レビュー
概要
『脳疲労が消える 最高の休息法』は、マインドフルネスや瞑想を、知識として理解するだけでなく実際に体験しやすくしたCDブックです。著者は『世界のエリートがやっている 最高の休息法』でも知られる久賀谷亮。頭が休まらない、寝ても疲れが抜けない、気づくとスマホや仕事のことを考え続けてしまう人に向けて、音声ガイドつきで休息法を導いてくれます。
通常版の『最高の休息法』が理論と実践の両方を扱う本だとすると、本書はより「すぐ試せる」側へ振っています。瞑想や呼吸法は分かっていても続かない人が多いですが、音声ガイドがあることで、最初の面倒さがかなり減ります。休む技術を知るだけでなく、身体で覚えるための本だと感じました。
読みどころ
読みどころの1つ目は、休息を「何もしないこと」とは違う技術として説明している点です。本書では、脳が疲れる仕組みと、マインドフルネスがなぜ効くのかを簡潔に押さえたうえで、実践へつなげます。知識だけだとふわっとしがちな領域を、少し現実的にしてくれます。
2つ目は、音声ガイドつきで始めやすいことです。瞑想本を読んでも、実践は長続きしないことが少なくありません。そこで本書なら、音声を流してそのまま従う形で始められます。呼吸、身体感覚、注意の向け方を段階的に誘導してくれるので、初心者でも入りやすいです。
3つ目は、長時間の座禅のような特殊な修行へ寄せないことです。仕事の合間、帰宅後、寝る前など、日常の疲れが出やすいタイミングでどう休むかに寄っています。だから、忙しい人でも「これならやれそう」と思いやすいです。
また、脳疲労を「気合い不足」ではなく、刺激過多の問題として見直せるのも良いところです。情報量が多い時代ほど、休むことを後回しにしがちですが、本書は意識的に脳を休ませる必要を納得させてくれます。仕事術の本として読んでも価値があります。
休息というと睡眠時間の確保ばかりに意識が向きますが、本書は起きている時間のなかでどう脳を休ませるかにも焦点を当てます。数分単位でできる実践を持てるだけでも、疲れの扱い方はかなり変わります。仕事や育児でまとまった休みを取りにくい人ほど相性がいいです。
頭の中で考え事が止まらない人にとって、ただ「休めばいい」と言われても役に立ちません。本書は注意をどこへ向けるか、身体感覚をどう使うかまでガイドしてくれるので、休息の手順が見えます。そこが、一般的なリラックス本との大きな違いでした。
類書との比較
『世界のエリートがやっている 最高の休息法』が理論込みで学ぶ本だとすると、本書はその実践版に近いです。読んで理解するより、流して体験する方へ寄っています。
一方で、マインドフルネスの専門書ほど思想や背景を深掘りするわけではありません。そのぶん、まず試してみたい人にはこちらの方が入りやすいです。
「理屈は理解したけれど、ひとりでは続かない」という人にとって、音声の誘導そのものが大きな支えになります。実践へ移すハードルを下げてくれる点で、読む本というより使う本に近いです。
こんな人におすすめ
デスクワークで脳が休まらない人、夜になっても頭の中が仕事でいっぱいの人におすすめです。特に、瞑想に興味はあるけれど、自分一人では続かなかった人に向いています。
また、休み方が下手だと感じる人にも合います。何となく動画を見る休息ではなく、意識的に回復する感覚をつかみたい人向けです。
感想
この本を読んでよかったのは、休息を「時間ができたらやるもの」から「先に確保すべきもの」へ見直せたことです。疲れているのに休めない人ほど、休み方にも型が必要だと分かります。
理屈を読んで終わるより、まず体験してみたい人にはかなり向いています。脳疲労や情報疲れを抱える現代人向けの、実践しやすい休息本でした。
休むことに罪悪感がある人ほど、一度こういう本で「回復にも技術がある」と知った方がいいと感じました。気合いで押し切る働き方から抜けたい人にとって、かなり現実的な入口になる一冊です。
忙しい人ほど、疲れ切ってから長く休むのではなく、疲れが深くなる前に短く整える発想が必要です。その練習台として、本書の音声つき構成はかなり親切です。休息を後回しにしがちな人にこそ合う本だと思いました。
一度でも「うまく休めた感覚」を持てると、その後のセルフケアはかなり続けやすくなります。本書はその最初の成功体験を作りやすい本でした。