レビュー
概要
初心者が楽譜の読み方、タッチの基本、手のポジションを大切にしながらピアノを弾き始めるためのテキスト。DVDの模範演奏とMP3ファイルで実際のタイミング・テンポを掴み、指番号や拍子の解説を1曲ずつ進める構成。メトロノームとの併用や左手パートの分解など、独学でも進められるよう配慮された段階的なアプローチが特徴。
読みどころ
- 第1章では五線譜と拍子の関係を図解し、4分音符・2分音符・付点音符の長さを視覚化。DVDの模範演奏とMP3を併用することで「このタイミングで手を動かす」という実感を高めている。
- 中盤は指使いと手の分離練習で、右手メロディと左手伴奏を別々に練習してから合奏する流れを勧めている。付録の「手をぶつけない弾き方」のコーナーでは腕の高さ、手首のリラックスが丁寧に示される。
- 最終章では簡単なアレンジ(コードを加える、ハーモニーを増やす)を提案し、表現の幅を広げる工夫を紹介。演奏後に「今日のポイント」と「次の課題」を書き込む場も用意されており、反復学習の記録にもなる。
類書との比較
『誰でも弾けるピアノ超入門』(ヤマハミュージック)は紙の譜面と練習曲が多いが、動画との連動が少ない。本書は映像と音声というマルチモーダルな学習を組み合わせ、タイミングや音の長さを耳で確認しながら進められるので、独学でもリズムのズレを直しやすい。
こんな人におすすめ
- 楽譜も鍵盤も初めての人。DVDとMP3で実演を見て真似しながら進められる。
- 仕事や育児で時間が取れず、短いセクションを繰り返したい人。1曲ずつまとまっているので休憩して戻りやすい。
- 教室の先生が予習教材として使う人。DVDの模範演奏を生徒に見せることで、自宅練習の補助になる。
感想
DVDとMP3の連動があることで、楽譜だけを追うよりも手の動きを体に刻みやすかった。初めての曲でもテンポの変化が少しずつ増え、一音一音を丁寧に弾く感覚が練習の中で育っていった。練習記録のスペースがあったおかげで、どこでつまずいたかが明確になり、次回の練習の指針になった。