レビュー
概要
『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』は、「英語が苦手」「中学文法から不安」という人に向けて、英文法の入口をとことん低くした“授業型”の参考書です。タイトル通り、狙いは応用よりも超基礎です。文法を暗記科目にせず、英文を作る感覚を取り戻すところから始めます。
出版社からのコメントでは、「これでわからなかったら、もうあきらめる」と言われるほどの分かりやすさを目指していることが語られています。さらに、増補改訂で講義内容を改善し、「授業〜その前に〜」という特別講義を第0講の前に追加したこと、第21講のあとに「形容詞のカタマリ」という特別講義を加えたことも紹介されています。つまり本書は、単元を増やすというより、つまずきやすい場所を補強しながら作り直された本です。
本書の特徴(具体)
1) “授業”の順番で理解を積み上げられる
英文法が苦手な人ほど、どこで分からなくなったかが分からないまま進んでしまいます。本書は講義形式なので、前提から順番に積み上げられます。途中で戻るのも簡単です。「授業〜その前に〜」という導入があることで、基礎を始める前の心構えや考え方も整います。
2) 特別講義で「引っかかり」を潰してくれる
英語の基礎で意外と詰まりやすいのが、形容詞や句のかたまりです。出版社コメントにある「形容詞のカタマリ」は、そこを補うための増補です。こうした“よく分からないまま放置されがちな部分”を拾ってくれるのは、超基礎編として大きな価値だと思います。
3) 索引があるので、辞書的にも使える
増補改訂で巻末に索引が新設されたことも、この本の使いやすさにつながります。学校や塾の授業、問題集の学習中に「この項目って何だっけ」となったとき、すぐに引ける。基礎は繰り返しが重要なので、引き返しやすい設計は強いです。
4) 音声学習のアプリ対応
出版社コメントでは、本書対応のアプリで音声学習ができることも紹介されています。再生速度や回数を調整でき、英文のハイライト表示もあるとのことです。基礎文法は、読むだけでなく音読やリスニングと結びつければ定着が早いので、学習の導線が用意されているのは助かります。
5) 見やすさに振っている
改訂のポイントとして、本文デザインを一新し、可読性や視認性を高めたことも触れられています。基礎の参考書は、読んでいる途中で目が疲れると続きません。見やすさの改善は地味ですが、継続に直結します。
取り組み方(2週間のミニプラン)
超基礎の参考書は、勢いで一周しても身につきにくいです。おすすめは「短く、毎日」進めることです。
- 平日:講義を少し読み、例文を声に出して確認する
- 週末:索引で気になった項目を引き直し、弱点を回収する
この往復を2週間続けるだけでも、「文法が分からない」という状態が「どこが分からないかは言える」に変わります。ここまで来ると、次の教材へ進んでも迷いが減ります。
次に繋げるときの考え方
本書で土台を作った後は、長文や語法、演習へ進むのが自然です。ただし、いきなり難しい問題集に飛ぶと、また「分からない」が増えてしまいます。
本書の索引を使って、演習中に出てきた項目を引き返す。そういう“戻れる学習”を続けると、基礎が底上げされます。基礎の本は、卒業して終わりではなく、困ったときに戻れる場所として残すと強いです。
感想
この本を読んで良いと感じたのは、「分からない」を前提に授業が組まれているところです。英文法が苦手なとき、問題は努力不足ではなく、前提が抜けたまま進んでしまうことにあります。本書は講義形式なので、前提を丁寧に埋めながら進められます。
また、索引や音声アプリなど、学習を続けるための仕掛けが複数あります。基礎は反復が必要なので、戻りやすさと続けやすさは価値です。英語をやり直したい人の最初の一冊として、安心感のある作りだと思いました。
さらに、この本が良いと感じたのは、英文法を「できる人の世界」にしないところです。超基礎編は、分からないことを恥ずかしいと感じる人ほど必要です。本書は、つまずきを前提に授業が組まれていて、置いていかれにくい。
また、増補改訂のポイントとして「現役高校生や編集スタッフの意見を吸収して改善した」とあるのも印象的でした。分かる人が一方的に説明するのではなく、分からない側の目線を入れて整えた本だと読み取れます。
こんな人におすすめ
- 中学英文法から不安で、何から復習すればいいか分からない人
- 問題集を解いても、説明が理解できずに止まってしまう人
- 英文法を「勉強」ではなく「授業」としてやり直したい人
注意点
本書は超基礎に特化している分、難関大レベルの細かな文法事項まで一冊で網羅するタイプではありません。まずは本書で土台を固め、その後に長文や語法、応用へ進むのが向いています。基礎の立て直しに強い一冊として、価値が高いと感じました。