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レビュー

概要

『受かる!英語面接 [CD付]』は、英語面接を「英語の出来」で勝負するものではなく、「面接の構造を理解し、準備で勝つもの」として扱うハウツー本です。外資系・海外企業の就職/転職だけでなく、社内面接(外国人上司との面談)やMBA面接まで視野に入れ、面接官が何を見ているか、どこで評価が割れるかを、具体的な手順で教えてくれます。

英語面接対策本はフレーズ集に寄りがちですが、本書は“面接の全体像→準備→面接の型→フォローアップ→交渉”と、プロセスで組み立てています。加えて、本文中の例文がCDに収録されているので、口と耳を同時に鍛えられる設計です。

本書の具体的な中身

構成は大きく2部です。第1部は「就職・転職のための面接」。まず第1章で応募スタイル、面接の流れ、面接の種類、個別面接と複数面接など“面接とは何か”を整理します。第2章は準備編で、リサーチ、ネットワーキング(人脈作り)、インフォメーショナル面接、面接官の視点、テクニック、ありがちなミス、第一印象と服装、練習方法、遠方で受ける場合の注意まで並びます。

第3章・第4章が実戦編です。面接スタイルを「直接的な面接法」と「行動基盤面接法」に分け、答えにくい質問、違法または差別的な質問への対処まで扱います。さらに、面接官への質問、締めくくり、フォローアップ、給与交渉、内定の受け入れと辞退、不採用通知への向き合い方まで一気通貫です。第5章は面接モデル会話が3本あり、全体の型を“通しで”確認できます。

第2部は「その他の面接」。社内面接(社内募集制度や社内での交渉)、MBA入学面接(代表的な質問や自分からの質問)、さらに「面接する人へのアドバイス」や「面接における日米の違い(文化・法・労働市場・教育制度)」まで含まれます。受け手側だけでなく、評価する側の視点が入ることで、回答の作り方が変わります。

読みどころ

1) “話す英語”より先に「語る材料」を作る

英語面接で詰まりやすいのは、単語が出ない以前に「何を話すべきかが定まっていない」ことです。本書が準備章に大きく割くのは合理的で、リサーチ不足が回答の薄さにつながること、ストーリーの材料(実績、失敗、学び)を事前に棚卸ししておくことが、英語力以上に効くと気づかされます。

特に行動基盤面接法(過去行動から再現性を測る)を前提にすると、成果を“数字や状況”で語る必要が出ます。ここを準備で固めると、英語は多少ぎこちなくても、評価されるポイントが残る。逆に、英語が流暢でも中身が薄いと落ちる。この現実を直視させてくれるのが良いです。

実際の準備としては、「自己紹介(Tell me about yourself)」「強み・弱み」「志望動機」「失敗と学び」「リーダーシップ」「対立の解消」「プレッシャー下での対応」など、頻出テーマごとに“短いエピソード”を用意し、1分版と3分版で話せるようにしておくのが効きます。面接本を読んだだけでは答えが作れない領域ですが、本書は質問の意図と評価ポイントが整理されているので、エピソード作りが迷子になりにくいです。

2) 面接官への質問・フォローアップ・交渉まで含めて「面接」

面接対策は質問への回答で終わりがちですが、本書は締めくくり方、フォローアップ、給与交渉、内定の受け入れ/辞退までを同じ地続きで扱います。ここまで含めると、面接は“評価される場”であると同時に、“条件をすり合わせる交渉の場”だと理解できます。特に給与交渉は、避けて通りたい話題ですが、やり方を知っているだけで心理的負担が大きく減ります。

また、違法または差別的な質問への対処を含めているのも実務的です。たとえば家族構成や年齢など、答えにくい話題が出たときに、正面から拒絶して空気を壊すのではなく、論点を仕事へ戻す言い方を持っているだけで、受け身の不安が減ります。英語面接は“想定外”で崩れやすいので、例外ケースの型があるのは助かります。

3) CD収録例文が「練習のループ」を作ってくれる

読んで分かったつもりでも、面接では口が回りません。例文を音で確認できると、シャドーイング→音読→自分の内容に置き換え、という練習ループを回しやすくなります。英語面接は“瞬発力”の勝負です。定型の型を音で身体に入れる価値は大きいと感じました。

練習のコツは、CDの例文をそのまま暗記するのではなく、構造だけを借りることです。たとえば「結論→理由→具体例→学び→次にどう活かすか」という順序は、題材が変わっても使えます。言いたい中身を英語に変換するのではなく、英語で伝わりやすい並べ方に“再設計する”。この発想が身につくと、面接以外の英語プレゼンにも波及します。

類書との比較

英語面接フレーズ集は、短期でそれっぽい回答を作れますが、質問が少しひねられると崩れます。本書は、面接の種類(個別/複数、就職/社内/MBA)や面接スタイル(直接的/行動基盤)を分けて考えるため、未知の質問にも対応しやすい。「なぜその質問が来るのか」「面接官は何を測っているのか」まで踏み込む点が差別化ポイントです。

こんな人におすすめ

  • 外資系・海外企業の面接を控えていて、準備の全体像が欲しい人
  • 社内で英語面接が発生し、評価される観点を把握したい人
  • MBA面接など、英語×面接の両方が必要な場面にいる人

英語学習の本というより、面接の勝ち方を英語で実装する本です。だからこそ、英語力だけを上げても結果が出ない人に刺さるはずです。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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