Kindleセール開催中

133冊 がお得に購入可能 最大 95%OFF

レビュー

概要

『NHK実践ビジネス英語 対話力アップ ビジネス英語フレーズ800』は、NHKラジオ「実践ビジネス英語」の蓄積から、仕事でそのまま使える表現を厳選したフレーズ集です。NHK出版の紹介では、「生きた英語表現の宝庫」と評判の番組から厳選した800フレーズが武器になるとされており、タフな交渉からアフターファイブまで、話の流れに合わせて臨機応変に使える表現力を磨く一冊だと説明されています。単なる単語帳ではなく、会話の中でどう切り出し、どうつなぎ、どう収めるかを学ぶ本です。

著者の杉田敏さんは、「実践ビジネス英語」シリーズで長くビジネス英語教育を牽引してきた人です。本書にもその強みがはっきり出ています。目の前の相手をどう動かすかだけでなく、相手の立場にどう配慮し、どの程度まで直接的に言うかといった文化的な感覚が、フレーズの選び方に染み込んでいます。だからこの本で学べるのは、英訳例ではなく、ビジネスの場での振る舞いに近い英語です。

本の具体的な内容

この本の中心にあるのは、800もの表現をただ暗記させるのではなく、話の流れの中で使える形にしている点です。NHK出版の紹介文にあるとおり、扱われる場面は「タフな交渉からアフターファイブまで」と幅広い。つまり会議、報告、依頼、意見の調整のような仕事の本筋だけでなく、雑談や関係づくりの表現まで含めているわけです。ここが実践的です。

ビジネス英語の本には、丁寧すぎて実際には口から出ない表現や、逆に短すぎて人間関係の温度を無視した表現が少なくありません。本書はその中間を狙っています。いきなり結論に飛び込むのでなく、前置き、緩衝表現、確認、言い換えを含んだフレーズが多いので、英語を「正しく言う」だけでなく、「角を立てずに伝える」感覚を学びやすいです。

また、フレーズ集でありながら、実際の場面を想像しやすいのも良いところです。単独の一文として覚えるより、どんな会話の中でその表現が生きるかが見えるので、記憶に残りやすい。英語の学習では、語彙だけ知っていても会話では出てきませんが、本書のように使用場面と一緒に入れると、取り出しやすさが変わります。

さらに、番組由来の本らしく、机上の英作文では終わらないのも特徴です。メール文面のような書き言葉寄りではなく、やり取りの呼吸に乗る表現が多いので、音読やシャドーイングとの相性もいい。会話のテンポを体に入れたい人には特に向いています。読むだけでなく、声に出して練習したときに本領を発揮するタイプの教材です。

本書は「英語を話すための教養」も同時に補ってくれます。杉田さんのシリーズが長く支持されてきた理由の1つは、英語表現の裏にある考え方や対人感覚まで含めて学べることです。仕事で英語を使うときに困るのは、単語不足だけでなく、距離の取り方が分からないことですが、本書はその空白を埋めてくれます。

類書との比較

瞬間英作文系の本が「とにかく口を動かす」ことに強いなら、本書は「どういう場面でその一言を使うか」の精度が高いです。定型フレーズ本は便利な一方で、表現が断片化しやすいのですが、本書は会話の流れを意識した構成なので、仕事の場に持ち込みやすい。ビジネス英語の実務感という点で一段深い教材です。

また、英語学習書でありながら、教養書としても読めるのがシリーズの強さです。NHKラジオ由来の本らしく、単なる置き換え表現の羅列ではなく、仕事の現場でどんな話題が交わされ、どんな距離感で会話が進むのかという背景まで感じられます。表現そのものと、使う場面の空気を一緒に学べるのは大きいです。

実務で英語を使う人ほど、言いたい内容そのものより、切り出し方や言い換えで詰まることがあります。本書はそこに効きます。断定しすぎない依頼、相手を立てた反論、雑談から本題へ入る橋渡しなど、単純な直訳では処理しにくい場面に強い。結果として、会話全体の滑らかさを上げやすい本です。

こんな人におすすめ

  • 会議や商談で、英語の言い回しが単調になりがちな人
  • 単語や文法はある程度分かるのに、自然な対話へつながらない人
  • 英語表現だけでなく、ビジネスの距離感や配慮も学びたい人

感想

この本を読んで良いと思ったのは、英語を「通じればいい道具」としてだけ扱っていないことです。相手とどう関係をつくるか、どう切り返すか、どう和らげるかまで含めてフレーズが選ばれているので、仕事で使う英語のリアルに近い。英会話本というより、英語で働くときのふるまいの本に近い感触がありました。

800フレーズという数字だけ見ると多く感じますが、むやみに詰め込むより、場面ごとに少しずつ拾っていく使い方が合います。必要な言い回しを音読して、自分の会話に移していくと効くタイプです。ビジネス英語を「単語力の問題」だけで終わらせたくない人には、かなり実用的な一冊でした。

特に、仕事の会話をもう一段自然にしたい中級者には相性がいいと感じました。

この本が登場する記事(1件)

本の虫達

要約・書評・レビューから学術的考察まで、今話題の本から知識を深めるための情報メディア

検索

ライター一覧

  • 高橋 啓介

    高橋 啓介

    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
  • 森田 美優

    森田 美優

    出版社勤務を経てフリーライターに。小説からビジネス書、漫画まで幅広く読む雑食系読書家。Z世代の視点から現代的な読書の楽しみ方を発信。
  • 西村 陸

    西村 陸

    京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。
  • 佐々木 健太

    佐々木 健太

    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

Social Links

このサイトについて

※ 当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。