こんな人におすすめ
- CNNの報道を元にした英文で、語彙と構文を同時に身につけたい中上級学習者。
- TOEIC/IELTSだけではなく、国際報道や英語面接で“リアルな英語”が読めて話せるようになりたいビジネスパーソン。
- 英検1級や準1級などで、時事問題やインタビュー形式の記述を練習している人。
- クリスマスや年末に向けた文化的表現の背景を知り、スピーチや英語行事での話題作りをしたい人。
感想
- オンラインでダウンロードできる音声が記事と対応しており、ただ読むだけでなく“真似して話す”訓練ができる点がありがたい。
- 特集に加えてNews SpotlightやCNN News Focusが複数の視点を持つので、一冊でスポーツ・政治・テクノロジーと多彩なニュースコンテンツに触れられる。
- ヘイマン・ベケレさんのインタビューはレベル調整が効いていて、ジャーナリストの質問と被取材者の回答を英語で追う練習になる。
- KIPプログラムの現地レポや沙羅さんの連載はエンタメ性もあり、緊張しがちな時事英語の読み物に息抜きが入るバランスがいい。
- 2024年12月号は「英語で社会を読み取る」本質を見せてくれるので、次号を読むたびに現在進行形の世界へ向けて目線が変わる。
- CNNの音声ナレーターが落ち着いた速度で朗読してくれるため、記事を先に読んでから聞き直すと、発音・イントネーションの違いがしっかり把握できる。