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レビュー

概要

コード進行・調性・モードを含む西洋音楽のハーモニー理論を大学や音楽教室で扱うレベルで体系化した大全書。基本の4和音から拡張コード、モーダルインターチェンジ、ポリコードまでをカラーページと譜例で紹介し、各節に練習問題と耳トレ課題を設けている。

読みどころ

  • 第1章の「基本4和音とトニック・ドミナント」では、コードの構成音とその機能を図で示す。図には音の高さを色で表し、スケールの中でコードがどう役割を持つかを可視化してくれる。
  • 第3章では、モードと代理和音を対比させ、マイナーモードの境界線を音楽的ストーリーで解説。譜例に示されたテーマをモードごとに変えてみることで、異なるカラーを実感できる工夫もある。
  • 後半では各ジャンル(ジャズ、ポップス、EDM)で使われる応用コードとその分解を扱い、テンションノートの選び方やテンポとコード進行の関係も含む。練習問題では実際の楽曲の一部を分析し、なぜそのコードが選ばれたかを論理的に説明する。

類書との比較

『音楽理論の基礎』(スリーエーネットワーク)は初級者向きだが、応用例や練習問題のボリュームが控えめ。本書は「大全」の名にふさわしく、初級から中級・上級と段階的にスキルを引き上げる構成であり、特にモードとテンションに関する解説が丁寧で、コードを“語る”力を育てる点で差別化されている。

こんな人におすすめ

  • 楽曲制作で和声を自在に操りたいクリエイター。ミックス段階でもコードの解釈を共有できる。
  • ジャズやフュージョンなど高度な調性を扱う演奏者。テンションや複雑な代理和音への理解を深められる。
  • 音楽講師。練習問題や譜例をそのまま授業で使い、学習者の理解度を段階的にチェックできる。

感想

色分けされた図や譜例が多く、特にテンションの選び方については根拠と耳の感覚を同時に示してくれて分かりやすかった。たとえばモーダルインターチェンジでの借用コードの説明が体系的で、自分の曲に導入する際も手順が浮かんだ。広範な理論を一冊にまとめながら、実践的に使えるポイントを選んでいるのが良かった。

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    佐々木 健太

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