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レビュー

概要

『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』は、頑張りすぎる人が「ちゃんとしなきゃ」の力を少し抜くための実践書です。紀伊國屋書店の出版社内容情報では、「ダメな自分でもいい」「壁は乗り越えなくてもいい」「みんなに好かれなくてもいい」といった言葉を入り口に、32の「ゆるポジ」思考レッスンをまとめた本として紹介されています。

ポイントは、前向きになることを強制していないところです。落ち込みや不安を根性で押し返すのではなく、受け流す、あきらめる、自然体で人に甘える、自分中心に生きていいといった発想で、心の緊張をゆるめていきます。文庫サイズで読みやすく、重い理論書より先に手に取りやすいタイプの本です。

読みどころ

1. 「あきらめる」を逃げではなく整理として扱う

この本でいう「あきらめる」は、投げやりになることではありません。どうにもならないことを無理に抱え続けず、必要以上に自分を消耗させないための整理です。完璧主義や過剰適応で疲れやすい人ほど、この考え方が効きます。

2. 受け入れと自尊を一緒に扱っている

目次では「受け入れ、受け流す技術」と「自分が好きな自分になる」が並んでいます。自分を守ることと、自分を好きになっていくことを分けずに扱っているので、実生活へ落とし込みやすいです。

3. 頑張りすぎる人に向いたサイズ感

長いワークや難しい理論ではなく、短い思考レッスンの積み重ねで構成されているのが強みです。弱っている時期でも読みやすく、「今日ひとつだけ試す」がやりやすい本だと感じます。

類書との比較

自己肯定感本が「もっと自分を信じよう」と励ます方向に寄りやすいのに対し、本書はその前段階である「力を抜く」に重点があります。ストレス本のように対処法を大量に並べるタイプとも違い、まず緊張した心をゆるめることを優先している点が特徴です。

こんな人におすすめ

  • 頑張っているのに空回りしてしまう人
  • 人に好かれようとしすぎて疲れる人
  • ポジティブ思考の押しつけがしんどい人
  • まずは気持ちを軽くする入口がほしい人

感想

この本の良さは、「変わらなきゃ」と追い込まれている人に対して、まず力を抜いていいと言ってくれるところです。メンタルケア本の中には、正しいことをたくさん言うぶん、読むだけで疲れる本もあります。でも本書は、気持ちを立て直す前に緊張をほどく方向へ連れていってくれる。

20代で仕事や人間関係の圧が重なる時期ほど、「ちゃんとできない自分」を責めやすいです。そんな時に、壁を全部乗り越えなくてもいい、みんなに好かれなくてもいい、という言葉があるだけでかなり呼吸がしやすくなる。本気で変わる前の一冊として、ちょうどいい本だと思います。

本の虫達

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    高橋 啓介

    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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