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レビュー

概要

論理的思考力をMBAの現場から体系化し、現場での意思決定に役立つ「クリティカル・シンキング」フレームを紹介する教科書。改訂3版では、AIとデータが入り交じる環境下で、仮説の立て方、因果の見極め方、選択肢の検証の順序を再定義し、章ごとに実際の企業プロジェクトをケーススタディとして盛り込んでいる。

読みどころ

  • 第1部が「観察→仮説→検証の動き」を示し、特に「仮説を立てた後に最も壊れやすい前提」へ早めに着目するためのチェックリストを提供。たとえば新規事業の市場予測で、需要の数値を過大評価した事例を取り上げ、代替仮説を作ってテストするプロセスが図解される。
  • 第2部では「論点の構造化」について。因果関係の分解・構造化マップの作り方が載っており、戦略資料のたった1ページ目で「思考の出口」を置くことの重要性が説かれる。単純なフレームワークとは異なり、グロービスのケース授業で使ったスライドを実例として紹介。
  • 第3部での「意思決定の場面」では、選択肢を似たもの同士でグループ化して、リスク・リターン・実行可能性の観点から検証するテンプレートを提供。特に複数人が意見を出し合うときに必要なファシリテーションの問いかけ(例:「これが事実だとすると次に何を検証する?」)を紹介。

類書との比較

『クリティカル・シンキング ブラウニング』などの西洋流の入門書が「個人の思考整理」に集中するのに対し、本書はチームで使えるフレームとして構造化されている。前者が個々の思考ルーティンを磨くのに対し、こちらはプレゼン資料や議論の場の空気感を整えて、選択肢をチームの合意に変える現場感覚が強い。

こんな人におすすめ

・意思決定を誰かに任せられないリーダー。複数の仮説を持ちながら現場を走る手法が得られる。
・MBAで学びたいが時間が取れない社会人。知識を実務に落とし込む具体的なケースを追体験できる。
・AI時代の思考力を鍛えたい人。データと人間の観察を両立させる視点が載っている。

感想

改訂版ではAIの出力に過信せず、仮説に対するチェッカーを自ら持つことが重視されている。実際に職場で仮説を仲間に提示する前に、「この仮説が正しいとしたら、次の数字は何か」と問い直すようになり、議論が早く収束するようになった。実務に近い観察・仮説・検証の連続をさまざまなケースから追いながら、自分の思考のバージョンアップができた。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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