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レビュー

概要

自己肯定感を高める4つのリソース(キレない力・立ち直る力・プラス脳・共感力)を育てるための子育てガイド。コミュニケーションを通じて神経回路を調整する具体的なセッションを多く収録し、親がそのときの気持ちを言葉にする手順も明示している。神経科学的な根拠を踏まえながら、親が日常の会話や関係づくりの中でそのリソースを機能させるためのフレームを提示する。各章には「脳が一時的に不安定になるタイミング」や「怒りが爆発する前に仕込む一言」の具体例があり、子どもの反応と親の言葉を対照するチャートで「感情の循環」を一目で理解できる。

読みどころ

  • 第1章では、自己肯定感を支える4つのリソースが各々どのような神経回路に対応するかを図にし、親がそのリソースにアプローチするために必要な問いかけを提示している。例:キレない力を支える問いは「今あなたの中で何が起きている?」。
  • 第2章では、失敗や落ち込みの局面をプラス脳に変える言語化トレーニングを紹介し、どういう言葉をかけると脳のポジティブな神経伝達物質が活性化するかを、ケーススタディ付きで示す。
  • 第5章では、共感力を育むための「鏡写し」ワークを取り上げ、表情と呼吸を真似ることで子どもの感情を共有する訓練を親子の対話に落とし込んでいる。
  • 第6章の「リソースマップ」では、4つの資源をマトリクスに落とし込んで、日常の出来事をどの資源に紐づけるかをグリッドに記録することで、自己肯定感のバランスを可視化する練習を提供している。
  • 章末には「自分がどのリソースを育てたいか」リストと、それに合わせた行動例を記録するスペースがあり、親自身も自分の自己肯定感を育てることを同時に意識させる作りになっている。

類書との比較

『子どもの脳を伸ばす「しつけ」』が反抗期の瞬間を扱って行動の選択肢を提示するのに対し、本書はもっと長期的に脳の4つの資源を育成することに焦点を当てる。前者が「怒る前に何をするか」で短期的な状況を立て直すのに対し、こちらはその積み重ねがどのように自己肯定感という長い軸につながるかを説明する。両者を併用すれば、即時対応と長期構築の両方を手にすることができる。

こんな人におすすめ

日常的に子どもの自己肯定感の揺れが気になる人、失敗に対して慎重になりすぎる子に対して回復力を育てたい人、共感力を育む関係を時間をかけて構築したい人。

感想

4つのリソースのうち一つが足りないとどれだけ不安定になるかを読んでいる最中に理解し、つい優位なリソースばかりに注目していた自分に気づかされた。日々の中で何を「プラス脳の言葉」で置き換えるかを試しながら、子どもの間違いを叱るのではなく助力する視点になる。章末の「行動例リスト」に記入した言葉を週末に読み返すと、母とうしろの感情を自分の言葉としてまとめられるようになった。親子の呼吸を合わせる共感ワークを試すと、子どもが怒る前に深呼吸し、静かに対話に戻ることが増えた。*** End Patch 親がイライラした瞬間に「キレない力」のワークを思い出して、深呼吸とともに一言だけ感謝を口にする実験をしている。子どももその変化に気づいて笑顔が増え、怒る前の空気を新しい言葉で置き換える余地が生まれた。 週末のリソースマップを見直すと、立ち直る力の天敵は過度な完璧主義だったことがわかり、逆に失敗を共有する時間を取ると子どもの笑顔が増える。自己肯定感は一夜にして定まるものではないが、小さな言葉の修正で確かに培われていくことが手の感覚として残った。 特に共感力を育てる鏡写しワークは、親が子どもの声をそのまま反復することで、子どもが自己を語る枠を得た。自己肯定感を育てるとは、一緒に感情を言語化する習慣を作り続けることなのだと理解できた。 そのためには親も自分のリソースマップを描き、キレない力が乏しいと感じる場合は夕方の休息を優先するなど、自分の自己肯定感を守る工夫が要る。親子で力を交換し合うような視点がこの本にはあった。 この4つのリソースという枠組みを毎日確認していると、あらゆる状況でどれを育てるかの選択肢が自然と生まれ、子どもの年齢に応じた調整もできるようになった。書かれているものを試すたびに、子どもが自己肯定感を感じる瞬間が増え、怒りの代わりに『今は大丈夫』という雰囲気が漂うようになった。 書き込んだ行動例を数週間後に見直すと、小さな変化が大きな信頼につながっていたのがわかり、継続する意味も理解できた。

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    佐々木 健太

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