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レビュー

概要

『ダイエットは習慣が9割 決定版』は、体重を落とす方法を探す本というより、「なぜ続かないのか」を習慣の側から見直す本です。著者の増戸聡司氏は、短期的な食事制限や根性論ではなく、毎日の行動パターンをどう変えるかに重点を置いています。目次も、なぜ続かないのか、ダイエットは習慣が9割、リバウンドせず健康的に痩せるための目標設定、痩せる食事習慣、痩せる生活習慣という流れで、かなり実務的です。

ダイエット本は、「これを食べれば痩せる」「この運動だけで変わる」といった即効性のある見せ方をしがちです。しかし本書は、そういう期待をいったん下げます。結局、体型を変えるのは単発の努力ではなく、繰り返す行動だからです。食事、睡眠、運動、記録、環境づくりをまとめて扱い、無理なく続けられる単位まで分解してくれるのが本書の価値です。

また、タイトルに「決定版」とあるものの、内容は派手さより継続寄りです。だからこそ、何度もダイエットに失敗してきた人に向いています。気合いを入れ直す本ではなく、失敗の構造を見直す本として読むと効きます。

読みどころ

1. 続かない理由を「意志の弱さ」で終わらせない

本書のいちばん良い点は、ダイエット失敗の理由を精神論にしないことです。続かないのは、意志が弱いからではなく、行動が習慣として組まれていないからだと考えます。この前提だけで、読後の気分がかなり変わります。

たとえば、食事制限を始めても夜に崩れる人、運動を決意しても三日坊主で終わる人、平日は頑張れても週末で戻る人。それぞれを性格の問題にせず、トリガーや環境の問題として見直していくので、改善の余地が見えます。失敗を責める本ではなく、修正する本です。

2. 食事を「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」で見ている

ダイエット本は食品の善悪で語られがちですが、本書は食べ方の習慣にもかなり重きを置いています。食べる時間、食べる順番、満腹感の取り方、間食の入り方、空腹への対処など、日々の食行動を細かく見直す発想です。

これは実際かなり重要です。同じメニューでも、食べるスピードやタイミングが違えば、満足感もリバウンドのしやすさも変わります。本書はそこを小さなルールに落としていくので、極端な制限より続けやすい。結果として、生活の中へ自然に入りやすいです。

3. 目標設定が現実的

本書は「短期間で何キロ減」より、健康的に続く目標設定を重視しています。ここが地味に大事です。高すぎる目標は挫折を呼び、挫折は自己否定を強めます。本書は、行動目標と結果目標を分けて考えることで、毎日の達成感を作りやすくしています。

体重の数字だけを追うのではなく、睡眠時間、歩数、食事記録、間食回数など、変えられる行動へ目を向ける。これはダイエットだけでなく、習慣形成全般に通じる考え方です。気持ちが折れにくい設計になっています。

4. リバウンド対策まで視野に入っている

一時的に痩せる本は多いですが、本書は戻らないことをかなり意識しています。ダイエットは、落とすより維持する方が難しいです。本書では、無理をしない生活習慣を作ること、その習慣が崩れたときの戻り方を持つことが大事だとされています。

この「崩れたときの戻し方」があるだけで、実用書としての価値が上がります。完璧に守れない日があっても、翌日から戻せばいい。その現実感があるので、長い目で続けやすいです。

類書との比較

食事法特化の本や筋トレ特化の本と比べると、本書は習慣設計の本です。何を食べるべきか、どんな運動が効くかも出てきますが、それ自体が主役ではありません。主役は「続けられる状態をどう作るか」です。

そのため、即効性だけを求める人には物足りないかもしれません。ただ、過去に何度もリバウンドしてきた人には、この本の地味さこそ必要だと感じます。派手な成功談ではなく、再現性のある日常へ戻してくれる本です。

こんな人におすすめ

  • ダイエットを始めても毎回途中で続かなくなる人
  • 食事制限だけではなく、生活全体を見直したい人
  • リバウンドを繰り返していて、根本原因を知りたい人
  • 数字より習慣を変えるアプローチで痩せたい人

感想

この本を読んでよかったのは、「痩せる方法」を増やすより「失敗するパターン」を減らすほうが大事だと整理できたことでした。ダイエットは、やる気のある最初の1週間より、普通の日に何を続けられるかで決まります。本書はそこを徹底して見ています。

特に、食事、睡眠、運動を別々に扱わず、習慣としてつなげて考えるところがよかったです。夜更かしすれば食欲も乱れやすいし、疲れていれば運動も飛びやすい。こうした連動を前提にしているので、読んでいて無理がありません。短期決戦ではなく、生活を少しずつ組み替える本として実用的でした。

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    佐々木 健太

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