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レビュー

概要

『産後のトラブルをやっつけろ!』は、産後に起きやすい心身の不調を「骨盤を整える」だけで片づけず、身体と心の変化、弱った筋肉、生活環境まで含めて捉え直す本です。産後ママには、子どものためにも笑顔でいてほしい。そんな想いを出発点にしながら、現実のトラブルへ具体的にアプローチします。

本書の章立ては、現代の産後事情、産後ケア専門整体師の視点、回復力の弱り、つながりの大切さ、フランス式ぺリネケア、施術の内容、と続きます。単なる体操本ではなく、産後を「特別な時期」として扱い、回復の土台から組み立てる構成です。

読みどころ

1) 「骨盤だけではダメ」という問題提起が明確

産後ケアの情報は「骨盤矯正」が中心になりがちです。本書はそこに否定から入ります。骨盤だけを整えてもダメ。妊娠〜産後に変化した身体や心へのアプローチと、弱った筋肉を鍛える必要がある。ここを先に言い切ることで、読む側の期待値が整います。

産後の不調は、単発の原因で起きないことが多いです。睡眠不足、抱っこ、ホルモン変化、ストレス。だからこそ、狙いを広げる視点が役立ちます。

2) 産後の回復力が「弱っている」前提で考えられる

産後は、生活が急にハードモードになります。育児と家事に追われ、身体の回復が追いつかない。そのときに「気合いで乗り切る」発想へ寄ると、さらに壊れます。

本書が「回復力が弱っている!?」という章を置くのは、頑張り方の方向を変えるためだと思います。まず回復を優先する。回復があるから、運動も、ケアも続く。順番が分かります。

3) 「つながり」をケアとして扱う

産後は孤立しやすいです。相談のハードルも高い。だから、体の話だけでなく、つながりの大切さに触れるのは意味があります。心身の不調は、情報不足と孤立で悪化します。

ケアは、体操や施術だけではありません。頼れる人、頼れる場所、頼れる制度。そうした環境を含めて、回復を設計する。産後ケアを広く捉える姿勢が入っています。

4) フランス式ぺリネケアという具体の切り口

章立てに「フランス式ぺリネケア」が入っているのは特徴です。産後は骨盤底筋など、見えない部分の弱りが生活の困りごとにつながりやすい。そこへ意識を向けると、ケアの焦点が合いやすくなります。

もちろん、症状や状況は人によって違います。だからこそ、やみくもに骨盤だけを触るより、狙いを持ったケアが必要になります。

5) 著者プロフィールが、現場の人だと分かる

著者は、柔道整復師、整体師、産前産後ケア専門整体の認定講師と紹介されています。施術の章があるのも納得です。理論だけでなく、現場でよくある悩みへ接続したい本だと感じました。

6) 章立てがあるので、いまの悩みに合わせて読める

本書は、はじめにのあとに6つの章が並びます。現代の産後事情から入っているのは、悩みを個人のせいにしないためだと思いました。環境が厳しい。睡眠が足りない。情報が多い。そういう前提があると、「自分が弱いから」と思わずに済みます。

そこから、専門整体師の視点、回復力、つながり、ぺリネケア、施術へ進みます。つまり、考え方→体の状態→具体のケア、という順番です。いま痛いところだけをつまみ食いするより、順番に読むと「なぜそれをやるのか」が分かり、続けやすくなる構成だと感じました。

類書との比較

産後ケアの本には、骨盤矯正やストレッチを中心にしたものが多いです。手軽ですが、「なぜつらいのか」「どういう順番で整えるか」の説明は薄くなりやすい。本書は、産後事情や回復力、つながりまで含めて語り、ケアを生活設計として扱う点が違います。

また、メンタルケアの本と比べると、本書は身体の話が中心です。ただし、身体だけに閉じない。心と環境も含めて見る。だから、片側だけの本より、現実に寄りやすいと思いました。

こんな人におすすめ

  • 産後の不調が続き、骨盤矯正だけでは足りないと感じる人
  • 産後の回復を、生活全体として立て直したい人
  • 骨盤底筋など、見えない部分のケアにも関心がある人
  • 産後ケアを体系立てて整理したい人

感想

この本を読んで良かったのは、「産後は特別な時期」という言葉を、現実の手順へ落としている点でした。産後が大変なのは当たり前。でも当たり前で済ませると、ケアが遅れます。

骨盤だけを整えてもダメ、という主張は強いです。ただ、それが単なる煽りではなく、回復力、筋肉、つながりへと展開されるので、納得できます。産後の不調は我慢してしまいがちです。だからこそ、早めに医療機関や専門家へ相談する、という姿勢と一緒に読むのが良いと思いました。

産後のケアは、頑張ることではなく回復すること。そう捉え直せる一冊でした。

ただし、強い痛みや出血、めまいなどがある場合は、本の知識で抱え込まず、医療機関へ相談するのが前提です。その上で、できる範囲のケアを積み上げる。産後を「気合いで乗り切る時期」にせず、「回復を取り戻す時期」にするための視点が詰まっていると感じました。

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    佐々木 健太

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