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レビュー

概要

『「ズバ抜けた問題児」の伸ばし方』は、「問題児」をフツウの人へ矯正しようとする発想にブレーキをかけ、物おじしない性格や感性、喜怒哀楽の豊かさ、集中力、そして飽きっぽさまで含めて「ズバ抜けた才能」として扱う本です。協調性のなさや落ち着きのなさで弾き出されがちな子どもを、どう潰さずに育てるか。そこへ真正面から向き合います。

紹介文では、ADHDタイプ脳を自認する著者が、自身の体験も踏まえて勉強への取り組み方を編み出した、とされています。単なる精神論ではなく、学習と受験の現場で磨かれたノウハウとして、勉強法まで具体化しているのが特徴です。

読みどころ

1) 「もったいない」という言葉で、見方を反転させる

本書の強いメッセージは、「フツウの人に変えようとするのはもったいない」です。問題行動だけを見ると、抑えたくなります。でも、同じ性質が別の場面では武器になります。

例えば、ルールより感性を重んじる気概は、反発や独創につながる。飽きっぽさも、続かない弱点に見えても、切り替えの速さにつながる。本書は、性質の両面を見せ、使い方を考えさせます。

2) 「問題児を育てる基本ルール」を先に置く

具体策へ入る前に、基本ルールを置くのが良いです。対応がブレる家庭では、日々のやり取りが戦場になります。ルールがあると、親が落ち着きます。親が落ち着くと、子どもの反応も変わる。

ここで求められるのは、厳しさより一貫性です。力で押さえつけるのではなく、伸びる方向へ枠を作る。その発想が全体を支えます。

3) 国語・算数・英語を「どう付けるか」へ踏み込む

問題児系の本は、メンタルや関わり方で終わりがちです。本書は、国語力、算数力、英語力をどう付けるか、と明言しています。学習の土台に踏み込むので、家庭での次の手が作りやすいです。

さらに、ケアレスミス対策という項目があるのも現実的です。能力があるのに点にならない子は多い。その「もったいなさ」に、具体策で寄ります。

4) 塾・問題集・中学受験の判断まで、現場の意思決定を支える

紹介文には、問題児に向く塾、向く問題集、中学受験をするかしないか、といった意思決定まで含まれます。親が迷う領域を、判断の材料に落とす。これは教育書として大きいです。

「伸ばす」は、褒めれば伸びる、ではありません。環境の選び方で伸びる。合わない場所に置くと、潰れる。そういう現実を踏まえた構成です。

5) 「フツウの人がAIと仕事を取り合う未来」という視点

紹介文の中には、十数年後の仕事環境の変化に触れる一文があります。未来の不確実性を前提にすると、親の焦りは変わります。今の基準に合わせ過ぎるより、尖った部分を伸ばす価値が上がる。

子どもの特性を、短期の評価だけで捨てない。長期の視点を持たせるところが、本書の背骨だと思いました。

6) 「固定レイアウト」という仕様も、使い方のヒントになる

商品説明には、固定レイアウトのためタブレットなど大きい画面の端末が適している、とあります。つまり、辞書参照や検索で読み進めるというより、紙の本のように見開きで眺め、全体像を掴む読み方が合うタイプです。

学習法の本は、必要なところへ戻る使い方をします。固定レイアウトだと、線を引くように眺め直す意識が生まれます。仕様の注意書きが、そのまま読み方の指針にもなります。

類書との比較

「叱らない」「ほめる」といった子育て本は、日々のコミュニケーションに効きます。ただ、問題児の悩みは、コミュニケーションだけでは解けないことがあります。本書は、学習法や塾選び、受験判断まで含めて、教育の設計へ踏み込みます。ここが大きな違いです。

また、発達特性の解説書は診断や支援制度の情報が中心になりやすいです。本書は制度の説明より、家庭での実装寄りです。「どう伸ばすか」を、具体の学び方へ落とす。だから、日々の困りごとを動かしたい家庭に向きます。

こんな人におすすめ

  • 落ち着きのなさや協調性のなさに、毎日消耗している人
  • 才能がありそうなのに、学校で評価されにくい子を見ている人
  • 勉強法やケアレスミス対策まで、具体策が欲しい人
  • 塾選びや受験の判断材料を、整理したい人

感想

この本を読んで救われるのは、子どもの性質を「欠点」だけで見なくて済むことです。問題児の育児は、周りの視線も含めて疲れます。だから、フツウへ寄せたくなる。でも、本書は「もったいない」と言って止めます。その言葉が、親の思考を切り替えます。

特に良かったのは、学習の具体へ踏み込むところです。関わり方だけでは、成績や受験の問題は残ります。国語、算数、英語、ケアレスミス、塾、問題集。親が迷う論点を並べ、方向を示す。読むと、次の一手が増えます。

もちろん、すべての子に当てはまる万能策ではありません。ただ、「尖り」を消さずに育てる、という軸を持てるだけで、日々の対応の質は変わります。本書は、その軸をくれる1冊でした。

もう1つ良かったのは、飽きっぽさや落ち着きのなさを「排除すべき欠陥」ではなく、扱い方の問題として語っている点です。抑えるほど強く出る性質もあります。だから、活かす方向へ枠を作る。その発想があると、親も子も消耗しにくい。本書は、教育と受験の話をしながら、最終的には関係を壊さない設計へ戻してくれます。

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    佐々木 健太

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