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レビュー

概要

葛藤を抱える夫婦の援助に長年携わってきた著者が、二人の関係をよりよくするための「ものの見方」と「気持ちの伝え方」を、アサーションの視点からまとめた本です。

ポイントは、相手を言い負かすためでも、我慢し続けるためでもなく、自分もパートナーも大切にする自己表現を身につけること。構成も分かりやすく、第1部で関係を理解し、第2部で「心の中のアサーション」を整え、第3部で具体的な伝え方(DESC法など)を練習していく流れになっています。

発売は2015年8月で、全207ページ。分量としては読みやすいのに、関係の理解からスキルまで一通りカバーしてくれるのがありがたいです。

読みどころ

  • 第1部→第2部→第3部と、理解(関係)→土台(心)→実践(会話)で段階を踏めるところ
  • 第1部で「二人の関係を育てるもの・妨げるもの」や、「自分と相手の違い」など、対話以前に整理したい論点が並ぶところ
  • 第2部で「アサーションについて知る」「自己信頼を高めアサーション権を確信する」「ものの見方・考え方とアサーション」と、内側の整え方が扱われるところ
  • 第3部で「アサーティブな伝え方」「アサーティブに聴く」「DESC法を使って話し合う」と、具体的なスキルに落ちるところ

類書との比較

夫婦・カップルのコミュニケーション本は、すぐに使えるフレーズ集に寄るものもありますが、本書は「関係を理解する」パートが最初にあるのが特徴です。

言い方を変える前に、「二人の関係を育てるもの・妨げるもの」や「自分と相手の違い」を整理してから、アサーションの土台(自己信頼)→具体スキル(DESC法)へ進むので、対話の“根っこ”から整えたい人に向いています。

本の具体的な内容(目次ベース)

目次は次の3部構成です。

第1部 夫婦・カップルの関係について理解する

「夫婦関係を理解する」「二人の関係を育てるもの・妨げるもの」「夫婦・カップルを悩ませる自分と相手の違い」など、関係そのものを見つめ直す章が並びます。

ここを飛ばしてテクニックだけ入れると、「言い方は丁寧なのに、なぜか噛み合わない」が起きがちです。第1部は、二人がどこでつまずきやすいかを整理して、対話の前提をそろえるパートだと思いました。

第2部 心の中のアサーション

「アサーションについて知る」「自己信頼を高めアサーション権を確信する」「ものの見方・考え方とアサーション」など、言葉にする前の“内側”を整えるパートです。

「自己信頼」と「アサーション権」という言葉が明示されているのが、個人的には大事だと感じました。自分の気持ちを伝えるのって、スキル以前に「言っていい」と思えていないと難しいんですよね。第2部は、その許可を自分に出すための考え方を作る章として読めます。

第3部 アサーティブな自己表現を身につける

「アサーティブな伝え方」「パートナーの話をアサーティブに聴く」「DESC法を使ってアサーティブに話し合う」など、実際の会話で使う技術に進みます。

伝え方だけでなく「聴き方」が含まれているのもポイントです。言い合いが続くときって、実は“伝える”以前に、相手の話をどう受け止めるかで詰まっていることも多いので。DESC法も、感情に飲まれそうな場面で「順番」を借りられるのが強みだと思います。

最初に試したい3つ(迷ったとき用)

読む前から完璧な会話を目指すと苦しくなるので、迷ったら次の3つだけ先にやってみるのがおすすめです。

  1. 「育てるもの/妨げるもの」を言語化する:第1部の視点で、今の関係の状態を整理する
  2. 自分の「アサーション権」を確認する:第2部の章題の通り、「言っていい」を取り戻す
  3. DESC法を1回だけ使ってみる:第3部の枠組みで、話し合いを“順番”に乗せる

こんな人におすすめ

  • 日常の摩擦が増えて、「言うか我慢するか」の二択になっている人
  • 相手を責めずに、自分の気持ちを伝える練習をしたい人
  • 夫婦・カップル関係を、土台(関係理解)から整え直したい人

※暴力的な関係や危機的な状況では、この本の内容だけで抱え込まず、支援機関や専門家のサポートも前提にするのが安心です。

感想

夫婦関係の本って、読むと「正しいこと」が分かる一方で、現実の会話では感情が先に出てしまって、結局うまくいかない…となりがちなんですよね。

この本は、まず第1部で関係を理解し、第2部で自己信頼を整えてから、第3部の具体スキルに進むので、「言い方だけ変えても空回りする」状態を避けやすいと感じました。DESC法のように枠組みがあると、言い合いの勢いに飲まれそうなときでも、一度立ち止まって言葉を選べるのが良いところです。

読み終わったら、いきなり大きな話し合いをするより、まずは第3部の「聴き方」や「伝え方」を小さな日常の会話で試すのがおすすめです。小さな成功体験があると、関係を整えるモチベーションが戻ってきます。

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    佐々木 健太

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