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レビュー

40代からの筋トレは「大きい筋肉」より「使える筋肉」を作るほうが効く

『40歳から始める一生衰えない筋肉のつくり方』は、運動不足や加齢で身体の衰えを実感し始めた40〜50代へ向けた筋力トレーニング本です。内容紹介では、見せかけの「使えない筋肉」ではなく、日常動作やスポーツで高いパフォーマンスを発揮できる「使える筋肉」をつけることが大事だと述べられています。

ここが、この手の筋トレ本の中でも現実的なところです。40代以降は、ただ筋肉を大きくするより、立つ・歩く・走る・打つ・投げるといった動作がスムーズになるほうが生活の質に直結します。見た目の変化より「衰えない肉体」を作る目的へ寄っているのが本書の特徴だと思います。

キーワードは「動作トレーニング(動トレ)」=動きの質を上げる

本書が紹介する最新のトレーニング法として「動作トレーニング(動作トレ/動トレ)」が挙げられています。内容紹介では、日常動作の改善や身体能力を高めるためのメソッドとして、動きの質を鍛えることを前に出しています。

筋トレの入門では、回数や重量へ意識が向きがちです。でも、動きが雑なまま負荷を上げると、痛みや違和感が出やすい。40代からの運動でいちばん怖いのは、頑張った結果としてのケガです。本書が「動き」へ注目するのは、ケガを避けながら長く続けるための考え方でもあります。

また、60代・70代・80代になっても若々しく動ける肉体を作ると紹介されています。短期で追い込むというより、長期で衰えにくい体を作る。ここも40代以降の目的に合っています。

チェックテスト→理論→実践メニューの順番が分かりやすい

内容紹介では、プロローグに「あなたの筋肉、本当に衰えていませんか?」というチェックテストがあり、自分の身体の現状を実感できる作りだとされています。ここは継続の鍵です。現状が分かると、やる理由がはっきりします。

そのうえで、1章で「使える筋肉」を作るポイントを整理し、2章で動トレの理論、3章で実践メニューへ進む。つまり、焦ってメニューへ飛ばず、順番に理解しながら動ける構成です。運動が続かない人ほど、この順番が効きます。

類書比較:ボディメイク本より、動作改善の色が濃い

筋トレ本には、見た目を変えるボディメイク寄りの本が多いです。もちろんそれも大事ですが、生活の中での困りごと(階段がつらい、腰が重い、疲れが抜けない)に直接効くのは、動作の質が上がることだったりします。

本書は、立つ・歩く・走る・打つ・投げるなどの動作を取り上げると紹介されており、筋肉を“動かすため”の説明が中心になりそうです。だから、ジム初心者だけでなく、昔は運動していたけれど今は動けなくなってきた人、ゴルフやテニスなどの趣味を長く続けたい人にも合うと思います。

また、同じ「動き」を重視する類書としては、姿勢改善や体幹の入門書もありますが、そうした本は筋力トレーニングと結びつかないこともあります。本書は筋トレ本の文脈で動作改善を扱うので、動きと筋力をセットで捉えやすいのが強みです。

続けるコツ:鍛える前に「動作を観察する」時間を入れる

40代から筋トレを始めるとき、最初にやるべきなのは負荷を上げることではありません。自分がどう立ち、どう歩き、どう体を使っているかを観察することです。本書のチェックテストや動トレの理論は、その観察の視点をくれるはずです。

筋肉は、増やすより先に“目覚めさせる”必要がある。動きが変わると、日常の疲れ方も変わる。本書は、その変化を長期で積み上げたい40代以降の人にとって、頼れる教科書になる一冊だと思います。

類書比較の補足:筋肥大の本ではなく「衰えない体」の本として読む

筋トレ本を探していると、どうしても「〇週間で腹を割る」「見た目を変える」といったタイトルが目に入ります。もちろんそれもモチベーションになりますが、40代以降で多い悩みは、腰や膝の不安、疲れやすさ、姿勢の崩れなどです。ここに効くのは、筋肉を大きくすることより、動作の質を上げることだったりします。

本書が提示する「使える筋肉」と「動トレ」というキーワードは、まさにその方向です。ボディメイクの類書が「どの部位を鍛えるか」を中心に組むのに対し、本書は「どう動けるようになるか」を中心に組む。ここが使い分けのポイントです。

また、体幹トレーニングやストレッチ本と比べても、本書は筋力トレーニングの枠組みの中で動作改善を扱うので、成果が筋力として残りやすいはずです。柔軟性だけを上げても、支える筋力が弱いと動作は安定しません。逆に筋力だけ上げても、動きが悪いとケガにつながります。本書はその間を埋める一冊として読むと、価値が分かりやすいと思います。

40代以降の運動は、勝負どころが「続けられるか」にあります。短期で追い込むより、習慣として回る形を作るほうが結局強い。本書はチェックテストから入って、理論と実践へ進む構成なので、無理なく続けるための道筋を作りやすいと思います。

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