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レビュー

概要

一見難解な音楽理論をマンガのコマ割りとキャラクターの会話で解説することで、読者が「なぜこのコードが響くのか」を感覚として掴めるようにしている。音程、コード進行、モードの変化、リズムとの関係を章立てで提示し、例題のピアノ譜やギターコードもマンガの中に溶け込ませて表現。

読みどころ

  • 第1章では音階と度数、三和音の構成をキャラクターたちのライブプランで描写し、「3rdの響き」がどう感情を左右するかを体験。ビジュアルとして、度数ごとに色付きの線を引きながら説明するので、耳に頼らず目で覚えられる。
  • 第2章ではコード進行とリズムの掛け合わせに注目し、II-V-Iや循環コードを会話のキャッチボールに例えて表現。主人公たちがコードを順番に演奏するシーンに、そのコードの機能(ドミナントやトニック)を吹き出し付きで言語化し、同時に譜面も提示される。
  • 章末の「書き込みWORK」では、自分の曲にコードを当てはめるワークシートを提供し、さらにセッションで出た質問に答える形で「なぜこのコードが正解なのか」を再確認する。

類書との比較

『ノン・ミュージシャンのための音楽理論』(リットーミュージック)は文章中心で概念を説くが、絵の力が入らないと取り残される読者も多い。本書はマンガ表現を使って概念を対話の中に落とし込み、波形やコードの構造をコマごとに可視化することで、実際の耳で聴く以上に頭で理解を固める補強になる。

こんな人におすすめ

  • 楽器を始めたばかりでコード進行の構造を読み解きたい人。マンガのストーリーを追う中で滑らかに理論に触れられる。
  • バンドで自分のパートを理解したいメンバー。裏拍とコードの関係を視覚的に見ることで、次のフレーズを予測する能力が高まる。
  • 音楽理論を教える講師。マンガの画面を使って抽象的な概念を伝える補助教材にできる。

感想

頭に残るのは、キャラクターがコードを「人間関係」に置き換える比喩の数々で、緊張と解放の構造がどう機能するかを自然に納得できた。譜面との併記もあるので、耳が伴わない場面でも視覚的に理論が掌握できる。マンガとしての語り口が柔らかく、音楽理論への苦手意識を取り除いてくれる一冊だった。

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    佐々木 健太

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