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レビュー

概要

『なぜか美人に見える人は髪が違う 髪が変わると顔も変わる。』は、スキンケアやメイクを頑張っているのに、なぜか垢抜けない。その違和感の原因を「髪」に置き直す美容本です。大和書房の紹介でも、「特別美人じゃなくても垢抜けてる、綺麗に見える…そんな人達の共通点は髪だった」とかなりはっきり打ち出されています。

この本の良さは、美容を全部やり直せと言わないことです。肌もメイクも大事だけれど、顔まわりの印象を支配しているのは髪かもしれない。そう言われると、確かに納得してしまう人は多いはずです。美容本の中でも、かなり入口が実用的です。

著者は津村佳奈。ヘアの現場を知る人だからこそ、単に「髪を整えましょう」で終わらず、なぜ髪が見た目全体を左右するのか、その理由と改善の方向を言葉にできています。メイク本とヘア本の間をつないでくれる一冊です。

読みどころ

1. 垢抜けの正体を、顔ではなく髪から考える

美容の悩みというと、つい肌やコスメへ意識が向きます。でも本書は、印象の差が髪に出ることを先に示します。ここがかなり鋭いです。

髪のツヤ、まとまり、ボリューム、シルエット、顔まわりの見え方。こうした要素が整うだけで、メイクを足さなくても「きれいに見える」が起きる。この考え方は、美容迷子になっている人ほど救われると思いました。

2. メイク本では埋まらない違和感に効く

メイクを学んでも、なんとなく決まらない。高いスキンケアを使っても、全体の印象がぱっとしない。そういう時期に、この本の視点はかなり使えます。

顔だけを直そうとすると、情報が増えるわりに変化が小さいことがあります。本書は、「髪が変わると顔も変わる」という副題どおり、全体印象のハブとして髪を見る。だから、やることを増やすより、見る場所をずらしてくれる本として役立ちます。

3. “特別な美人”ではなく“なんかきれい”を目指せる

タイトルの上手さでもありますが、本書は圧倒的美人になる話ではありません。なんとなく感じのいい人、清潔感がある人、垢抜けて見える人、その差を解きほぐす方向にあります。

この距離感がいいです。美容本によくある強い自己変身のテンションではなく、今の自分を少し整えて見せる発想なので、20代後半以降の現実的な美容とかなり相性がいいです。

本の具体的な内容

本書の核にあるのは、「印象を変えるボトルネックは髪にある」という考え方です。出版社紹介でも、神崎恵を売れっ子にしたヘアの秘密を公開すると打ち出されていて、単なる髪の手入れ本ではなく、“人がきれいに見える理由”をヘアから解説する本として作られていることが分かります。

美容本として見たとき、本書が面白いのは、顔そのものを責めないことです。骨格やパーツより先に、髪の印象が全体を左右しているなら、手を入れる順番は変わります。スキンケアやメイクで迷っていた人ほど、この順番の見直しが効くはずです。

また、髪の本といっても専門的なサロン技術の話に閉じるのではなく、日常の見え方へ翻訳されているのが良いところです。自分で毎日扱う髪だからこそ、再現性がないと意味がありません。本書は「美容院で一回きれい」より、「日常でずっと感じがいい」に近い発想で読めます。

メイクやスキンケアに比べて、髪の情報は自己流のまま固まりがちです。本書は、その惰性をほぐしてくれる本でもあります。あれこれ足す本ではなく、印象の軸を見直す本としてかなり優秀です。

類書との比較

美容本には、成分系のスキンケア本、メイク手順本、体の内側から整える食事本などがあります。本書はそのどれでもなく、「髪が印象を支配する」という一点で勝負しています。テーマが絞られているぶん、読後に何を見直せばいいかがはっきりします。

また、ヘアケア本の中でも、ダメージ補修や育毛より「見え方」に寄っているのが特徴です。髪の健康だけでなく、垢抜けや清潔感まで含めて考えたい人には、かなり相性がいいと思います。

こんな人におすすめ

  • スキンケアやメイクを頑張っても垢抜けない人
  • 髪型迷子で、美容院のオーダーが苦手な人
  • 印象改善をしたいが、何から変えればいいか分からない人
  • 盛る美容より、感じよく見える美容がしたい人

逆に、ヘアカラーやパーマの専門技術を深く学びたい人には少しライトかもしれません。本書の価値は、あくまで印象の整理にあります。

感想

この本を読んでいちばん腑に落ちたのは、「なんとなくきれい」の正体を、ようやく言葉にしてもらえた感覚でした。美容って、足りないものを増やす方向へ行きがちですが、本書はそうではなく、印象の軸を見つける方向へ導いてくれます。

髪に意識を向けるだけで、メイクの悩みまで少し軽くなる人は多いはずです。実際、顔だけを調整してもしっくりこなかった理由が、髪の見え方で説明できるとかなり楽になります。

盛りすぎず、でも確実に見え方を変えたい人にとって、本書はかなり使いやすい美容本でした。20代後半から30代の「自己流美容を一回整えたい」時期に、かなり頼れる一冊だと思います。

本の虫達

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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