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レビュー

概要

『ゆるくてかわいい はじめての刺しゅう』は、刺しゅうに興味はあるけど「道具も手順も分からないし、失敗しそう」と感じている人に向いた入門書です。タイトル通り、空気感はゆるい。でも内容はちゃんと実用的で、初心者がつまずきやすいポイントを先回りしてほどいてくれます。

私がこの本で一番うれしかったのは、刺しゅうを「作品づくり」より先に「手を動かす習慣」として扱ってくれるところでした。最初から大作を作らなくていい。1つステッチを覚えて、次の日にもう1つ。そういう積み重ねで“できること”は増えていきます。この感覚が、すごく続きやすいです。

図案も多く、見ているだけで気分が上がります。私は、SNSで刺しゅう動画を眺めて「やってみたい」と思ったまま止まっていたタイプなので、この本は背中を押してくれる存在でした。

読みどころ

1) 文字だけじゃなく、イラストと動画で迷いにくい

刺しゅうは、文章で説明されても「で、針は今どこを通すの?」となりがちです。この本はイラストが多く、流れが見えます。さらに動画で確認できるので、「いま自分がやってる動きは合ってる?」の不安が減ります。

私は、この点が大事だと思いました。手芸って、正解が分からないと不安になります。時間が長引くほど、一気に嫌になります。確認できる導線があるだけで、気持ちが全然違います。

2) 図案が豊富で、飽きずに練習できる

練習って、同じことを繰り返すと飽きます。刺しゅうも同じで、ただ縫うだけだと続きにくい。でも図案がたくさんあると、「次はこれをやってみたい」が自然に出てきます。

タイトルにある通り図案が173個あるので、気分で選べるのが強いです。私は小さなモチーフから始めて、慣れてきたら少し線が多いものへ、という順番がしっくりきました。

3) 「かわいい」を最初から目指せる

入門書って、最初は地味な練習が続いて「いつになったら可愛くなるの?」となりがちです。でも本書は、最初から“可愛い側”に寄せてくれます。完成したときの達成感が出やすいので、続けるエネルギーになります。

私は刺しゅうって、上手さより「好きな雰囲気を手で作れる」ことが魅力だと思っています。だから最初から可愛いのが正義です。

本の具体的な内容(何ができるようになる?)

基本のステッチが紹介されていて、まずは「線を描く」「輪郭を作る」系の縫い方から入りやすいです。そこから、埋める、飾る、立体感を出す、という方向へ広がっていきます。

私は、最初に全部覚えようとしないほうが良いと思いました。刺しゅうは、覚える量より「手が慣れる」が大事です。1つできるようになると、別の図案にも応用できる。すると、練習が“作業”から“遊び”に変わります。

合う人・合わない人

合うのは、こんな人です。

  • 刺しゅうが気になるけど、最初の一歩が重い
  • 文字の説明だけだと不安になりやすい
  • SNSで見た“ゆるかわ”の雰囲気が好き

逆に、超本格的な作品(大きな額装や緻密な写実)をいきなり作りたい人には、優しすぎると感じるかもしれません。これは「続けるための最初の本」です。

続けるコツ(私のおすすめ)

私は、最初の1週間は「毎日10分」くらいが一番続きました。長くやろうとすると、準備と片付けが面倒になります。短い時間でいいから“針に触る日”を増やす。これが効きます。

もう1つは、失敗を作品として扱うこと。糸がぐちゃっとしたら、そこで終わりにしなくていい。ほどいて縫い直せばいい。刺しゅうは戻れる趣味です。戻れる趣味って、生活に入れやすいんですよね。

道具のハードルを下げる考え方

刺しゅうって、道具が多そうに見えるのも不安材料だと思います。私も最初は「糸の種類が多すぎて無理」となりました。

でも実際は、最初に必要なのは最低限で大丈夫です。針、糸、布、刺しゅう枠、はさみ。ここだけで始められます。私は「まず始めるために揃える」→「続けたいと思ったら増やす」の順番がラクでした。

それと、最初から良い道具を買わなくてもいい。上手くなる前に燃え尽きるのが一番もったいないからです。まずは“手が動く”環境を作るほうが先だと思いました。

最初の作品のおすすめ(小さく終わるのが正義)

初心者が挫折する原因って、難しさより「終わらない」なんですよね。刺しゅうは特に、完成までの時間が長いと気持ちが切れます。

私は、まずはワンポイントのモチーフをおすすめします。小さく終わる。終わると嬉しい。嬉しいと次もやる。これが一番強いループです。図案が多い本なので、気分で選べるのも助かります。

注意点(きれいに縫えない日もある)

最後に、ちょっと現実の話をします。刺しゅうは、手先のコンディションに左右されます。疲れている日や、気持ちが散っている日は、縫い目が安定しません。

でも私は、それでいいと思っています。上手く縫えない日は、練習が“癒し”になっていない日です。そういう日は無理せず、眺めるだけにする。ここまで含めて、続く趣味になります。

まとめ

刺しゅうは、上達が目に見えるのに、気持ちが落ち着く珍しい趣味だと思います。『ゆるくてかわいい はじめての刺しゅう』は、その入り口をとても優しくしてくれる本です。

「何か始めたいけど、気合いは出ない」みたいな時期に、ちょうどいい。私はこの本、そういうタイミングで手に取って正解でした。

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    佐々木 健太

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