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レビュー

概要

『りなてぃの 節約食材別! 簡単豪華なおうちごはん』は、節約レシピ本でありながら、「安いから我慢する」空気をほとんど出さないのが魅力の一冊です。宝島社の TJMOOK として出ているムックで、りなてぃが得意とする実用性の高い献立提案を、節約食材ベースでまとめた構成になっています。

この本の軸は、安い食材をどう豪華に見せるか、ではありません。安い食材でも満足感のある一食をどう組み立てるかです。しかも、ただ一皿を紹介するのではなく、「主菜+副菜」の組み合わせで考えやすいように作られている。ここが一人暮らしや共働き世帯にかなり効きます。

Nadia の紹介でも、この本は節約食材から献立をすぐ決められること、余った食材を無駄なく使い切りやすいことが強調されています。節約本としてだけでなく、日々の献立設計本として優秀です。

読みどころ

1. 食材から逆引きできるので、買い物がラクになる

献立本の使いにくさは、「今日は何を作るか」から考えないといけないところにあります。でも本書は、よく使う節約食材が先にある。冷蔵庫にあるもの、特売で買ったものから考えられるので、平日の思考コストがかなり下がります。

特に一人暮らしや少人数暮らしでは、安い食材を買っても使い切れないと逆に損になります。本書はその問題を、献立の組み合わせで解消しようとしているのがうまいです。

2. 節約本なのに「さみしい食卓」にならない

節約料理は実用的でも、茶色い、単調、気分が上がらない、という壁があります。本書が支持されるのは、その壁を超えているからです。安い食材を使っても、見た目や満足感が落ちきらない。ここがりなてぃの強さだと思います。

SNS で人気が出る料理家の本は、味だけでなく、気分の上がり方まで設計されていることが多いです。本書もまさにそうで、「節約しているのにちゃんと嬉しい」が残ります。

3. 実用性が高いのに、押しつけがましくない

節約本には、ときどき生活態度まで説教してくるものがあります。本書はそういう圧が強くありません。あくまで、今ある食材でどうおいしく回すかに集中している。

そのため、「節約しなきゃ」と追い詰められて読む本ではなく、「今日のごはんをなんとかしたい」日に素直に開けます。この入りやすさが、長く使える理由です。

本の具体的な内容

本書の特徴として分かりやすいのは、節約食材から「主菜+副菜」の献立をすぐ組み立てられる点です。Nadia のリリースでも、鶏むね肉、豚こま、ひき肉、魚など、家計にやさしい定番食材を使った構成であることが紹介されています。つまり、一品レシピ集ではなく、その日の食卓をどう完成させるかに重心がある本です。

また、1食1人前平均281円という打ち出しがあり、安さの目安がかなり明確です。ただ、ここで面白いのは、安さだけで押していないこと。毎日のごはん作りに役立つ工夫、豪華に見せるアイデア、余り食材を無駄にしない組み立てが、本の価値になっています。

りなてぃは、もともと実用的で斬新な節約献立で支持を集めてきた料理家です。その強みがこの本にもよく出ていて、「節約」と「ちゃんと食べたい」の間をかなり自然につないでいます。節約本でよくある、満腹にはなるけれどテンションが下がる感じが薄いのがよかったです。

実際の使い方としても、今日はどの特売食材から回すかを決めて開けるだけで、献立の迷いが減ります。レシピ本というより、冷蔵庫の中身から晩ごはんを立てるための実践ツールに近いです。

類書との比較

節約レシピ本はたくさんありますが、本書は「安さ」より「献立の組み立てやすさ」が前にあります。単品のアイデアを集めた本と違って、そのまま食卓に落とし込みやすい。ここがかなり大きいです。

また、SNS 発の料理本の中でも、見た目だけに寄らず、日々の家計感覚とつながっているのが特徴です。節約・実用・満足感の三つをバランスよく持っている本として、かなり使い勝手がいい部類だと思います。

こんな人におすすめ

  • 食費を抑えたいが、味気ないごはんにはしたくない人
  • 特売食材から献立を決めたい人
  • 一人暮らしや少人数暮らしで食材を余らせがちな人
  • 節約レシピ本の「我慢感」が苦手な人

逆に、食材の値段を細かく管理した家計簿的な本を探している人には、少しライトに感じるかもしれません。本書の強みは数字管理より、続けられる献立感覚にあります。

感想

この本の良さは、「節約している感じ」を必要以上に出さないところでした。安い食材を使うことが、我慢や節制としてではなく、上手に回す楽しさとして提示されているんですよね。

一人で食べるごはんでも、見た目や満足感がちゃんとあると気分が違います。本書はそこを軽視していないから、実用一辺倒にならず、続けやすい。節約本としてかなり信頼できると思いました。

食費を守りたいけれど、料理の気分は下げたくない。そんな人にちょうどいい一冊です。冷蔵庫の中身と相談しながら、今日の献立を気持ちよく決めたい人にすすめやすい本でした。

本の虫達

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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