レビュー
概要
本書は「レジリエンス=挫折からの立ち直り」を運動や習慣のリズムで鍛えることを推奨する。著者は最先端の精神科学とビジネス事例を織り交ぜ、危機へ対応する脳の回路を体と時間によって再プログラムする手法を提示する。
読みどころ
- 第1章では、困難に直面したときの呼吸の乱れと認知のスロットがリンクしているとし、呼吸のテンポを一拍ずらすだけで不安が和らぐ実験を紹介。実際のビジネスパーソンの実例を挙げて、自律神経が回復するまでの時間を「リズム」として可視化する。
- 挫折後の行動を段階的な「ルーティン」として再設計する章では、身体を動かす頻度・発汗量・睡眠リズムを並列に扱い、運動中の脳刺激(BDNFなど)の上昇とその後の感情再セットを図表で示す。
- 最終章では、リズムを共有するチームのつくり方として、合宿・週末の復帰ルーチン・声かけのタイミングを例示。リーダーが持つ呼吸感を周囲に伝播させる「呼吸の同期法」も紹介。
類書との比較
『GRIT』や『LIFESPAN』が意志や細胞をテーマにするのに対し、本書は「時間のリズムそのもの」に着目する点で特徴的。身体と心の調律を同時に扱う点では『リーダーのための瞑想』にも近い。
こんな人におすすめ
- 物理的なリズムで感情を安定させたいビジネスパーソン。
- メンタルモデルを一日24時間のルーチンに落としたい人。
感想
読後は、自分の呼吸と足音のテンポを無意識に測るクセがついた。緊張が訪れた際にすっと身体のリズムをずらすことが救済になると気づいた。