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レビュー

概要

『できる ゼロからはじめるピアノ超入門』は、まったくの初心者が独学でも最初の一歩を踏み出しやすいように作られたピアノ入門書です。楽譜の読み方、鍵盤の位置、手の形、指使いといった基礎を、映像と音声の補助つきで学べるため、「本だけだと動きがわからない」という独学の弱点をかなり補っています。

大人の初心者にとって難しいのは、理解できないことより、どこで止まっているのか自分で把握しにくいことです。本書はそこを、短い練習単位と模範演奏で助けてくれます。子ども向け教本より説明が親切で、気後れしやすい人でも入りやすいです。

読みどころ

読みどころは、楽譜と音と手の動きを結びつけやすい点です。ピアノ入門書は紙面だけだとリズムやタイミングをつかみにくいことがありますが、本書はDVDとMP3で補ってくれます。見て、聴いて、真似しながら進められるので、独学でも止まりにくいです。

また、右手と左手をいきなり同時にやらせず、少しずつ段階を踏ませる構成も親切です。両手が入った瞬間に挫折する初心者は多いですが、本書はその壁をかなり意識しています。だから、短時間しか練習できない人でも、「今日はここまで」と区切りやすいです。

さらに、単に弾けるようになるだけでなく、練習の続け方まで考えられているのも良いところです。どこでつまずいたかを把握しやすく、次に何を繰り返せばいいかが見えます。趣味として細く長く続けたい人には、この見通しの良さが効いてきます。

本書は、最初からきれいに弾くことより、音を出す怖さを減らすことを優先している印象です。大人の初心者は「こんな初歩でつまずくのは恥ずかしい」と感じやすいですが、本書は鍵盤の位置確認や指の動かし方を遠慮なく基礎から扱います。そのため、知識の穴を残したまま先へ進んで苦しくなる展開を避けやすいです。

また、独学でよく起こる「合っているかわからない」という不安に対して、模範演奏がかなり効きます。テンポ感、音の長さ、指の運びを確認しながら戻れるので、自分の練習を修正しやすいです。レッスンへ通う前の準備にも、趣味として自宅で続ける教材にもなり得るバランスだと思います。

類書との比較

紙だけの教本は、自分の理解が合っているのか確信を持ちにくいことがあります。本書は映像と音でその不安を減らしてくれるのが強みです。理論を深く学ぶ本ではありませんが、最初の一冊として必要な要素はしっかりそろっています。

また、上達の速さより、続けやすさを優先している点も大人向けです。趣味としてピアノを始める人には、厳密な訓練書より、こうした入門書のほうが合う場面は多いと思います。

こんな人におすすめ

  • 楽譜も鍵盤も初めてで、独学の入口がほしい人
  • 子どものころ習っておらず、大人になってから始める人
  • 仕事や育児の合間に、少しずつ趣味を育てたい人
  • 映像や音を見ながら覚えたい人

感想

この本を読んで感じたのは、初心者に必要なのは難しい理論より、「ここまでならできそう」と思える小さな成功体験だということです。本書はそれをかなり丁寧に作っています。弾けないことを責める空気がなく、少しずつ進めばいいと思えるのが良いです。

また、独学だと続かなくなる原因の多くは、間違っているかどうかわからない不安ですが、本書は模範演奏でそこを補ってくれます。完璧を目指すより、まず音を出す楽しさを取り戻したい人に向いています。大人の再入門にも勧めやすい一冊でした。

短時間でも前に進める構成なので、忙しい人ほど相性がいいはずです。週に何時間も練習できなくても、鍵盤に触れる習慣を作りたい人には十分役立ちます。ピアノを難しい趣味ではなく、暮らしの中で続けられる習い事として始めたい人に勧めやすい入門書でした。

独学で楽器を始めると、最初の数週間で手応えを失いやすいですが、本書はその離脱をかなり防いでくれます。見る、聴く、弾くを小さく往復させる構成なので、練習時間が短くても前回より少し進んだ感覚を持ちやすいです。再入門だけでなく、完全初心者の最初の教材としても安心して勧められます。基礎で止まりにくいので、弾ける曲を少しずつ増やす楽しさへつなげやすいのも魅力でした。独学を続けるには、まず「わかる」という感覚が欠かせません。そこへ「弾ける」という実感が少しずつ重なると続けやすくなります。本書はその入口をかなり丁寧に用意しています。映像つき教材の強みを、初心者向けに無理なく活かしている点も好印象でした。

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    佐々木 健太

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