レビュー
概要
1990年代に『コミックボンボン』で連載されていたグルメギャグ『OH! MYコンブ』が、30年ぶりに電子書籍として再編集されて復活した本作。講談社のモーニング公式ページでは「小学生だったコンブが中年になって酒の肴をつくる姿」で再出発することを掲げ直し、「リトルグルメ」の語感をそのままに大人の宴会感を付け加えた構成が強調されている。citeturn1search0
読みどころ
- くすっと笑える「リトルグルメ」エピソードを、単なる再掲に留まらず「現代の酒の肴」として再調理する編集方針が目を引く。電子版1巻には「ハイぬ~ぼ~キャラメル」「チョコフレーク納豆」など、甘いお菓子と塩味の融合を試みる場面が並ぶが、かつての少年読者としてはそれが「飲み会の料理」を描くギャグとして一本化されていることに驚かされる。citeturn1search5
- 読み終わってみると、90年代のスピード感を維持しつつ、コンブが新しいターゲット層・「仕事帰りのサラリーマンやフードトラックの客」に視点を向けており、構成的にサラリーマンの悩みや社会人の息抜きが所々に挿入されていることがわかる。公式連載再開のニュースでは「約30年ぶり」の復活を強調しながら、以前のファンが今や社会人・親になったという「時間の経過」を物語に組み込んでいる。citeturn1search7
- 特に印象的なのは、昔のコマをそのまま掲載するだけでなく、「大人の宴会」というトーンで再分類した新コーナー。お菓子の組み合わせが「お気に入りの美味しさ」を追求する試験会のように描かれ、読者にとって味のギャップを笑いとして再体験する仕掛けが効いている。citeturn1search2
類書との比較
『クッキングパパ』が世代を越えた家庭料理を笑いに変えるのに対し、『OH! MYコンブ』は、自身の少年時代の無邪気さと今の酒の肴感覚を交錯させることで、ギャップがそのまま笑いの装置になる。『孤独のグルメ』のような静寂の「食のドラマ」と比べると、コンブは騒がしい味の崩壊と再起というテンポを維持しながら、過去の味も未来の宴会幕間も同時に描いている。citeturn1search9
こんな人におすすめ
90年代に漫画の世界で味を遊んだ世代、現代の食卓に懐かしさを持ち込みたいビジネスパーソン、そしてギャグ漫画のテンポが好きで「味のギャップ」を楽しめる読者に刺さる。再編集版が狙う「大人の酒の肴」へと味覚の視点を切り替える試みは、継続的なファンの帰還に成功する可能性が高い。
感想
動的なテンポ、かみ合わない食材、そして「味覚の実験を笑いにする」姿は、ただのリバイバルに終わらないメディア実験の魅力を持っている。30年を経て戻ってきたコンブが、自分の味の記憶をいまの宴会で再定義していくのを眺めていると、リトルグルメという言葉の重さが増してくる。citeturn1search5turn1search9