レビュー

概要

単行本化されたFeelコミックスの第1巻で、サプリメントを人体のシステムに重ねて描くヒューマンストーリー。主人公は栄養士と漫画家が交差する日常を生きる女性で、サプリメントごとの成分・体への働きを擬人化しながら、人間関係や社会的な期待を解釈する。科学的な豆知識をストーリーに織り込み、各エピソードには「実際に使える栄養補給メモ」や「医師が伝える安全な用量」などのコラムも挿入される。感情と身体のバランスを対話形式で描きながら、読者が自分の健康選択に自信を持つための「問い」を並べている。

読みどころ

この巻では、自分の心身の状態を「サプリメントの栄養素」に例えて分析していく表現が秀逸。たとえば第2話ではリラックスが足りないことを「マグネシウム不足」として見立て、主人公が実際の食材に含まれる含有率を調べていく。作者は専門家の助言を引用しつつ、サプリの摂取量やタイミング、他の薬との併用リスクをグラフ風に配置し、読者の健康リテラシーを養う。後半の話では、サプリに依存する心理を「自己肯定感を埋める穴」として描き、その穴を埋めるのは「人間関係」と「活動」であることが示され、サプリの使い方を「ツール」視点で再構成している。

類書との比較

サプリに関する書籍の多くは科学的な成分や効果のレビューに集中するが、本書はストーリー漫画で「体の中の声」を描き、サプリを心身のコンテキストで再入力するアプローチが独特。『サプリメント100の真実』のような事典が客観データを扱うのに対し、『サプリ』は人間ドラマを通じて「サプリをどう受け止めるか」の感覚を伝える。『マンガでわかる栄養学』が基礎知識を中心に据えるなか、こちらは感情的なトリガーと組み合わせることで、読者が自分の「いつ、なぜ」をかみ砕く仕組みを持つ点で差別化されている。

こんな人におすすめ

  • サプリに興味はあるが、単なる効果・効能解説ではなく、日常の感覚とつなげて学びたい人
  • 精神科的な疲労や過労を抱え、「何を補えばいいか分からない」人
  • 飲み合わせや用量に怖さを持ち始めたサプリ愛用者
  • 漫画やエッセイの形式でも栄養学の考えを取り入れたい忙しいビジネスパーソン

感想

ストーリーで描かれる「ビタミンCが足りない朝」「プロテインであと一歩のエネルギー」などが、私が普段感じている体調の揺らぎと見事にシンクロした。読み終えるころには、栄養素だけでなく、そこに込められた「人との関係」や「仕事の目標」を意識するようになった。作者がおすすめするサプリの摂取パターンを見つつ、自分なりの「サプリのフローチャート(朝・昼・夜のバランス)」を作る時間が楽しく、そうした個人的な実験も一冊の目的になっている。citeturn0search6

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    佐々木 健太

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