レビュー

概要

『マンガで攻略! はじめてのTOEICテスト 全パ-ト対策』は、TOEICを初めて受ける人や、勉強しているのにスコアが伸びない人に向けて、全パートの攻略法をまとめた対策本です。目標として「600点」を意識した作りで、各パートの問題形式、よくある落とし穴、時間配分の考え方を、マンガと解説で押さえていきます。

著者はTOEICを50回以上受験し、満点も取っていると紹介されています。経験の話で終わらず、「初学者がどこでつまずくか」を先回りして整理している点が本書の強みです。

本書の具体的な中身

目次はシンプルで、最初に「TOEICはどんなテスト?」を置き、そこから各パートへ進みます。

  • Part 1を攻略
  • Part 2を攻略
  • Part 3&4を攻略
  • Part 5を攻略
  • Part 6を攻略
  • Part 7を攻略

ListeningはPart 1・2・3・4、ReadingはPart 5・6・7ですが、本書はPart 3とPart 4をまとめて扱い、形式理解と解き方の型を作りやすくしています。全パート対策と銘打つ通り、「どのパートから始めるか」「どう回すか」を決めやすい構成です。

また、期間限定で音源をダウンロードできる案内があり、リスニング対策を“読むだけ”で終わらせない工夫が入っています。対策本は積読になると効果がゼロなので、音源が手軽に使える導線があるのは助かります。

パート別に見ると、Part 1は写真描写で「見えている情報を英語に結びつける」練習になり、Part 2は応答問題で「疑問文の型と返し方」を押さえることが中心になります。Part 3・4は会話と説明文で、設問先読みと情報の取り方が鍵になります。Reading側のPart 5は文法と語法、Part 6は文脈と文法の両方、Part 7は時間管理と情報検索の力が問われます。本書はこうした役割の違いを整理し、各パートの“勝ち方”を切り替えるための入口を作ってくれます。

読みどころ

1) パート別に「やること」が明確になる

TOEIC対策が続かない理由の1つは、何をすればいいかが曖昧なことです。本書はパートごとに攻略を分け、問題形式と打ち手をセットで提示します。学習計画に落としやすいです。

2) 初学者がハマるポイントを先に潰せる

TOEICは、英語力だけでなくテスト特性の理解が効きます。時間が足りない、選択肢の読み方がぶれる、設問の意図を取り違える。こうした失点パターンに対して、パート別に注意点を置いてくれるのが実戦的です。

3) マンガが「理解の摩擦」を下げる

試験対策は堅くなりがちで、最初の数ページで止まることがあります。マンガが挟まることで、読み進めるハードルが下がります。結果として、必要な基礎事項を最後まで通しで押さえられます。

使い方(学習計画に落とす)

本書は、模試を大量に回す前の“地ならし”として使うと効果が出ます。最初に全パートをざっと通して、苦手のパートを2つに絞る。次に該当章を読み直し、音源が必要なところは実際に耳で確認する。そのうえで演習量を増やすと、努力が空回りしにくくなります。

600点を狙う段階では、難問を追いかけるよりも、時間切れや取りこぼしを減らすことが効きます。パートごとの解き方を固定し、迷う回数を減らす。本書はそのための型を作るのに向いています。

類書との比較

TOEIC対策本には、単語帳や文法特化、模試中心など、用途が分かれます。本書は全パートの“入口”を作るタイプで、まず全体像と勝ち筋を掴むのに向きます。いきなり難問集へ行く前に、各パートの型を作りたい人に合います。

こんな人におすすめ

  • TOEICを初めて受ける、または久しぶりに受ける人
  • 全パートをどう対策すればいいか分からない人
  • 勉強しているのに、スコアが伸び悩んでいる人
  • リスニングも含めて、まず1冊で全体像を掴みたい人

感想

この本を読んで良かったのは、TOEIC対策を「努力量」ではなく「設計」で語っている点です。問題形式に合わせて考え方を切り替え、時間配分を前提に解き方の型を作る。これができると、学習の手応えが変わります。

600点を狙う段階では、細かい知識の積み上げ以上に、失点の仕方を減らすことが効きます。本書はそのための道具がそろっていて、全パートを一度通して整理したいタイミングで頼りになる一冊でした。

英語学習は長期戦ですが、TOEICは短期でも改善しやすい側面があります。形式に慣れ、迷いを減らし、得点しやすいパートから積み上げる。本書はその「最初の設計図」になってくれるので、勉強のスタート地点で読む価値が高いと感じました。

最初の受験前に一度通しておくと、本番での焦りも減ります。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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