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レビュー

概要

『人生はニャンとかなる! ―明日に幸福をまねく68の方法』は、猫の写真と言葉がセットになった、気持ちの立て直し本です。

正直、こういう本って「かわいいけど、薄いのでは?」と疑ってしまうこともあります。でも読んでみると、薄いというより、軽い。重い気持ちのときに、重い言葉を足さない。そこが強みだと思いました。

私は、この本の効き方って「励ます」より「緩める」だと感じます。真面目に考えすぎて、頭が固まっているときに、ふっと息が抜ける。猫ってずるい。かわいいだけで場を変える力があるんですよね。

読みどころ

1) 「読む」より「眺める」でも成立する

疲れているときって、文章を追うだけでしんどい日があります。

この本は、写真があるので「眺める」でも成立します。言葉も長くない。読むというより、生活の机の上に置いて、たまに開く。私はその距離感が合いました。

2) 正論じゃなくて、許可をくれる

しんどいときに正論を聞くと、さらに自分を責めることがあります。

この本は、「こうすべき」より「そういう日もあるよね」のほうに寄っています。気持ちを変えるというより、気持ちにスペースを作る。だから、自己肯定感が低い日でも読みやすいと思いました。

3) 言葉が短いから、生活に持ち込みやすい

この手の本は、良いことが書いてあっても、生活に戻ると忘れがちです。

でも短い言葉は、思い出しやすい。私は、気に入ったページを写真に撮っておくのが良いと思いました。スマホに入れておけば、落ちたときの避難場所になります。

合う人・合わない人

合うのは、こんな人です。

  • いまは深い本を読む体力がない
  • 気持ちが張り詰めていて、まず緩めたい
  • 自己否定のループに入りやすい

逆に、人生の課題を論理的に整理したい人、行動計画を立てたい人には、物足りないかもしれません。これは「解決する本」ではなく、「回復する本」です。

私のおすすめの使い方(1分で効かせる)

私は、時間がないときほど、この本の使い方が上手いと思います。

おすすめは、朝と夜に1ページずつ。

  • 朝:気分が重い日の「起動」用に開く
  • 夜:反省会が始まりそうなときの「終了」用に開く

もう1つは、落ちたときのルールを決めることです。「SNSを開く前に、この本を1ページ開く」と決めておく。SNSって、元気がない日にほど毒になるので、その前に小さなストッパーを置くと守れます。

「68の方法」を生活に入れるコツ

タイトルに「68の方法」とあると、「ちゃんと全部やらなきゃ」と思ってしまう人もいるかもしれません。でも私は、全部やる必要はないと思いました。

むしろ、気に入ったものを2〜3個だけ、繰り返すほうが効きます。気持ちが落ちたときって、選択肢が多いほど迷って動けなくなるからです。

この本は、やる気を出すというより「動けるサイズにする」提案が多い印象でした。私はそこが良いと思います。派手な成功談より、小さな回復のほうが現実的で、続きます。

たとえば、気分が沈んだ日のミニ行動としては、こういうものが向いています。

  • 部屋のゴミを1つだけ捨てる
  • スマホを置いて、窓を開ける
  • 目を閉じて、呼吸を3回だけ整える

どれも、達成した瞬間に人生が変わるわけではありません。でも「ゼロじゃない」を作れる。私はその小ささが、ちゃんと優しいと思いました。

猫の写真が効く理由(感情の渋滞をほどく)

猫の写真って、ただ可愛いだけじゃなくて、感情の渋滞をほどく力があると思います。

落ち込んでいるときは、頭の中で「考え」が渋滞しています。反省、後悔、不安、比較。そこにさらに文字だけの情報を入れると、詰まります。

写真が入ると、思考が一瞬止まる。止まると呼吸が戻る。私はこの順番が大事だと思いました。気持ちって、説得されて変わるより、空白ができて変わることが多いからです。

私は、気分が沈んだときほど「情報を増やす」より「刺激を減らす」ほうが効くと思っています。その入口として、この本の軽さはちょうどいい。重い自己分析を始める前に、まず気持ちの硬さをほどく。そういう使い方が向いています。

読み終えたあとに「少し笑えた」だけでも、今日は勝ち。私はこの本を、そう言える日に寄り添う道具として置いておきたいです。

注意点(猫が好きじゃない人は向かない)

当たり前ですが、猫が刺さらない人には向きません。 写真が合わないと、言葉の効きも落ちます。

ただ、猫が大好きじゃなくても「かわいいと思える」なら、十分効くはず。私は、気持ちの重さに対して、軽い手段を持っておくのが大事だと思っています。

まとめ

『人生はニャンとかなる!』は、落ち込んだ気持ちを大げさに変える本ではありません。緊張をほどいて、明日に渡す本です。

頑張りたいけど、いまは頑張れない。そういう日に、まず1ページ。私は、この気軽さがちゃんと助けになると思いました。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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