レビュー

「ホロスコープを作って読む」までを一気通貫で学ぶ、西洋占星術の入門書

『CD-ROM付き いちばんやさしい西洋占星術入門』は、西洋占星術の基本を、ホロスコープの作成から読み解きまでつなげて学ぶ本です。西洋占星術は、12星座占いの延長として理解されがちです。けれど、本質はホロスコープです。生まれた瞬間に、惑星がどの位置にあったかを複合的に読む。そこに個別性が出ます。

本書は、そのホロスコープ作成システムをCD-ROMに収録します。生年月日、出生時間、出生地を入力し、自分や相手のホロスコープを作る。作ったものを、書籍で読み解く。初心者が最初に躓きやすい「図が作れない」「どこを見ればいいか分からない」を、仕組みと解説で埋めにいきます。

研究所の背景が見える。1976年創立の「心の研究所」としての立ち位置

著者紹介では、ルネ・ヴァン・ダール研究所が1976年に創立されたこと、占いや神秘学、心を扱う研究所であることが書かれています。「世界の占い」を学術的に解析し、新しい心理学の立場から研究する。さらに、人間の幸せのあり方を実践的に追及し続けることを使命としていると説明されます。

占星術の本は、著者の語り口に大きく左右されます。本書は「当てる」より「読み解く」へ寄せる設計です。ホロスコープを作って、要素を分解して、再構成する。研究所の立ち位置は、その実務寄りの構成と相性が良いと感じました。

章立てが実務的。星座だけでなく、惑星・ハウス・アスペクトへ進む

主な目次は、第1章ホロスコープの成り立ちから始まり、次の要素へ進みます。

  • 第2章 12星座のキーワード
  • 第3章 10惑星がもたらす性質
  • 第4章 12ハウスのはたらき
  • 第5章 5つのアスペクト
  • 第6章 相性を占う
  • 第7章 運勢を占う
  • 第8章 ホロスコープQ&A

「12星座が分かれば占える」ではなく、ホロスコープを構成する部品を順に揃える構成です。占いの精度は、部品の読み取りの精度で決まります。特にハウスとアスペクトは、ここを飛ばすと読みが薄くなります。本書はそこを避けません。

CD-ROMが学習の足場になる。作ってから読むほうが理解が速い

占星術の学習は、読むだけだと頭に残りにくいです。自分のホロスコープを作り、星座、惑星、ハウス、アスペクトを当てはめていくと、急に立体になります。本書はその順番を前提にしています。

また、相性や運勢の章がある点も実用的です。相性は「2人分のホロスコープ」を扱うので、最初は難しく見えます。けれど、部品の読み方を積み上げたあとなら、手が届きます。運勢も同じです。現在・過去・未来をどう読むかは、道具を持っていないと怖い。本書はそこまで連れていきます。

Amazonの説明では、仕事、恋愛、金運なども占えると書かれています。テーマを決めて読むと、部品の意味がつながりやすいです。学習としても、実用としても回しやすくなります。

類書との比較

西洋占星術の類書には、読み物として楽しめる本があります。全体像を掴むには良いです。一方で、ホロスコープを自分で作り、実際に読む段階で止まりやすい。

本書はCD-ROMで作成を支え、章立てで読解の順番を用意します。初心者にとっては、この導線が最大の価値です。学ぶ内容が多い分、順番があるかどうかで挫折率が変わります。

図を一度作ってしまえば、章を進めるたびに同じホロスコープへ要素を書き足せます。読み物型の入門書より、自分の図で確認する回数を増やしやすいです。

使い方:自分のホロスコープを作り、1章ずつ要素を足していく

最初はCD-ROMで自分のホロスコープを作り、何がどこに書かれているかだけ確認します。次に、第2章の12星座、第3章の10惑星、第4章の12ハウス、第5章のアスペクトを順に足します。毎回「自分の図で確認する」のがコツです。

Q&A章も活用すると、つまずきが減ります。初心者が引っかかるのは、概念より手順です。手順が固まると、相性や運勢の章に入ったときも迷いにくくなります。

こんな人におすすめ

  • 星座占いを超えて、ホロスコープを自分で読みたい人
  • 図の作成で止まらず、実践まで進みたい人
  • 相性や運勢も含めて、体系的に学びたい人

占星術は、情報量が多い分だけ、最初の足場が重要です。本書はその足場として、CD-ROMと解説をセットで提供する入門書でした。

注意点:CD-ROM前提の本なので、学習環境を先に確認する

タイトルに「CD-ROM付き」とある通り、作成システムを使う前提の本です。パソコン環境がないと、学習の足場が崩れます。購入後に詰まらないためにも、最初に自分の環境でCD-ROMが使えるかを確認しておくほうが安全です。

また、入力項目に出生時間と出生地が含まれます。情報が曖昧だと、ホロスコープの精度も曖昧になります。本書はQ&A章も用意しているので、手順で迷ったときは早めに参照すると良いです。

CD-ROMの扱いに不安がある場合は、購入直後にバックアップ方法も考えておくと安心です。

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    佐々木 健太

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