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レビュー

自己肯定感を「気の持ちよう」ではなく、脳の回路として組み替える発想

『「脳科学×心理学」で自己肯定感を高める方法』は、自己肯定感の低さを、努力や根性の問題へ戻さずに扱う本です。紹介文では、自己肯定感が低く、うつ病だった状態から回復した経験を土台にしつつ、「過去を癒す」より「脳の構造を変える」方向を強調します。自己肯定感を、気合いではなく設計として扱う1冊です。

目次を見ると、理屈だけではありません。第4章に「実践ワーク」があり、第5章には17のメソッドが並びます。読む本というより、手を動かす本です。

第1章は体験談が中心。共依存やパニック障害、催眠療法まで踏み込む

第1章では、価値がないと思い込む日々、共依存で自尊心を満たす心理、突然のパニック障害など、具体的な経路が語られます。さらに、催眠術と催眠療法の違いを整理し、「人生脚本を書き換える暗示」にも触れます。好みは分かれます。ただ、自己肯定感の低さが「考え方」だけでなく、体調や不安と結びつく現実を押さえている点は良いです。

第2〜4章で骨格を作る。信念と回路を、3ステップで更新する

第2章は自己肯定感が高い人と低い人の違いを整理し、「思い込み」に気づくことから始めます。第3章は脳科学のパートです。ポジティブとネガティブのどちらの神経回路を作るか。シナプス形成。脳のリハビリ。アファーメーション。こうした語彙で、変化を説明します。

第4章は実践ワークです。自己肯定感を高める3つのステップとして、無意識の思い込みに気づくための4つの質問、マイナスの思い込みをプラスへ変える方法、「未来タイムマシーン」でプラス思考を強化する流れを置きます。再現の道筋があるので、試行錯誤がしやすい構成です。

第5章の17メソッドが具体的。体とイメージを使って切り替える

第5章には、メソッドが並びます。例えば、蝶タッチセラピー、タッピングセラピー(EFT)、感情解放のワーク、光のバリア法、自己拡大法、地球に固定する法、比較をやめる法、心の声を切り替える方法、魔法の口ぐせ公式などです。

ここは、「考え直そう」と言われても動けない人に効きます。頭が固まったときは、体から先に切り替える。イメージから先に切り替える。そういう逃げ道を複数持てます。

類書比較:内省中心の自己肯定感本より、ワークが多く手触りがある

自己肯定感の類書には、考え方の整理が中心の本も多いです。理解は進みます。ただ、落ち込んでいるときは、理解より手順が欲しい。本書は、質問、アファーメーション、イメージワーク、タッピングなど、手順の種類が多いです。合うものを選べる点が強みです。

一方で、催眠療法やエネルギー的な比喩が出てくるので、そこは合わない人もいます。その場合は、第2〜4章の骨格と、体を使うメソッドを中心に拾う読み方が現実的です。

こんな人におすすめ

  • 不安や他人の評価に振り回され、自分の軸が薄いと感じる人
  • 思考だけで切り替えようとして、いつも失敗する人
  • ワークを試しながら、自分に合う手順を見つけたい人

自己肯定感は、いきなり高くはなりません。けれど、回路は習慣で変わります。本書はその変え方を、脳と心の両面から提案してくれる1冊でした。

取り入れ方:第4章の3ステップを軸にして、第5章のメソッドを足す

本書はメソッドが多いです。迷ったら、第4章の3ステップを軸にすると整理できます。

ステップ1は、無意識の思い込みに気づくための「4つの質問」です。ここで、反応のパターンを言語化します。ステップ2で、マイナスの思い込みをプラスへ変える方法を試します。ステップ3が「未来タイムマシーン」です。未来側のイメージを使って、プラス思考を強化します。

そのうえで第5章のメソッドを足すと、切り替えが速くなります。不安が強いときは蝶タッチセラピー。体の緊張が抜けないときはタッピングセラピー(EFT)。敏感さがつらいときは光のバリア法。比較で落ちるときは他人との比較をやめる法。こういう形で「症状」ではなく「場面」で選ぶと、使い分けができます。

第1章に催眠療法が出てくるので、そこが合わない人もいます。ただ、脳の回路と信念を扱い、ワークで更新する骨格は普遍的です。合うパートだけ拾う読み方でも、十分に価値があると感じました。

第5章には「魔法の口ぐせ公式」も出てきます。落ち込むときは、言葉がそのまま回路の燃料になります。うまくいかない日に「またダメだ」で終えるのか。「今日はここまでできた」で締めるのか。口ぐせは小さいです。ただ、積み重なると差になります。

「未来タイムマシーン」も同じです。今の不安を叩き潰すより、未来の自分の視点を借りて今を整理する。そういう方向へ進めるので、気分に巻き込まれやすい人の避難先として使いやすいと感じました。

メソッドは多いので、最初は1つだけ選び、1週間だけ続けるのが現実的です。継続の記録が残ると、自己肯定感の変化も見えます。

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    佐々木 健太

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