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レビュー

概要

『7つの習慣ファミリー』は、ビジネス書の名著『7つの習慣』を家庭に持ち込むための本です。親が子どもを管理するための本ではなく、家族を1つのチームとして捉え、どうすれば信頼、協力、対話を育てられるかを考えさせてくれます。

本書の面白さは、家庭にも運営の視点が必要だと教えてくれるところです。家事分担、時間の使い方、約束、夫婦間のすれ違い、兄弟げんかなど、家の中には実はマネジメントの論点がたくさんあります。本書はそれを冷たい管理論としてではなく、原則中心の家族運営として整理するので、温かさと実用性が両立しています。

読みどころ

  • いちばん実践的なのは、「家族ミッション・ステートメント」を作る発想です。会社に理念があるように、家族にも大事にしたい原則や目標を言葉にしよう、という提案で、これが想像以上に効きます。お金、予定、習い事、休日の使い方など、日々の判断に軸ができます。
  • 『7つの習慣』本体の考え方である、主体性、目的、優先順位、Win-Win、まず理解してから理解される、シナジー、刃を研ぐ、といった原則が、家庭の文脈へ自然に置き換えられています。抽象論で終わらず、家族会議、役割分担、約束の作り方に下ろされるので使いやすいです。
  • 特に良いのは、親の正しさを押し通す本ではないことです。本書は、家族の中でも相手の話を聞き、期待を言葉にし、Win-Winを探すことを重視します。しつけ本のような一方通行ではなく、関係を育てる本として読めるのが大きな違いです。
  • また、子どもを主体的に育てる視点が強いです。何でも親が決めて与えるより、子ども自身が考え、選び、約束に参加するほうが長く続くという考え方が一貫しています。家庭の空気を変える本として、かなり現実的です。
  • 家族を聖域として曖昧にせず、でも企業のように冷たくもしない、その中間の言葉で語れるのも本書の魅力でした。家庭にも仕組みは必要だが、同時に思いやりも必要である、という当たり前のことを原則として整理してくれます。
  • たとえば家事分担やスマホ時間のように、感情的になりやすいテーマでも、本書の枠組みを使うと「誰が悪いか」より「どうすれば家族全体がうまく回るか」に視点を戻しやすくなります。この視点転換は、日常の小さな衝突を減らすのにかなり役立つはずです。

類書との比較

親向けの子育て本は、声かけや発達段階に寄るものが多いですが、本書は家族全体の運営へ視点を広げています。個別の困りごとへの対処法というより、家庭の土台をどう作るかを考える本です。そこが他の育児本とかなり違います。

また、『7つの習慣』本体よりも具体的に家庭へ下ろされているので、原著が難しく感じた人にも入りやすいです。ビジネスで学んだ原則を家庭でどう使うかに迷っていた人には、こちらのほうが先に役立つかもしれません。

こんな人におすすめ

  • 家族の方針や約束が毎回ぶれがちな家庭
  • 子育てを場当たり対応ではなく原則で整えたい親
  • 家事、時間、役割分担の衝突を減らしたい夫婦
  • 家族会議やミッション作りに興味がある人

感想

この本を読んでよかったのは、家庭の悩みを感情論だけで処理しなくてよくなったことでした。もちろん家族には感情が大事ですが、感情だけだとその日その場の疲れに流されやすいです。本書は、そこへ原則という土台を入れてくれます。

子育て本としても、夫婦本としても、家族マネジメント本としても読める一冊でした。家族をもっと仲良くする本というより、家族が長くうまく回る仕組みを作る本です。家庭にリーダーシップを持ち込みたい人にはかなり相性がいいと思います。

とくに、親だけが頑張って家を回している感覚が強い人には刺さるはずです。家庭の問題を「私が全部背負う」から「家族で共有する」へ切り替えるための言葉が、この本にはあります。忙しい家庭ほど、一度読んでおく価値があると感じました。

子どもが小さい家庭にも、少し大きくなって会話が難しくなってきた家庭にも使えるのも強みです。細かい年齢別ノウハウではなく、家族に通用する原則を扱っているからです。長く手元に置いて折り返し読みしたくなる本でした。

家庭をもっとよくしたいと思っていても、毎日が忙しいと話し合う余裕はなくなりがちです。本書は、その話し合いをゼロから作るための補助線になります。家族をチームとして見直したい人には、とても実用的な一冊でした。

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    佐々木 健太

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