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レビュー

概要

『女子の筋トレ&筋肉ごはん』は、やみくもに体重を落とすのではなく、筋肉を育てて見た目と体調を整えるための入門書です。女性向けの筋トレ本というと、やせることだけを前面に出したものも少なくありませんが、本書は「きちんと食べて、必要な筋肉をつける」ことを軸にしています。

筋トレと食事を切り離さず、体のラインを整える運動と、筋肉を減らさない食べ方をセットで説明しているのが特徴です。糖質を極端に削るような短期勝負ではなく、代謝が落ちにくい体をつくるという考え方なので、リバウンドを繰り返してきた人ほど相性がいい内容です。

また、本書は美容と健康を対立させていません。やせるために不調を我慢するのではなく、冷えや疲れやすさ、姿勢の悪さまで含めて整える方向なので、体重だけでは測れないメリットが見えてきます。数字よりも、日常で動きやすく見た目も締まる体を目指したい人には特に読みやすいです。

読みどころ

まず良いのは、「女性が筋トレをするとムキムキになるのでは」といったありがちな不安を、基礎知識からほどいてくれるところです。筋肉量が増えることで姿勢が整い、ヒップラインやウエスト周りの見え方が変わり、疲れにくさにもつながる。単に見た目を細くするのではなく、動ける体をつくることが結局いちばんきれいに見える、という本書の主張には納得感があります。

トレーニングの説明も実用的です。スクワットや腹部、背中、下半身といった部位ごとの基本種目を中心に、自宅で始めやすいメニューが並びます。ジム通いを前提にせず、まずは生活に組み込める範囲で続ける発想なので、運動習慣がない人でも入りやすいです。どこに効かせるか、何を意識するとフォームが崩れにくいかが丁寧で、初心者が自己流で空回りしにくい構成になっています。

食事パートも本書の強みです。筋肉づくりのためには、たんぱく質だけでなく、炭水化物や脂質も含めて全体のバランスが大事だとわかりやすく説明されます。食べる量を減らす発想ではなく、何をどう組み合わせると筋肉が落ちにくいか、忙しい日でも取り入れやすい食材やメニューの考え方が中心です。だから「運動しているのに体調が悪い」「食事制限で肌や気分が荒れた」という人にも刺さります。

初心者がつまずきやすい点にも触れているのが親切です。たとえば、頑張りすぎて翌日に動けなくなる、同じ部位ばかり鍛える、食べないまま運動量だけ増やすといった失敗は、やる気のある人ほど起こりがちです。本書はそうした空回りを避けながら、習慣として続くラインを探す発想なので、短期集中型の本より再現しやすいと感じます。

類書との比較

一般的なダイエット本は、短期で体重を落とすための制限やルールを強めに提示しがちです。一方で本書は、筋肉量を維持しながら体を整える方向なので、数字よりも見た目や生活のしやすさを重視しています。また、筋トレ本の中でも男性向けの高負荷プログラムとは距離があり、女性が日常で無理なく続けられるラインに落としているのが読みやすいです。

料理本として見るとレシピ数だけで勝負するタイプではありませんが、「筋肉ごはん」という切り口で、何を食べるとトレーニングの効果が出やすいかを理解させてくれます。運動本と食事本を別々に読むより、一冊で考え方をつなげられる点に価値があります。

こんな人におすすめ

  • 食事制限ばかりで体型づくりがうまくいかなかった人
  • 体重よりも姿勢やボディラインを整えたい人
  • 自宅で始められる女性向け筋トレを探している人
  • 筋トレと食事管理をセットで学びたい人

感想

この本を読むと、「細くなる」と「健康的できれいに見える」は別物だとよくわかります。筋肉をつけることに抵抗がある人でも考え方は変わるはずです。体温、姿勢、疲れにくさ、むくみにくさまで含めて体が変わると知れば、筋トレへの見え方はかなり違ってきます。

特に良かったのは、ストイックすぎないことです。毎日完璧にやる前提ではなく、まずは続けられるメニューと食事の軸を持つ。その現実的な温度感があるので、読むだけで終わらず、翌日から1つでも試しやすい。女性向けの筋トレ入門として、見た目づくりと健康管理を無理なくつなげてくれる一冊だと思いました。

筋トレ本が初めての人にも、過去にダイエットで失敗した人にも勧めやすい内容です。過激な変化を約束する本ではありませんが、生活の中で体を立て直す基本が詰まっています。長く続く体づくりの最初の一冊として、かなり使い勝手が良いと感じました。

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    佐々木 健太

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