『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』レビュー
出版社: ダイヤモンド社
¥1,980 ¥2,200(10%OFF)
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『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』は、ドラッカーの大著『マネジメント――課題、責任、実践』の重要部分を抜粋し、初心者向けの一冊としてまとめた本格的入門書だと紹介されています。
ここでの「初心者」は、新卒だけを指しません。組織で働き、誰かと協働し、成果を出す必要がある人は全員、マネジメントと無縁ではいられません。本書は、マネジメントの仕事とは実践であり、成果を出すことである、と明確に規定します。この定義があるだけで、日々の仕事の優先順位が変わります。
著者コメントでは、日本は企業も政府機関も、構造・機能・戦略が転換期にある、と述べられています。転換期に重要なのは、変わらざるもの、つまり基本と原則を確認することだ、と。
この言葉は、今でも刺さります。仕事はツールや制度が変わり、流行の言葉も次々と生まれます。でも、成果を出すには何をすべきか。組織の目的は何か。人は何によって動くのか。こうした問いは、結局いつも戻ってきます。本書は、その「戻り先」を作ってくれるタイプの本です。
ドラッカーの議論の強さは、マネジメントを役職ではなく機能として扱うところにあります。著者コメントでは、先進社会のすべてにとってマネジメントが欠くことのできない決定的機関になった、と述べられます。さらに、社会と経済の健全さはマネジメントの健全さに左右される、という視点まで出てきます。
この広さがあるからこそ、読む側は「自分には関係ない」と逃げにくい。チームの進捗を整える。関係者に目的を共有する。時間と資源を配分する。成果を測り、改善する。これらは肩書きに関係なく、日々の現場で必要な機能です。
マネジメントの悩みは、状況によって変わります。人が動かない、会議が長い、忙しいのに進まない、判断が遅い。けれど根っこには「目的」「優先順位」「資源」「成果」の問題があります。
本書は、マネジメントを成果のための実践として定義するので、思考の軸がぶれにくいです。やることが増えたときほど、「それは成果に繋がるか」「組織の使命と一致しているか」を問い直せる。こういう問いが頭の中に常設されるのが、ドラッカーの強さだと思います。
ドラッカーは、読むとすぐに答えをくれるというより、仕事の見方を変えます。だから、最初の読み方は「正解は何か」を探すより、「自分の現場に当てはまる問い」を拾うのが合います。
本書は、使命と役割、取り組むべき仕事、戦略まで扱うと紹介されています。だからこそ、問いの射程を短期のToDoに閉じず、広く保てます。
読んで終わりにせず、次の1つだけでもやると、本書は急に実務に繋がります。
派手な改善より、基本を整えること。著者コメントが言う「基本と原則を確認する」は、こういう小さな動きに落とすと効きます。
内容紹介では、マネジメントが果たすべき使命と役割、取り組むべき仕事、さらに中長期的に考えるべき戦略について、具体的に解説する、とされています。
ここが「エッセンシャル版」の良さだと思います。ドラッカーは深く広いので、最初に分厚い本へ挑むと挫折しやすい。本書は、まず必要な骨格を掴むための入口になります。そして骨格を掴んだあと、現場の課題に合わせて他の著作へ広げることもできます。
『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』は、マネジメントを「実践」であり「成果」であると定義し、使命・役割・取り組むべき仕事・戦略といった基本を、初心者向けに一冊で押さえられる入門書です。転換期に必要なのは変わらない原則だ、という著者の視点が通底しており、組織で働く人に目的意識と勇気を与える書だと紹介されています。マネジメントを肩書きではなく機能として学び直したい人に向いた一冊です。