レビュー
口の動きが見えると、発音はやり直せる。DVDで学ぶ発音入門
『DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本』は、英語の発音を「聞いて真似る」だけで終わらせず、口の形と舌の位置を見える化して練習する本です。紹介文でも、口の形・舌の位置・発音の仕方をイラストと写真でやさしく紹介し、発音とつづり字のルールも分かりやすく解説すると書かれています。
Amazonの説明では、既刊『CD付き英語の発音が正しくなる本』の改訂増補版で、DVDを新たに付け、DVD対応ページを約50ページ増やし、オールカラーになったとされています。DVDの内容も具体的です。中学基本単語をベースに、26の母音と24の子音について、口元アップ映像と詳しい説明を約120分収録する。独学で一番つまずく「正しい形が分からない」を、映像で潰します。
入門編→基礎編の2段構え。母音と子音を分けて積み上げる
目次は、入門編(母音の発音を練習しよう/子音の発音を練習しよう)と、基礎編(母音/子音)に分かれます。順番が良いです。発音は、いきなり難しい単語で練習すると、間違いが固定されます。先に音の単位へ戻し、口の動きとセットで覚える。遠回りに見えて、結局は近道です。
本編では、各発音が含まれた単語、類似した発音の区別、発音とスペリングのルール、練習問題まで揃います。口元アップの写真が3方向から載る点も効きます。横から見ると舌の位置が分かる。正面から見ると唇が分かる。映像と紙の両方があると、復習がしやすいです。
26の母音と24の子音を「筋肉の動き」として覚えると、ブレにくい
DVDが約120分あるのは、情報量が多いからです。発音は知識ではなく運動に近い。母音と子音を数で見ると圧倒されます。けれど、口の開き方、舌の高さ、息の出し方という3要素に分けると整理できます。本書はその整理を、映像と写真で助けます。
類似した発音の区別も、説明だけでは残りません。口元アップで「どこが違うか」を見て、同じ単語例で反復する。ここまでセットにして初めて、区別が安定します。本書は単語例を数多く載せると紹介されています。反復の素材が不足しにくいのは強みです。
「つづり字のルール」があるのが実用的。読める音が増える
発音の本は、音の説明で終わることがあります。けれど、学習の現場では「初見の単語をどう読むか」が悩みになります。本書は、発音とつづり字の関係を扱います。つまり、単語が増えても、推測の精度が上がる方向です。
例えば、似た母音や子音の区別は、聞き取りだけでなく発話にも効きます。相手に伝わらないとき、問題は文法より音にあります。音が整うと、会話のストレスが減ります。効果で考えると、投資対効果が高い領域です。
類書との比較
類書には、CDや音声アプリ中心の教材があります。耳は鍛えられます。ただ、自分の口の動きは見えません。だから誤差が残りやすい。発音のやり直しで苦しいのは、そこです。
本書はDVDで口元アップを見せ、紙面で写真とイラストを補強します。正しい形を先に知れるので、修正が速い。独学の発音矯正として、この設計は強いです。
使い方:DVDで「形」を覚え、CDで「反復」を回す
最初はDVDで、母音と子音をざっと一周します。目的は、完璧に言えることではなく「どこを動かす音か」を掴むことです。次にCDで反復します。声に出して、録音して、聞き返す。ここで誤差が見えます。
練習問題は、1回で終えないほうがいいです。1週間後に同じ問題へ戻ると、定着度が分かります。発音は、理解より習慣です。本書はその習慣を作りやすい構成だと感じました。
こんな人におすすめ
- 発音を自己流で続けてきたが、限界を感じる人
- リスニングが伸びない原因を、音の区別だと感じる人
- 口の形と舌の位置から、基礎を作り直したい人
発音は後回しにされがちです。ただ、伝わりやすさと聞き取りやすさの両方へ効きます。本書は、映像と紙で「正しい形」を渡してくれる、実用的な入門書でした。
注意点:最初から速く言おうとしない。遅く正確に作る
発音練習でやりがちなのは、スピードを上げて誤差を隠すことです。音が崩れたまま速くなると、後から直しにくい。本書のように口の形を確認できる教材は、ゆっくり言える価値があります。最初は遅く、音の輪郭をはっきり作る。慣れてから速度を上げる。その順番が安全です。
また、録音して聞き返すときは、発音の正しさだけを追わないほうが続きます。「昨日より区別できた音が1つ増えた」くらいの尺度で十分です。積み上げ型の練習を設計できるかどうかで、発音は変わります。
DVDが中学基本単語をベースにしている点も、入りやすさにつながります。難語ではなく、知っている単語で口の動きを学べる。だから、発音の練習に集中できます。
区別が曖昧な音を1つでも見つけたら、そこを重点的に回すと伸びが早いです。