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レビュー

概要

『親子でかんたん スクラッチプログラミングの図鑑』は、Scratchを使って子どもと一緒にプログラミングを始めたい家庭向けの入門書です。ブロックを組み合わせて動きを作るScratchの基本を、図鑑のように一項目ずつ確認できる作りになっていて、親も子も途中で迷いにくい構成になっています。

本書の良さは、子ども向けでありながら、親がプログラミング経験ゼロでも付き添いやすいところです。専門用語をいきなり並べるのではなく、「どう動かしたいか」「そのためにどのブロックを使うか」という順番で進むため、親が先に全部理解していなくても学習を回せます。

Scratch本はたくさんありますが、本書は「親子で学ぶ」ことを前提にしているぶん、家庭学習への落とし込みがしやすいです。学校の授業準備として使うだけではありません。休日や放課後、子どもと一緒に試しながら、考える力を育てていくための本だと感じました。

読みどころ

  • Scratchの魅力である「見てわかる」感覚を、そのまま本に落とし込んでいるのが読みどころです。ブロックの役割が図で整理されているので、命令の順番を変えるとどうなるのか、繰り返しや条件分岐を入れると何が起きるのかが、子どもにも伝わりやすいです。抽象的な説明で終わらないのが強いです。

  • もうひとつ良いのは、国語、算数、理科、社会、図工、音楽といった教科とのつながりを意識している点です。プログラミングを特別な技術として切り離さず、「考えを順序立てる」「試して直す」という学び全体の力として扱っています。学校教育と家庭学習の橋渡しになりやすい本です。

  • 子ども向けの本ですが、親が横で声をかける場面も想像しやすいです。どこでつまずきやすいか、何を一緒に見ればいいかも自然にわかります。親が先生役になりすぎず伴走できるので、家庭学習ではかなり助かります。

  • うまく動かないときの見直し方に触れているのも実用的です。プログラミングでは、正しく作ること以上に、うまくいかなかった原因を探す経験が重要です。本書はその部分を怖がらせず、「1つずつ見直してみよう」という姿勢で導いてくれます。

類書との比較

子ども向けプログラミング本の中には、作品を一気に作るタイプの本もあります。そうした本は完成したときの達成感は強い一方で、途中でつまずくと止まりやすいです。本書は図鑑型なので、必要な項目を拾いながら進められるぶん、親子学習では扱いやすいと感じました。

コードを書いて学ぶ本と比べると、当然ながら深い文法理解までは入りません。ただ、最初の入口としてはその軽さがむしろ長所です。プログラミングに苦手意識を持たせず、「自分で考えて動かせた」という感覚を作るにはちょうどいい本です。

こんな人におすすめ

小学生の子どもと一緒にScratchを始めたい家庭に向いています。親自身は未経験だけれど、プログラミング教育に関わりたい家庭にも合います。学校でScratchに触れ始めた子の復習用にも使えますし、家で一歩先を試してみたい子にも合います。

感想

この本を読んで感じたのは、プログラミング教育の本当の価値は、子どもが将来エンジニアになるかどうかだけではないということです。順番を考える、失敗したら原因を探す、少し直してもう一度試す。そういう思考の型を、遊びに近い形で体験できるのが大きいです。

また、親子で一緒に取り組める本は、子ども向けに簡単すぎるか、逆に親の補助が重すぎるかのどちらかに寄りがちです。本書はその中間にいて、親が伴走しやすく、子どもも自分で進めた感覚を持ちやすいバランスがあります。家庭学習で続けやすい理由はそこにあると思いました。

プログラミングを「早くからやらせるべきか」という焦りよりも、「まず一緒に楽しめるか」を大事にする家庭向けの一冊です。最初の導入として、とても堅実な本でした。

最初から高い完成度の作品を目指すより、小さく作って動かし、少し直してまた試す。その繰り返しを親子で共有したい家庭には、とても使いやすい本でした。

家庭での最初のプログラミング体験を前向きなものにしたいなら、かなり相性のいい一冊です。

無理なく続けたい家庭ほど向いています。

入門用に最適です。

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    佐々木 健太

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