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レビュー

概要

『《増補改訂版2022》本好きのためのAmazon Kindle 読書術』は、Kindleを単なる電子書籍端末としてではなく、読書時間を増やし、学びの回収率を上げるための道具として使いこなす本です。著者は和田稔。紙の本との比較に終わらず、Kindleならではの強みをどう生活に組み込むかに焦点を当てています。

この本の価値は、「Kindleは便利です」で終わらないところです。辞書、ハイライト、検索、クラウド同期といった機能を、読書量の増加、学習効率、記録のしやすさへつなげて考えているので、ガジェット紹介本より実用的です。忙しくて読書時間を確保しにくい人にはかなり相性が良いです。

紙の本を好む人でも、Kindleを併用すると読書のリズムは変わることがあります。本書はその変化を、感覚論ではなく具体的な運用として示してくれます。電子書籍を使うか迷っている人にも、すでに使っているけれど持て余している人にも役立つ一冊です。

1) Kindleの強みを「時間の節約」で説明してくれる

本書の中心にあるのは、読書速度そのものより、読書へ入るまでの手間を減らすという発想です。持ち運びや購入のしやすさ、検索の速さ、端末間の同期などが、結果として読書の総量を増やす。ここを具体的に言語化しているのが良いところです。

読書が続かない理由は、集中力だけではありません。本を持っていない、今は重い本を開きたくない、メモが面倒、調べ直しが手間、といった小さな障害が積み重なっています。本書は、Kindleがその障害をどう減らせるかを実感ベースで説明してくれます。

そのため、「紙か電子か」という好みの論争に巻き込まれず、自分の生活でどう使い分けるかを考えやすいです。読書時間を増やしたい人には、この視点がかなり実用的です。

2) ハイライトやメモを学習へつなげやすい

Kindleの便利さは買いやすさだけではなく、読みながら記録を残せる点にもあります。本書は、ハイライトやメモをどう活かすかにもしっかり触れていて、読みっぱなしを防ぐヒントが多いです。

特に、学習や仕事に読書をつなげたい人には重要です。気になった箇所を残し、あとで検索し、必要なら外部へ移して再利用する。こうした流れが自然にできると、読書がインプットで終わりにくくなります。

紙の本でも付箋や書き込みはできますが、検索性や再利用性では電子書籍に分があります。本書はその差をきちんと運用へ落としているので、読書習慣の改善本としても読めます。

3) 読書好きほどハマりやすい落とし穴も見えやすい

Kindleは便利ですが、便利だからこそ本が増えすぎて積読が膨らむこともあります。本書はそこも含めて、「どう管理するか」を考えさせてくれます。便利さがそのまま混乱につながらないように、整理の視点が入っているのは大事です。

読書好きは「読める環境」を整えるのが得意でも、「読み返せる環境」や「使い切れる環境」を整えるのは意外と苦手です。本書を読むと、Kindleを蔵書庫にするだけでなく、読む動線まで設計する必要があると分かります。

このあたりは、端末の使い方本というより、読書環境の設計本に近い面白さがあります。単に機能を覚えるだけでなく、読書そのものの習慣を見直したい人に向いています。

4) 電子書籍を味方につけるための現実的な本

電子書籍の本には、技術礼賛に寄りすぎるものもありますが、本書はそこまで極端ではありません。紙の良さを否定せず、それでもKindleをどう使うと生活が楽になるかを考えるので、押しつけ感が弱いです。

結果として、「まずは一部だけ電子化してみる」「移動中だけKindleを使う」といった現実的な取り入れ方が見えます。全部を変えなくてもいい、でも一部を変えるだけで読書体験はかなり良くなる。その実感を持てる本でした。

読書量を増やしたい人だけでなく、学びの回収率を上げたい人にも向いています。Kindleを読む端末ではなく、知識を回す装置として使いたい人には特に合う一冊です。

こんな人におすすめ

  • 読みたい本は多いのに時間が足りない人
  • Kindleを持っているが使いこなせていない人
  • 読書メモやハイライトを学習に活かしたい人
  • 紙の本と電子書籍の使い分けに迷っている人
  • 読書環境そのものを整えたい人

感想

この本を読むと、Kindleは「本を読む道具」以上に「読書の摩擦を減らす道具」だと分かります。読書は気合いで増やすものではなく、環境設計で増やせる部分が大きい。その当たり前を、かなり具体的に見せてくれる本でした。

紙の本の良さは残しつつ、Kindleの強みを生活へ混ぜる。その中庸な姿勢も良いです。電子書籍を導入したい人にも、すでに使っている人にも、読書を続けるための実務本として役立つ一冊だと思います。

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    佐々木 健太

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