レビュー
概要
『新版TOEFL TEST対策iBTライティング』は、TOEFL iBTのWritingを「感覚」ではなく「型」で攻略するための対策書です。内容説明には、講義20回分をこの1冊にまとめた点や、表現力を高める175の鉄則を収録している点が示されています。つまり本書は、単なる例文集ではなく、講義形式で考え方を積み上げていくタイプです。
目次は大きく2編に分かれます。第1編はIntegrated Task、第2編はIndependent Task。TOEFL Writingでつまずく人は、英語力よりも「求められていること」の理解が曖昧になりやすいです。本書はまず、タスクの理解と答案作成の研究を置き、そのあとに必要スキルの訓練へ進みます。順番がとても実戦的です。
本書の構成(目次に沿った具体)
第1編:Integrated Task
Integrated Writingは、ReadingとListeningの内容を踏まえて書くタスクです。だから、作文の前に「情報処理」が必要になります。本書はIntegrated Writingの鉄則をまとめた上で、タスクに必要なスキルの訓練へ進みます。
ここでポイントになるのは、全部を細かく書くことではなく、情報を整理して要点を正確に写し取ることです。読む・聞く・書くが同時に必要になるので、練習の軸がないと迷子になります。本書はその軸を作ってくれます。
第2編:Independent Task
Independent Writingは、自分の意見を述べるタスクです。日本語で考えてから英語に直すと、構成が崩れたり、論点が散ったりします。本書はIndependent Writingの鉄則を示し、Sampleを通じて「どの順番で書くと破綻しにくいか」を学べるように作られています。
意見の強さより、理由の出し方と文章の組み立て。そこが評価を左右する。そういう現実が伝わってきます。
読みどころ
- IntegratedとIndependentを分けて練習できる
- 講義形式なので、考え方の順番が分かりやすい
- 175の鉄則という形で、改善ポイントをチェックしやすい
ライティングは、間違いが自分で見えにくいのが難点です。本書は「ここを直す」と言える観点を増やしてくれます。結果として、添削を受けるときも伸びが早くなります。
取り組み方(タスク別の練習設計)
Writing対策でありがちなのは、いきなり書き始めて、書けない原因が分からないまま回数だけ増えることです。本書は「理解→鉄則→訓練」という流れがあるので、練習が散らかりにくいです。
Integrated Taskなら、読む・聞く・書くを同時に鍛える必要があります。おすすめは、次の順番で負荷を分けることです。
- Readingを要約する練習(主張と理由だけを拾う)
- Listeningを要約する練習(対立点と具体例を拾う)
- 最後にWritingとして統合する(両者の関係を崩さずにまとめる)
Independent Taskなら、書く前の設計が重要です。最初に結論を置き、理由を2つ用意し、具体例を添える。型が決まると、英語が多少拙くても崩れにくくなります。本書のSampleは、その型を体へ落とし込む練習に使いやすいです。
注意点
本書はWritingに特化しているので、ReadingやListeningの基礎が弱い場合は、Integrated Taskで先に詰まるかもしれません。その場合でも、本書を使って「何が足りないか」を特定し、別教材で補うと効率が上がります。弱点の位置が分かるだけでも、対策は早くなります。
20回講義と175の鉄則の使い分け
本書の良さは、講義で理解を作り、鉄則で改善点を拾えることです。おすすめは、講義を進める日は「1回分だけ」で止めること。量を増やすより、書いて見直して直すほうが点に繋がります。
鉄則は、書いた後のチェックに使うと効果が出やすいです。「次はこの3点だけ直す」と決めると、練習が積み上がります。
感想
この本を読んで良いと感じたのは、TOEFL Writingを「才能の作文」ではなく「訓練の積み上げ」として扱える点です。特にIntegrated Taskは、英作文が得意でも、情報の整理で詰まることがあります。本書は、タスク理解とスキル訓練を分けているので、原因を特定しやすいです。
また、鉄則という形でポイントが見える化されているので、練習がループになりにくいです。書いて終わりではなく、改善して次に繋げられる。TOEFLの得点を狙う人にとって、心強い一冊だと思います。
こんな人におすすめ
- TOEFL iBTのWritingで点数が安定しない人
- Integrated Taskで情報整理が苦手な人
- 添削を受けても、何を直せばいいか分からない人