レビュー
英文を「感覚」で読まない。論理で読めるようにする教本
英語を読めるようになりたいのに、単語を追っているだけで意味がつながらない。
長文になると、どこが主語でどこが述語なのかが曖昧になる。そういうつまずきは、語彙より構造の問題で起きます。
『英語リーディング教本: 基本からわかる』は、英語を論理的に理解するための方法論を土台に、読解の基礎を組み直す本です。
著者は「Frame of Reference(英語構文の判断枠組み)」を提唱し、高校生から社会人まで幅広く支持されていると紹介されています。
目次が“読解の骨格”そのものになっている
この本の良さは、章立てが読解の骨格に沿っているところです。
- 品詞と働き(前置詞/等位接続詞 ほか)
- 活用と動詞型(活用/述語動詞・準動詞の関係 ほか)
- 準動詞(述語動詞と準動詞/過去分詞の4つの可能性 ほか)
- 従属節(従属節/従属接続詞 ほか)
- その他(接点のつなぎ方/人称と数 ほか)
「前置詞」「接続詞」「動詞」「準動詞」「従属節」。
読めない原因が、このどれかにあることは多いです。だから、この順番で整理されているだけで、復習のルートが見えます。
準動詞と従属節に強くなると、長文が別物になる
読解で崩れやすいのは、準動詞と従属節が増えた瞬間です。
特に過去分詞は、分詞構文なのか形容詞的用法なのか、受け身の一部なのか、判断が曖昧になりやすい。
目次に「過去分詞の4つの可能性」と明記されているのが、まさに“つまずきポイントを分かっている”感じがします。
判断枠組みがあると、英文が長くなっても「今は何を判定すべきか」がブレません。読むスピードも、精度も上がります。
TOEIC/TOEFL/英検/大学入試まで見据えた「基礎の作り直し」
本書はTOEIC、TOEFL、英検、大学入試に対応と紹介されています。
試験が違っても、英文を読むための基礎は共通です。
単語を増やす前に、構造を迷わず取れるようにする。
この順番を守ると、長文でも「分からないのは語彙なのか、構造なのか」を切り分けられます。切り分けができる人は、伸びが早いです。
別冊付属=学習を“回す”前提がある
付属資料として別冊がある点も、学習を回す前提があるように感じます。
読む力は、理解したつもりでは伸びません。反復して、判断の型を体に入れる必要があります。
別冊があると、本編を読み返す負担を減らしながら、演習や確認がしやすい。
学習の継続に対して、地味に効く設計です。
「前置詞」と「接続詞」を丁寧に扱うのが、読解には効く
目次の最初に前置詞や等位接続詞が来るのは、この本らしさだと思います。
英文が読めないとき、原因が動詞や語彙だと思い込みがちですが、実は前置詞句の係り先や、接続詞でつながった構造が取れていないことも多いです。
ここを序盤で固めると、後半の準動詞や従属節の理解も安定します。
パーツを順番に積み上げていく構成なので、基礎の抜けを自覚している人ほど効きます。
おすすめの使い方:自分の“崩れる瞬間”を決めて戻る
この本を活かすコツは、読めない英文にぶつかったときは「どこで崩れたか」を言語化することです。
たとえば、前置詞句の係り先が分からない、接続詞で節が切れない、動詞型が取れない、準動詞の用法が迷う、従属節が長すぎる。
崩れたポイントが分かれば、戻る章が決まります。
辞書で単語を増やすより先に、構造の迷いを1つ消す。その積み上げで、英文が読めるようになっていきます。
学習計画の立て方:1週間で「判断基準」を1つ増やす
本格的な読解本は、読むだけだと消化不良になりがちです。
おすすめは、1週間で判断基準を1つ増やす、くらいのペースで進めることです。
「今週は従属接続詞の働きを迷わず言えるようにする」
「今週は過去分詞の可能性をまず4つに分けて考える」
こういうふうに“判断の型”を増やしていくと、英文を読むときの迷いが減ります。
判断が早くなると、読むスピードも自然に上がります。
スピードと精度を同時に上げたい人に向くタイプの教本です。
こんな人におすすめ
- 英文を「なんとなく」で読んでいて、長文で崩れる人
- 準動詞や従属節が出てくると、構造が追えなくなる人
- TOEICや英検などのスコアを伸ばす前に、読解の土台を作り直したい人
- 語彙より先に、構文の判断枠組みを手に入れたい人
まとめ
『英語リーディング教本: 基本からわかる』は、品詞・動詞・準動詞・従属節といった読解の核を、判断枠組みとして整理し直す教本です。
英文が長くなると迷いやすい人は、ここで基礎を作り直す価値があると思います。