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レビュー

概要

『ENGLISH JOURNAL』別冊「The Voice of EJ」から、2016年~2019年に掲載されたハリウッドスターのインタビュー9本を厳選したリスニング教材。ひとつのインタビューにつき英文トランスクリプト、和訳、語注に加えて、語彙レベルや発話スピード、発音の特徴を解説するコーナーが付いており、単に聞くのではなく「耳の準備」を整える設計になっている。別添の音声(MP3)も無料でダウンロードでき、ナチュラルスピードの発話を画面の文字と同期させながら聴き取る練習ができる。

読みどころ

・巻頭には初級・中級・上級の3つのモデルプランがあり、それぞれに目標設定と練習の組み立て例が用意されている。たとえば中級プランでは「ワーストカップ賞受賞スピーチを使って語彙をひろげる」「好きな俳優の回答を音読して表現のニュアンスを捕まえる」など具体的な使い方が提案されており、学習の期間や時間を固定しているため飽きずに続けやすい。 ・インタビューの音声は、レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ブランシェット、ネイティブ英語の長いリードを取る俳優陣が登場。本文には「音節のつながり」「リンク音」「弱形」など細かい発音の特徴を取り上げ、小川直樹氏のコメントで「jaw の開き方」「中間音節のリダクション」などプロの耳による再現性が補強されている。 ・最後に理解度チェックがあり、各インタビューごとに本の内容を問う10問を収録。設問は「なぜ彼がその英語表現を選んだのか」「その場面で使った言い回しの機能」などパラグラフの構造や文脈を問い、文章だけでなく音としての意味づけも鍛える。単なるディクテーションを超えて「なぜこの表現を話者が選んだのか」に目を向けさせる作りが印象的だ。

類書との比較

過去シリーズの『ハリウッドスターの英語4 英国俳優編』がイギリス英語に焦点を当てていたのに対し、本書はより現代的でグローバルなハリウッドスターの声を集め、音声ダウンロードをモバイルで手軽に扱えるように再構成したアップデート版。一般的なリスニング教材『TOEIC L&R完全予想模試』や『英語がどんどん聞き取れる!』が出題形式の攻略に走る一方、こちらはインタビューの背景(映画祭、受賞コメント、作品への思い)を丁寧に説明し、文化的コンテクストを押さえることで「なぜこの表現が生まれたか」を自然な形で理解させる。

こんな人におすすめ

目先のスコアより「生きた英語の音」をものにしたい中級以上の学習者。俳優の語り口を味わいつつ、文脈ごとの語彙の使い分けを身につけたい人にも合う。カジュアルな会話ではなく、受賞スピーチや映画の裏話を聴きたい人にとって、スターの自信を感じる発話を追体験できる点が魅力的。一方、文法の基礎が固まっていない初心者には難易度が高く、スクリプトと音声を併用する補助を前提にする必要がある。

感想

音声を繰り返し聞きながら英文を追うと、俳優の呼吸やリズムの違いがだんだんと分かってくる。例えば、受賞に関する質問でディカプリオが細かく感情を吐露するときの“belt out”の使い方、面接でレディー・ガガが“brand new chapter”と話す姿勢、ケイト・ブランシェットが“this is a team story”と強調するところに、同じ語彙でもトーンの違いが出る。その違いを語注と語彙解説が支えてくれるので、単なる聞き流しでは得られない音声の意味づけができる。映画の話題をきっかけに明日からのシャドーイングにも踏み出せる、しっかりしたリスニング教材である。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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