レビュー
概要
『響』1巻は、文学的な身体感覚を持つ少女が、文芸部で自らの声とリズムを再定義しながら才能を燃え上がらせる物語。語り手が箇条書きのように身体と感情のズレを記述し、それを作品に乗せて転がしていく。
読みどころ
- 響が自分の心拍を数えながらインタビューに答えるシーンが目立ち、呼吸と目線のタイミングが調律される。ページ全体が彼女の心拍に対する視覚化となっている。
- 作品を書くときの指の動き、鉛筆の重圧、息の間隔が精緻に描写され、身体の再構築が表現される。彼女の文学的衝動が身体のリズムを破壊しつつも再組立する過程に引き込まれる。
- 台詞のテンポ、改行のリズムを自在に操って、身体と感情がリンクする高揚感を描く。
類書との比較
創作の身体性では『少女ファイト』や『バクマン。』に共鳴するが、こちらは文学のリズムが体内のテンポに直結する点で独特。文章を書くことそのものが身体の調整になっている。
感想
読後、自分の手元の動きが文章を作るたびに震えるような感覚が残った。