レビュー
概要
イラストを描くプロの観点から「人体」や「動き」を分解して構造と表現の両方を伝える教育書。特典付きでPDFデータも提供し、各ページの図解とともに確認用のテンプレートを併記。デッサンに必要な骨格・筋肉・ポーズの見方を、ステップごとに描く。
読みどころ
- 「人体の骨格・筋肉」を章立てで扱う際、図・写真・解説を並べて立体感の理解を促す。たとえば肩の構造を4枚の図で示し、筋肉の収縮と伸長の違いを色で表現した。
- 「動き」のパートでは、スローモーションを想定しながら「重心移動」「足の着地」「腕のスイング」をドローイングで順に描写。各ページに簡易的なタイムラインがあり、動きの流れをじっくり追える。
- 付録のPDFデータにはトレーニングシートやポーズ集があり、模写・モデリングの素材として活用できる。
類書との比較
『デッサン力養成講座』(グラフィック社)は静物デッサンに向いていて、人物に関する説明はやや冷静だ。本書は人体と動きを分けて扱い、「動きのリズム」や「筋肉の弾力」を表情豊かに解説しているため、イラスト初心者でも骨格・動き・デザインを連動させて勉強できる。
こんな人におすすめ
- 人体の構造を参考にしながらキャラクターを描きたいイラストレーター。骨格ごとの可動域やラインの引き方が豊富なため、描き込みの精度が上がる。
- アクションシーンが苦手な漫画家。動きのタイムラインをなぞるワークで、線の強弱をコントロールしやすくなる。
- デジタル派の人にも使えるPDFトレース素材を探している人。付録のデータがそのまま練習に使える。
感想
手を動かすポーズ資料としても使えるが、構造の把握に時間を使わせる構成が気に入った。スローモーションのように静止画を分解し、動きを細かく分析することで、写実的な線ではなく「骨格のリズム」を感じられる。付録のPDFも、繰り返し使える素材として重宝しそうだ。