レビュー
概要
この本は、英単語を一語ずつ暗記するのではなく、語源のまとまりで覚えていくための入門書です。シリーズの強みである語源学習を、初心者でも入りやすい図鑑形式に落とし込んでいて、学び直しの大人にも、これから語彙を増やしたい学生にも使いやすい構成になっています。難しい語学書というより、単語の見え方を変える本です。
特に良いのは、接頭辞、接尾辞、語根を「知識」として説明するだけでなく、イラストと例文で感覚的にも覚えやすくしているところです。既に知っているカタカナ語や簡単な英単語を起点にして、そこから関連語へ伸ばしていくので、最初のハードルが低い。単語帳で挫折した人ほど向いているタイプだと思います。
読みどころ
1. 単語を「家族」で覚える感覚がつかめる
英単語学習がつらいのは、単語が全部バラバラに見えるからです。本書は、同じ語根や接頭辞を持つ単語を並べて見せることで、「1つ覚えると、周辺も見えてくる」感覚を作ってくれます。たとえば、見る、運ぶ、書くといった基本イメージを起点に広がっていくので、未知語に出会ったときも完全な初見ではなくなります。
2. 構成がやさしく、学び直しに向いている
本書は、いきなりマニアックな語源へ行かず、カタカナ語や頻出語から始まります。そのあとで接頭辞、語根と段階的に進むので、語源学習に慣れていない人でも置いていかれにくいです。見開きで読める区切りが多く、1日1つでも進められる。継続しやすさまで設計されているのは大きな長所です。
3. 会話に使う語彙へつながっている
語源の本というと、受験や語学マニア向けの印象を持たれがちですが、本書は日常会話や基本語彙に重心があります。だから、「意味はなんとなく知っているけど使えない」という単語が多い人に効きます。単語の成り立ちを知ることで、訳語だけで覚えていた時よりも、自分の中に残りやすくなります。
4. 親子や学び直しでも使いやすい
イラストが多く、説明も固すぎないので、親子で一緒に見る使い方とも相性がいいです。大人が学び直すときも、理屈だけの本より続けやすい。英語の勉強は気合いで詰め込むものだと思っていた人ほど、「理解しながら増やす」感覚を取り戻しやすい一冊です。
類書との比較
一般的な単語帳は、出題頻度順やレベル順で並んでいるので、試験対策には強い一方、単語同士のつながりは見えにくいことがあります。本書はそこが逆です。語源を軸に束で覚えるので、記憶の定着や未知語の推測に強いです。点数直結の即効性より、長く使える語彙感覚を育てる本だと感じます。
また、重厚な語源辞典のような本に比べると、本書はかなり親切です。図鑑形式とイラストの力で、語源学習を難解な知識ではなく、実際に単語を使うための補助線にしてくれます。英語が苦手な人の入口としては、かなり優秀です。
こんな人におすすめ
- 単語帳の丸暗記が続かなかった人
- 英語を学び直したい社会人や保護者
- 親子で楽しみながら語彙を増やしたい人
- 未知語の意味を推測できる力をつけたい人
感想
この本の良さは、英単語の勉強を「覚える苦行」から「つながりを見つける作業」に変えてくれるところです。単語が増えるほど苦しくなるのではなく、増えるほど整理しやすくなる感覚がある。そこが単語帳との大きな違いでした。
特に、英語に苦手意識がある人ほど救われる本だと思います。意味を一対一で覚えようとすると挫折しやすいけれど、成り立ちやイメージから入ると記憶に残りやすい。学び直しの最初の1冊としても、子どもと一緒に英語へ触れる1冊としても、かなり使い勝手のいい本でした。
語源学習は遠回りに見えて、実は単語の増え方を大きく変えます。覚えた語が増えるほど、知らない単語も推測しやすくなるからです。丸暗記だけでは伸び悩んでいた人が、学び方そのものを立て直すきっかけとして読むには、とても相性のいい入門書でした。
特に、知っている単語を使える単語へ変えていきたい人に向いています。会話や読解の場面で「あの単語と同じ根だ」と気づける回数が増えるので、英語への苦手意識を下げながら続けやすいです。初学者にも勧めやすく、学び直しの大人にも相性がいい一冊でした。親子学習の入口にも合います。長く使える本です。手元に置きやすい本でもあります。