レビュー
概要
『イガリメイク、しちゃう?』は、「今いちばん可愛い!」と呼ばれることも多いヘアメイク・イガリシノブさんの、初のメイクブックです。Amazonの商品説明でも、薄づきで透明感のある肌、上気したほっぺ、ぽってりしたリップといった“イガリ顔”の要素を挙げながら、じゅわっと愛らしい色気のつくり方を1冊に詰め込む、と説明されています。
紀伊國屋書店の内容説明はさらに勢いがあって、「やばめかわいめ」「ラブボルテージがアガる本!」という言い切り。目次を見ると、テンションにふさわしく、1章は「今日は何%のメイクでいく?」という“ラブボルテージ別LOOK BOOK”から始まります。そこから妄想モード、ベース研究、悩殺コスメ、ヘッドアクセ、そしてInstagramでのMOVIE SHOWへ。メイクのテクニックだけでなく、気分の上げ方まで含めて“世界観”で読ませる本です。
読みどころ
1) 「何%のメイクでいく?」という発想が、日常に効く
この本の面白いところは、メイクを「正解に近づく作業」ではなく、その日のテンションを決める“スイッチ”として扱っている点です。ラブボルテージ別のLOOK BOOKは、濃い・薄いの二択ではなく、「今日は何%?」と刻む感じ。予定や気分によって微調整する前提なので、真似しやすいんですよね。
たとえば、仕事の日は“整える”方向に寄せて、友だちと会う日は「ちょっと盛る」。デートの日は温度を上げる。そういう使い分けが、写真や言葉で具体化されていて、眺めているだけでも「明日やってみよう」が出てきます。
2) ベース研究がしっかりあるから、可愛いが崩れにくい
目次の3章が「メチャメチャ大事!…ベース研究をしてみましょ~」なのが、信頼ポイントです。イガリメイクって、チークやリップの印象が強い一方で、実は土台が整っていないと“ただ赤い”になりやすい。
Amazonの説明にある「限りなく薄づきの透明感のある肌」を成立させるには、厚塗りしないのに粗が目立たない、という矛盾を解く必要があります。ここを最初に押さえてくれる構成なので、流行メイク本としてだけでなく、ベースを見直す本としても読み甲斐があります。
3) 悩殺コスメとヘッドアクセで、世界観を最後まで作り切る
4章は「浮気しないさせない!…悩殺コスメたち」。ここは単なるおすすめ紹介というより、「この質感が欲しいなら、この方向」という“選び方の指針”が詰まっている章だと思います。コスメって、新作を追うほど迷子になりやすいので、方向性が言語化されると助かります。
そして5章の「ヘッドアクセばんざい!」で一気に“顔だけじゃない”提案に広がる。メイクの仕上がりをアップさせるのって、実は髪や小物の力も大きいんですよね。ヘッドアクセでバランスを取る発想が入ることで、完成形のイメージが掴みやすくなります。
4) InstagramでMOVIE SHOW:手順の再現性を上げる工夫
6章のInstagram MOVIE SHOWは、静止画だけでは伝わりにくい手の動きや質感を補う仕掛けです。メイク本で挫折しがちなのが、「この色をどう置けばこうなるの?」という部分。動画で“動き”が見えると、再現性が上がります。
読み方のコツ(そのまま真似しない)
この本は写真も文章も勢いがあるので、全部を一気にコピーしようとすると、かえって迷子になりやすいです。おすすめは、目次の流れに沿って「今日はここだけ」と決める読み方。
たとえば、まずは1章のラブボルテージ別LOOK BOOKで“なりたい空気”を選ぶ。次に3章のベース研究で、その空気に合う肌の作り方を確認する。最後に4章の悩殺コスメで、色や質感の方向性を決める。ここまでで、チークやリップの置き方が自然に選べるようになります。
また、2章の「只今妄想中…」は、メイクがマンネリ化しているときに効く章です。テクニックだけだと、手がいつもの動きになってしまう。妄想という言葉で、メイクに物語を持ち込む。気分が上がるだけでなく、表情まで変わるのが面白いところです。
最後に、ヘッドアクセの章(5章)も、意外と実用的です。髪が決まらない日でも、小物で視線の重心を動かせば、全体の完成度は上がります。メイクだけで戦わない、という提案に救われます。
こんな人におすすめ
- 流行の「じゅわっと血色感」を、自分の顔に落とし込みたい
- チークやリップが浮きやすく、バランスが取れない
- ベースメイクを薄くしたいのに、粗が気になって厚くなる
- メイクを気分のスイッチとして楽しみたい
まとめ
『イガリメイク、しちゃう?』は、テクニック集でありつつ、「今日は何%?」という言葉でメイクの楽しみ方を更新してくれる本です。ラブボルテージ別LOOK BOOKからベース研究、悩殺コスメ、ヘッドアクセまで、世界観を作る要素が順番に揃っていくので、真似するポイントも見つけやすい。
流行メイクを“自分の定番”にしたい人には、かなり頼れる1冊だと思います。