『脳が認める勉強法-学習の科学が明かす驚きの真実!』レビュー
出版社: ダイヤモンド社
出版社: ダイヤモンド社
勉強法は情報が多すぎて、結局は「自分に合う方法」を探して迷子になりがちです。しかも、頑張っているのに伸びないと、努力不足だと感じて落ち込みます。
『脳が認める勉強法』は、そういう気分をいったん横に置いて、「脳はどう学ぶか」を学習の科学から整理する本です。紹介文では、ちまたの勉強常識は間違いだらけかもしれない、という問題提起がされています。
紹介文の「主な目次」からでも、扱う内容がかなり見えます。
まずPart1は「脳はいかに学ぶか」。第1章は「学習マシンとしての脳」、第2章は「なぜ脳は忘れるのか」で、忘却の力が記憶システムに関わる、とされています。ここが入口にあるのが良いです。忘れるのはダメなこと、という前提が崩れると、勉強の組み立て方が変わります。
Part2は「記憶力を高める」。
ここは、すぐに実践に変換できます。場所を変える。時間を分ける。自分で自分をテストする。努力量そのものを増やすより、配置を変える提案です。
Part3は「解決力を高める」。
暗記だけでなく、ひらめきや創造性まで射程に入っています。勉強が「覚える」だけに偏る人ほど、ここが効きそうです。
Part4は「無意識を活用する」。
最後に睡眠が出てくるのも象徴的です。勉強時間を削って詰め込むほど逆効果になる、という警告として受け取れます。
本書の良さは、目次に「やること」が書いてある点です。読む側は、タイトルを自分の行動に翻訳しやすいです。
例えば「勉強時間を分散する」なら、長時間の一気勉強をやめて、短い学習を複数回に分ける。日ごとにテーマを変えるのではなく、同じテーマに何度か戻る。これだけでも、詰め込みの苦しさは減ります。
「無知を味方にする」や「自分で自分をテストすること」は、インプット中心の勉強を変える合図です。読んで分かった気になるのではなく、説明できるかどうかで確認する。問題を解く。思い出す。自分に問いを投げる。そういうアウトプットを、勉強の中心に置くイメージです。
「反復学習の落とし穴」として挙げられているインターリーブは、同じ種類の問題だけを延々とやる学習に対する別案です。別のテーマを差し挟むことで、脳に区別を覚えさせる。これも、単純な努力量ではなく、努力の置き方の話です。
目次には「ひらめきを生む」「創造性を飛躍させる」という章もあります。これは、勉強のゴールを、暗記から問題解決へ広げることでもあります。
試験勉強や仕事では、最後は「どう使うか」が問われます。アイデアの孵化という言葉は、考え続けるだけでは出ないものが、時間差で出てくる現象を指しているように見えます。ここが扱われている時点で、本書が“勉強法”を広い意味で捉えているのが分かります。
勉強でつらいのは、努力しているのに報われない感覚です。そのとき必要なのは、根性の追加ではなく、方法の切り替えです。
紹介文の章タイトルは、環境の変化、分散、自己テスト、孵化、インターリーブ、睡眠と、どれも努力量そのものより「努力の置き方」を扱っています。ここが本書の価値だと感じました。頑張り方を変えられると、同じ時間でも成果が変わります。
『脳が認める勉強法』は、脳がどう学び、なぜ忘れ、どう定着させるのかを出発点に、記憶・解決・無意識まで含めて勉強の設計を見直す本です。環境の変化、分散、自己テスト、インターリーブ、睡眠といったキーワードが、紹介文の目次に並ぶだけでも実践の方向が見えます。努力の量ではなく、努力の置き方を変えて成果を出したい人に向いた一冊です。