『マンガでわかる行動経済学 いつも同じ店で食事をしてしまうのは?なぜギャンブラ-は自信満々なのか? (サイエンス アイ新書)』レビュー
著者: 山崎俊彦
出版社: サイエンス・アイ新書
¥550 Kindle価格
著者: 山崎俊彦
出版社: サイエンス・アイ新書
¥550 Kindle価格
マンガ版『行動経済学』として、日常の買い物や選択の裏にある心理をイラストと会話で解説。添えられた章では、損失回避、フレーミング効果、ハロー効果など代表的な理論を短いコマで鮮やかに展開しながら、実験結果とビジネスへの応用を織り込む。読みやすさを優先しながらも、人間が合理を装って非合理に陥るメカニズムをシンプルに伝える。
いつも同じ飲食店を選ぶ主婦の選択肢を追い、安心感と認知バイアスの関係をマンガのセリフで語る。ギャンブラーの自信も「少数成功体験」として構成され、その結果としてエスカレーションが止まらなくなる過程をグラフィカルに示し、読者が笑いながら理解する。
最終問では「株を買う前にフレームを変える」など、実践的なチェックリストが示される。マンガの描写の中で、主人公が心の中でセルフハックする過程を追えるので、学んだ知識をすぐに使う気になる。
広告、価格設定、サービス設計といった企業の選択の裏側を描写。たとえば、二段階価格では「同じ商品でも時間帯で違う価値」を感じさせるため、客が納得しやすいフレーミングの工夫を正しく伝える。
行動経済学を語る入門書である『予想どおりに不合理』や『ナッジ』とは、読み手への敷居が違う。こちらはマンガなので図解的かつ日常の笑いを含むが、バイアスの構造説明が抜けず、説明とエピソードを両立している点で珍しく、実務に落とし込みたいビジネスパーソンにも適している。
コマをめくるごとに「私もやっている」と気づかされる共感があって、ただの理論にとどまらない。ストーリーを追うだけで、バイアスという言葉の意義を実生活で体感できた気がする。図解とマンガの融合が、日常的な場面に行動経済学が溶け込むことを教えてくれた一冊だった。