レビュー
概要
『10倍売れるWebコピーライティング』は、ランディングページ(LP)を「勢いで書く文章」から「組み立てのあるセールスレター」へ変えるための実践書です。タイトル通りWebが題材ですが、扱っているのは“コピーライティングの型”。誰に何をどう伝え、どう行動してもらうかを、パーツと順番で分解して教えてくれます。
本書のキーワードは「材料集め(リサーチ)」と「組み立てのルール」。10個の要素を組み合わせることで自然と売れるセールスレターが完成する、という前提で進みます。書けない理由は「才能がない」ではなく、「材料と順番が足りていない」だったと気づきやすいです。
読みどころ
1) 4つのパーツで“セールスレター”を分解する(第1章)
第1章は、コピーライティングに必要不可欠な4つの要素として、
- キャッチコピー
- ボディコピー
- クロージングコピー
- 追伸コピー を整理し、それぞれの機能と役割を明確にしていきます。
LPを作るとき、ついキャッチだけ頑張って、本文は気合いで埋めて、最後は「今すぐ購入」みたいな一文で締めてしまいがち。でも本書は、パーツごとに目的が違うから、書き方(材料)も違う、と切り分けます。これだけで「文章が散らかる」問題の原因が見えます。
2) リサーチを“章立て”にしているのが強い(第2章)
第2章はリサーチ編。キャッチ、ボディ、クロージングそれぞれに必要な情報を集める手順が分かれています。つまり「何を調べたらいいか」が具体的になります。
レビュー欄では、材料集めに力を入れるべき項目として、結果・実証・信頼・安心・簡便性・希少性・特典・保証といった要素が挙げられていました。セールスは“言い回し”の勝負に見えて、実は「相手の不安を消す材料」「行動する理由の材料」をどれだけ揃えられるかが勝負、ということが腹落ちします。
3) ひな形→当てはめ→全体チェックの流れで、最後まで到達できる(第3章)
第3章は実践編で、キャッチコピーのひな形作成から始まり、各パートの当てはめと見出し作成、追伸の作成、キャッチの完成、全体チェックへと進みます。
ここがありがたいのは、「途中で迷子にならない」こと。コピーの勉強はアイデアの断片だけ増えて、書き始めると手が止まる、が起きやすい。でも本書は、作業を工程として並べてくれるので、迷ったら工程表に戻ればいい。
「Webコピー」より広い応用範囲がある
タイトルはWebコピーですが、扱うのは“人に行動してもらう文章”の構造なので、応用は広いです。商品販売だけでなく、セミナー募集、採用ページ、社内提案書の説得、SNSのプロフィール設計など、目的が「行動」なら型が効きます。
そして、10個の要素という考え方は、文章が上手い下手より「必要な情報が揃っているか」をチェックする物差しになります。自分の文章を感覚で直すのではなく、要素の穴を埋める形で改善できるのが実務向きです。
「10個の要素」を“チェックリスト”として運用できる
本書の良さは、コピーを芸術にしないところです。文章をうまくする以前に、情報を揃える。相手が行動する理由を、材料として揃える。レビュー欄で挙げられていた言葉で言えば、結果(何が得られるか)、実証(根拠)、信頼(誰が言うのか)、安心(不安の解消)、簡便性(できそう感)、希少性(今動く理由)、特典、保証などの要素が、文章の“中身”になります。
この発想にすると、リライトが感情の作業から工程の作業に変わります。たとえば信頼の材料が弱いときは、補強する情報を追加する。保証の情報が足りないときは、追記する。迷ったときは、戻れる物差しがあると心強いです。
つまずきポイントと処方箋がセットになっている
コピーライティングでよくある失敗は、キャッチコピーから気合いで書き始めて、途中で材料が尽きること。本書は第2章でリサーチを先に置き、材料を集めてから第3章で当てはめる流れにしているので、この失敗を構造的に防ぎます。
また、最後に「全体チェック」があるのも地味に効きます。パーツを作って満足していると、全体として矛盾が出たり、読み手の感情が置き去りになったりする。完成度は“つなぎ目”で落ちるので、工程にチェックを組み込む考え方が役立ちます。
こんな人におすすめ
- LPやセールス文章を作るたびに、構成で迷って手が止まる人
- キャッチは書けるのに、本文が薄くなってしまう人
- “売れる文章”を気合いではなく工程で再現したい人
- リサーチの範囲が分からず、結局自己流で書いてしまう人
感想
この本を読んで一番刺さったのは、「文章の勝負は、材料の勝負」という言い切りに近い感覚でした。うまい言葉を探す前に、相手が動けない理由(不安、疑い、面倒、損失の恐れ)を材料として潰していく。その材料を、キャッチ・ボディ・クロージング・追伸のどこに置くのかを決める。これが“組み立て”なんだと思います。
コピーライティングに苦手意識がある人ほど、センスの問題にしてしまいがちです。でも本書は、セールスレターをパーツと工程に落とすので、改善のやり方が見える。まずは自分の商品のLPを、この本の工程に沿って「材料不足」を洗い出すところから始めると、実感が出やすいはずです。